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忙しいのは悲しいのと同じくらいキラい

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暇すぎて考えてしまうこと。半径0メートルの形而下学。見えるものしか見ません。
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2023年7月の記事一覧

毎週月曜と木曜の可燃ごみの日が待ち遠しいみたいに

「可燃ごみの日の朝は、早起きをしなければいけないのでうっとうしい」気持ちにごみ箱が空になる快感が勝って、毎週二回苦しむことなく早起きができている。以前何度かごみの日を逃して虫がわいてしまったときのあの光景を二度と見たくなくて習慣づいたけれども、いざやってみると捨てて部屋にごみがなくなったときの快感にしびれた。髪を切ったときのような、身の回りに起きる劇的な変化のまぶしさ。またごみを溜めていける余白が

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寄りかかりきった椅子の上では、居心地が悪いみたいに

背もたれがある椅子に座るとき、腰を少し前に出して背中の上の方だけもたれかかる体勢に落ち着く。背中をすべてもたれると結局上半身をまるごと腰で支えることになる気がするし、体に触れている面積が広いと特に夏は息苦しくなってくる。背もたれが直角ではない椅子でも同じような体勢に落ち着くから、苦しいのは腰にかかる重さよりも背中を包む熱のほうだとわかる。

同じことは寝転んでいるときも感じる。布団の上で大の字に体

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この体にまとわりつく熱を扇風機の風で振りはらっていくみたいに

外が暑い、ことよりも、ヒトの体は熱い物なのだなと強く感じる毎日。体が持った熱を冷たい空気に渡しながら生命は続いている。暑さを太陽がもたらしているのではなくて、気温が高いときは体の熱が出ていかずいつも感じている涼しさを感じられないにすぎない。いつもが涼しくて、今が涼しくないだけだ。熱の逃げどころがないくらいパンパンに太陽のエネルギーをつつんだ空気が、わたしたちが彼らに普段委ねていることの大きさを突き

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