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療育という場所

長男の1年の療育期間が終わりました。次男が産まれてからは私がほぼ毎週通わせていたので、私と長男と療育との付き合いは半年くらいになります。卒業というほど感慨深いものでもないですが、色々な発見があったので通わせるまでから現在まで記録しておこうと思います。(療育に関して専門知識皆無なのであくまでも素人の記録です…)

1.通うまで

・長男は一言で言うと「マイペース」です。1歳前後はとにかく泣く、泣き止まない。朝も昼も夜も。次男がそんなに泣かないので今思うと長男はすごかったよね、と妻とも話しているくらい泣いていました。
・泣く期間が過ぎると、とにかく1人でどこかに行くようになりました。呼び止めても何も反応なし。公園でも遥か遠くまで行って、呼んでも帰ってこない。
・階段や自動ドア、引き戸にやたら執着して、それを止めようとすると大泣き。止めすぎて長男が一時期外に出るのも嫌がるくらいでした。妻も私も「マイペースな子だなあ」そんな風に思って過ごしていました。
・そんな中1歳半検診がやってきます。事前に調べた検診内容はほとんどできないことは予めわかっていて、直前になると芸を仕込むように教え込んでいました。そのことに大きな違和感を感じていました。
・教え込んでも当然出来るわけもなく、それでも「当日何とかなるだろう」くらいの気持ちで一歳半検診に向かいました。
・すると、その一歳半検診の部屋にも入れない。羽交い締めにししてようやく座ってもパニック状態。できるできない以前の挙動でした。
・何の試験でもないことは頭では分かっていましたが、羽交い締めにしている横で同年代の子どもがあれほど自分たちが教え込んでいたことをすらすらできるのを横目に見ながら、検診の部屋を出ました。
・誰を責めるわけでもなく、これからどうしたらいいんだと言う気持ちのまま夫婦共に過ごしていました。「我が子が育てにくいと思った時に読む本」みたいたなのも夫婦で読んで感想を言い合っていたのもこの頃だったと思います。
・検診の結果は定期的に面談をしながら療育を受けるかどうか見るという判断でした。面談ではチェックリストみたいなものでできるかできないかの判断をされます。どうしてもそのチェックリストが頭から離れなくなりました。
・長男がそのチェックリストでジャッジされている、あれをできるようにならなくてはならない、あれはチェックリストではなく現状把握で親はそんなこと気にしなくていいと分かっていても、そのチェックリストを頭に浮かべ子どもの日頃の振る舞いを見てチェックしている自分がいました。
・そうやって日々を過ごし、療育に行くことを面談の結果、妻と決めました。

2.通ってから

・療育は職員の声かけのもと体を動かしたり、お話をきいたり…その中で片付けや点呼への反応、お手洗い等、集団生活に必要な活動を経験していくという内容(表現おかしかったら、ごめんなさい…)でした。
・職員の皆様は本当にプロでした。子ども待たせない、嫌な気持ちにさせない。その上でやりとりによって子どもがやりたいことを引き出していく…そういった関わりでした。
・7、8家庭でほぼマンツーマンで職員さんがついていきます。最初に通った時、どんなことになるか緊張してたのですが、「お父さんも少しでもホッとする時間にして下さいね」と言われて、ここではそこまで気負わなくても良いのだとホッとしたことを今でも覚えています。
・長男は相変わらず療育でも自由奔放。しかし唯一日常と違うのは両親が全力を出さなくても安全と平穏が約束されていました。本人がやりたいことをやれる場所。そんな場所も今まであまりなかったのかなあとぼんやりと長男を見ながら考えていました。
・そんな風に子どもの様子をぼーっと見ていると、職員さんから「今自分で考えて、新しいおもちゃ友だちに渡してますね」といったように子どもがなぜその行動をするのかを、ささやきながら解説してくれました。そうやって自分の子どもを見るんだなあとその新しい視点が療育以外で余裕を持って子どもを見ることにつながりました。
・療育には何回かに一回保護者だけで話す集まりがあります。職員さんがファシリテーションとなり、テーマ(近況報告、生活習慣、今後の保育園幼稚園の予定等)に沿って1人ずつ保護者が話していきます。それぞれの子どもの日頃の様子が我が子ともオーバーラップして、温かな笑いと共感に包まれた場でした。
・長男は療育のプログラムの中で同年代の子どもと楽しく過ごせるようになりました。すると、療育以外で大勢と過ごすと逃げ出して、そこから復帰不可能…みたいなことが減ってきました。


3.療育最終日にて

・職員さんに「長男くん、色々なことが自分で理解して動けるようになりましたね」と言われました。そういえば、療育に連れてきた時は無表情で自分のやりたいことをひたすらにやり続けると言う場面が多かったのですが、段々周りのとの関係性の中で楽しむ場面が増えてきました。
・絵本で面白い場面の時に、「ぐふふ」と自分そっくりの顔で笑っている横顔見て、こういうことも今何が起こっているか理解しているから笑えるのか、と思いました。
・職員さんは「今日は最終日ですね。何か込み上げるものがありますね…。」と卒業式のような雰囲気でいましたが、私たちにはそんな空気感はありませんでした。今日は区切りでもなんでもなく、また明日も明後日も子どもとの日々は続いていきます。そんなことを他の保護者の皆さんも思っていたのではないかと勝手に想像しています。
・でも確かに子どものこれまで過ごした時間の中に療育はあって、それは子どもにとって大切な時間だったんだと親から見て思います。
・卒業感はないと言いながら家族では1年間お疲れ様ということで長男の大好きなポテトが昼食でした。長男も「ポテトパーティーだよね?!これ!」と何か嬉しいことがあるんだなということを感じていました。

長文になりました。教育業界にいながらあまり療育のことを知らずに仕事をしてきました。経験から感じる部分は時が経つと忘れてしまうと思いここに記録します。皆様にも何がピッとくるものがあれば幸いです。

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