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🌺『ナラティブカンパニー』アロハラボ文庫#001

一瞬「海外の翻訳本かな?」と勘違いするような装丁の『ナラティブカンパニー』。

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Webで見て、「うちの会社と親和性が高そう!」と思い、社長に買ってもらいました。

そもそも「ナラティブ」って何?

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まず、「ナラティブ」とは。言葉通りの意味としては、「物語。朗読による物語文学。叙述すること。話術。語り口。(『デジタル大辞泉』より)」だそうです。元々は文芸理論の用語だったと。
ただ、この本での「ナラティブ」はマーケティング的なアプローチとしてのナラティブで、上の図に書いた通り「物語的な共創構造」と定義されています。

「物語的な共創構造」って何やねん?

この本、結構横文字が多いんです。理解するには事例を読んで頭の中で組み立てていくのがなんだかんだ一番早い気がしました。

上記の絵にも描いた通り、P&Gのヘアケアブランド「パンテーン」の事例を簡単に事例としてあげてみます。日本である程度浸透し、売上が低迷していたパンテーンが打ち出したのが「 #この髪どうしてダメですか 」。
地毛なのに黒染めを強要されたり、「地毛証明書」の提出を求められたりする「髪型校則」にアプローチし、有志による黒染め指導廃止を求める署名活動が発足しました。その結果、東京都教育委員会が都立中高で黒染めの指導廃止を宣言するなど、社会的な行動変容を促すことに成功したそうです。

こうして、企業が主人公となるのではなく、普通の”生活者”が主人公となり、何かを変えていく(=共創していく)物語。これを「物語的な共創構造」と呼んでいます。

「ナラティブ」と「ストーリー」の違いは?

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ここでよくわからないのが、「ナラティブ」って「ストーリー」って何が違うの?ということ。
同じなのは、起点となるのが創業者や企業の強い想いであること。
違いは、分かりやすく言えば「広さ」でしょうか。

違いの1点目。
ナラティブに出てくる演者は「生活者」。ストーリーの主人公はあくまで企業やブランドで、企業はなぜ生まれてどう発展してきたか、といった物語に終始します。ナラティブは、企業の外の人こそが主人公になるものです。

次に、違いの2点目、時間。
ストーリーには起承転結があり、その物語には始まりと終わりがあります。一方、ナラティブには始まりも終わりもありません。パンテーンの事例からも分かる通り、今も社会は変わっている。つまり、現在進行形の物語なのです。

最後に、違いの3点目、舞台。
主人公が企業やブランドであることからも分かる通り、ストーリーの場合は「その企業が属する業界」など、あくまでビジネスで関わる範囲のことが多いです。一方、ナラティブの場合は、何か社会的な道を語り、そこに向けて当事者を巻き込んでいく構造であるため、舞台は社会そのものになることが多いです。

いかがでしょうか、少しはナラティブの輪郭がつかめてきたでしょうか…。

なんで今「ナラティブ」なのか?

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まず①「共体験」価値の高まりには、SNSの普及が大きく寄与しています。同じ関心を持つ人がSNS上でつながるようになり、興味関心の細断化も進んだ一方、同じ価値観を持つ人の共体験は深まりました。

次に②「社会的距離」の見極めについては、コロナ禍の影響で、「他社との間合い」を意識的にとっていく人が増え、そうした状況を踏まえて企業は新しいエンゲージの取り方を模索する必要があるそうです。

最後に③「自分らしさ」が問われる時代になってきた…。いろいろな情報が伝わってしまう現代において、言行一致していない企業の行動は消費者の不信感を募らせます。また、一般的に正しいと思われることをやっていたとしても、それが「その企業らしさ」「その企業がやる意義」と結びつかないと消費者には受け入れられないそうです。

「ナラティブ」ってどうやるの?

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どう実践していけばいいのか。
まとめは上記の画像に簡単に記載しておりますが、実践の部分はぜひ本を読んでみてください!!(まとめに疲れてきたのはここだけの話…)


アロハラボの場合、どうする?

うちの会社で「ナラティブ」を実践するなら何をテーマにすべきなのか…。
しばらく思いつきませんでしたが、今、二つくらいテーマが頭に浮かんでいます。
(このnoteの記事、1ヶ月くらい寝かせていました…)

ひとつめはクラウドファンディング
来月、11月20日(土)に兵庫県立芸術文化センターで行うハイスクールフラコンペティションに向けてクラウドファンディングを行なっています。

日本でフラといえば、ハワイアンズか、近所のマダムたちがのんびりお祭りで踊っている…といったイメージをする方も多いのではないでしょうか。実は若いフラダンサーもいるのですが、人口比率としては逆三角形となっており、このままだとどんな教室も縮小していってしまうし、それは日本のフラ業界がしぼんでいくことを示します。フラの素晴らしさを知り、その教育的効果も知っている私たちとしては、その現状を改善していきたいと考えています。

そのために私たちが行っているのが大学生のためのフラ競技会カレッジフラコンペティションであり、高校生のためのフラ競技会ハイスクールフラコンペティションなのです。

これは自分たちの会社の利益というより、マーケットを見越した事業で、元々「ナラティブ」を意識していたわけではないのですが、消費者の皆様にも関わってくるという点ではとてもナラティブな動きなんじゃないかな、と思いました!

次はカネフラダンサーの育成
この間、カレッジフラコンペティションのSNSでこういった投稿をしました。※カネとはハワイ語で「男性」を意味します。

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書いてある通りなのですが、やはり男性より女性のフラダンサーの方が圧倒的に多い現実があります。でも…フラは元々「男性しか踊れない踊りだった」といういわれもあり、本場ハワイのカネフラを見ると、そのカッコよさには圧倒されます!

「日本でもカネフラをもっと普及させたい…」これはハワイ・フラ関係者なら一度は思ったことがあるはず。
フライベントを多数主催している弊社としては、この現状を打破すべく、何かしらの取り組みを行いたく、来年のカレッジフラコンペティションで大学生カネ部門の開催を目指してうごきだしました。

これも、意識はしていませんでしたが、主役は私たちではないし、とてもナラティブな取り組みじゃないかと…!まだまだ始まったばかりですが実現に向けて試行錯誤していこうと思います。


それでは、長くなりましたが終わります!ここまでお読みいただきありがとうございましたm(__)m

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