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ふなと愛|ギブネスを生きるひと・言靈吟遊詩人
2021年9月21日 07:57
あぶくみたいに生まれては消える日々のうたかたを手のひらに乗せてじっと見つめてみるのひらきたての花弁の上で憩う雫あ、小さな虹いのちの一欠片月に絆されて砕けては散る涙のしぶきでペンの先を濡らして描いてみるの夜の波に揺れるクラゲのダンスあ、絡まる触手世界の一欠片こぼれ堕ちていく光と闇を抱き寄せては紡いで流れ去っていく色と音を捕まえては繋
2021年6月9日 08:45
焼け爛れた 朱い空に浮かぶあれは 太陽か 月か 千切れ飛ぶ 雲の破片消滅する 星の飛沫見上げれば そこに 終末「さあ 逃げて」誰かが 囁く耳の奥 渦巻く螺旋に靴音が 響く 「誰」答えは ない僕は 立ち竦む朽ち果てた 地平に蠢く あれは 蛇か 鬼か侵食する 幾千もの触手増殖する 幾億もの細胞見渡せば そこに 終末「さあ 逃げて」誰かが 叫ぶ
2020年12月9日 16:32
あのねあなたが 生まれる ずっと前かあちゃん 泣いたよ会いたくてどこにいるのーって叫んだ涙で なんにも 見えなくてだけど 知ってたずっと 待っててくれてたことあのねあなたが おなかにいる頃かあちゃん 歌ったよ伝えたくて大丈夫だよーって何度も楽しいことも かなしいこともこの星では みんな美しい一緒に 見にいこうよあのねあなたが 生まれた瞬間かあちゃん 笑っ
2020年12月7日 17:10
かなしいこと たくさん あったわ泣いた犬みたいに夜の 歩道橋の上で息するのも 鬱陶しくてじぶんが誰なのかも 忘れてでもね いまわかるの星も見えないまっくら闇誰もいない世界の終わりにうずくまってたちいさな わたしを宙の向こうから見つめるものそれはかみさまでも天使でもない今日のわたしあの日の 慟哭をあの日の なみだを花を摘むみたいにひと
2020年12月6日 08:16
宙を 泳いでたんだ裸足でスカートの裾が揺らめいて 海月みたい雲に ほおずりしたらなつかしい におい記憶の粒の 真ん中の 昏い 甘い 喚びごえ星が 降りてきたよつかまえて 齧ってみてシャリシャリ サラサラ白い闇に浮かぶ 飴玉たち聴かせて 音楽をこの世界が生まれるもっと ずっと前の最初の 産声を光よりも早くこの宇宙を 一周して後ろから 抱きしめる その腕
2020年12月2日 18:00
一本の 椰子の木が太陽に 恋をした 山から 昇る朝日を見上げ海へと沈む夕日を見つめ雨の日は 雲を仰ぎ夜の闇に 月と語り波の数だけ 願うかみさま どうか 誰よりも わたしを 高く空の天井に 手が届くほどにあのひとに 触れられる ようにあのひとに 届けられる ようにこの風を この歌を この光を一本の 椰子の木が太陽に 恋をした何千回 何万回繰
2020年12月4日 02:14
モシモシ宇宙聴こえてるかな満月の夜はきみを いつもより近く感じる星をつないで首飾りにしたよきみの 漆黒のうなじにそっとかけてあげたいモシモシ宇宙ここにいるとときどき 哀しくなるきみの ほんとうの姿をこのぼくでさえ まだ知らない目を開けてると 見えなくて目を閉じてると 見えるもの世界中の宝石を集めて敷き詰めてもきみを 描けやしないだけどぼくが 笑う