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シュタイナー教育×PBL×第二言語学習の経験②理念

既に遠い昔・・になってしまいましたが、夏にシュタイナー教育についてお話しました。

前回は「シュタイナー教育とは?」について簡単に触れました。
今回はその続きです。

今回はシュタイナー教育の理念について少しご紹介してみたいと思います。
これは、私が高校に通っている当時は知らなかったのですが(もちろん両親は理解していましたが)今になってみると、しっかり私の中に組み込まれているなぁと感じています。
ただ、これがシュタイナーによるものなのか、もともと自分にその要素があったのかはわかりません。きっとどちらもなのだと思います。

教育理念①「自分の意志で行動できる人間を育てること」
シュタイナー教育では幼児教育から段階を踏んでこの理念を踏襲していくわけですが高校の段階では「認識活動が中心にあり、自分の判断で自分と環境世界との関係を決定していく人間を育てること」が詳細理念とされています。
単に自分の判断で決定・行動するわけではなく、自分を取り巻く環境(ここには対人に限らず、自然環境やテクノロジーも含まれます)との関係を自分で見つめることができる人間を育てる、という考え方です。

教育理念②「全ての教育は芸術である」(教育芸術という思想)
「芸術とはなにか」というと深い話になりますが、ここでいう芸術とは「作り手が自分なりの意志と美意識を持ち、創作をすること」です。
絵画や音楽ではなくても、作り手に意志や美意識があり、試行錯誤しながら何かを作り進めていくこと全てが「芸術」であると言えます。
シュタイナーは教育もその「芸術」に属している、という考えです。

私はこの考え方はまさにその通りだと思っていて、教育に限らず仕事全般が芸術に属すると思っています。
画家が自分のメッセージやセンス、これまで見たもの聞いたものや経験を込めて作品を描くように、教育にもそうした意識を持って取り組む姿勢が、教育も自分自身をも活き活きと前進させるのだと思います。

因みにシュタイナー教育では教師のことを「教育芸術家」と名付けています。

教育理念③「一人ひとりの個性を尊重し、個人の能力を最大限に引き出す教育」
この理念はシュタイナーに限ったことではありませんが、シュタイナーでは他の教育現場よりもこの理念を遵守しています。
シュタイナー教育機関の特徴として、生徒の数が非常に少ない「少人数制」というのがあります。これは、教師が生徒一人一人に秘められた個性や才能を開花させるべく向き合うための人数ということです。
具体的には課題や生徒の指導などを細かく一対一で対応することのほかに、授業内でも一人ずつの発表や創作活動などが多いためだと思います。

理念は他にも、「体・頭・心」をバランスよく鍛えることなども記されています。
更には理念自体が各年齢に合わせて少しずつ変化していきます。
そして学校(高校)を卒業した後の人生の最後まで設定されているのです。

自分が何かに対して困ったり、迷ったりした時に、シュタイナーで受けた教育の理念を眺めてみると、自分の中ですっきりと悩みが解消されることがよくあります。
「理念」とは「教育を選ぶため」や「教育を特徴付けるもの」ではなく、学習者の人生にずっと付いてまわり、見守る「守護者」のような役割があるのかもしれない、と感じています。

次回はいよいよシュタイナーで経験した授業についてです。


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