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【ラテンアメリカ旅行 #19】🇧🇷荒野の奇妙な植物/トレイルガイドは犬

奇妙な植物に触れる


● 厳しい自然環境

チャパダディアマンティーナの最初のストーリーでもお伝えしたように、ブラジル北東部、バイーア州からミネスジャライズ州に広がる国立公園で広さは約1520平方キロメートル、東京ドーム約32500個分。
主要都市からはかなり離れており、アクセスが悪い。

この土地は乾燥して太陽の照り付けが激しい。その割に気温はそこまで上がらない。また、陽が差して、水も豊富なのでパタゴニア南部の荒野とは異なり、農作物が育つ環境でもあるので人間にとっては住みやすい。
ただ、高地で土壌の栄養分も少ないらしく、高い木も育たないようだった。
野生動物にとっては餌になるようなものがほとんど無いので、鳥以外ほとんど見かけることはない。

● 荒野の植物たちを見てみよう

まず、僕は植物のことに詳しく無いことを前提に、この土地を歩いていると見たことのない不思議な植物が次々と視界に入ってくる。
陽射しを遮ってくれるような背の高い植物もほぼ存在せず、常に強烈な日差しにさらされる大地から隠れるように、岩や植物の陰でくっついて育っていたり、植物の上に生えていたり、生き方も不思議だった。
このような場所では歩いているだけで不思議なものをたくさん見る。その中で僕は植物が一際目立つ存在だったので、気になった植物を少し紹介したい。*一応現地で説明を受けた情報をもとに調べながら書いているが、素人なので間違えている可能性あり。

最初は岩にくっついていたり、岩と岩の間に生えている植物。見た感じ肉厚で、硬く、鋭い形のものが多い。

発音の仕方がよくわからないが多分ホヘンベルジア。
岩の隙間とかによく生えているシンコラエア
岩場に生息する

次に小さな石灰岩のような石と湿った土の組み合わせが広がっている場所に生えている植物たち。比較的柔らかめで丸みを帯びたものが多い。水分が多めなのか背の高い木のような植物もある。

おそらくパエパランスス
水分がつき上の植物のように花のように見える
多分ティランジア。糸のように絡み付いている
ミメテスという植物に似ているが不明。
背が高く肉厚な葉を持つ植物
この肉厚な植物から花が咲くのが不思議だった

次が大体岩場の上や近くに生えている背の高いサボテンたち。

サボテンの一種だと思うが、ピロソセレウスというらしい
奇妙な可愛いモンスターのようにも見える。夕陽が沈む方向に花がつく
中に水を含み、上から下に撫でると水が流れる音がする。気持ち良い音色が楽器のよう
他の植物の上に育つホヘンベルギア
岩場に大量に生える大きなサボテンたち
大きく、かなりゴツいサボテンの木。近くで見ると迫力がある

おそらく下の2枚の写真の黒い植物は山火事の被害にあったもの。
最近だと2020年にアンダライとムクジェという街の間で起こった大規模な山火事があり、同年にカリフォルニアで起こった山火事の2倍のエリアが被害にあったという。

おそらく山火事で焦げてしまったが生き延びた強者
パタゴニア南部でも山火事で焦げた木と新しく生えてきた緑色の植物の組み合わせをよく目にした

このエリアに生息する花たち

おそらく蘭の一種
岩場に沿って根を張っている木。土がないので剥き出しになっている。

見知らぬ犬と僕たちの冒険


● 最高なガイド犬と一緒にトレッキング

朝の散歩がてらトレッキングに行こうという話になり、とある場所まで車で向かった。

到着すると犬がダッシュで向かってくる。尻尾を振っていて幸せそうな顔をしているので撫でてあげると、走ってトレイルの入り口の方に向かい、吠えてあからさまに「こっちだよ!早く行こう!」と言っている。
散歩したいんだな、と思い、一緒に歩いているとその犬は僕たちのことはもう完全に仲間として見ている。
歩いては後ろを振り返り、僕たちがついていっているか確認し、時々近づいてきて「大丈夫?」と確認してくれているのが伝わる。時々先に言ってしまって見えなくなるが、分岐点に行くと必ず戻ってきてガイドしてくれる。そして歩くこと2時間。ビューポイントに到着。

「ここだよ」と言い座ったのでお礼を伝える僕
週3でトレッキングしてるのにトレッキングシューズを持っていなかった

ラファエルも初めての場所で思いのほか目印が無く難しい道のりで、分岐が多かったので、この犬がいなかったら難しかったと言う。
優しく、気遣いもできる素晴らしいガイドだった。
僕たちはその犬と一緒に素晴らしく綺麗な風景を眺めていた。

犬が連れて切れくれたビューポイント

少し休んで引き返し始めたが、途中で行きと違うルートを通っていることに気づく。実はこの犬、帰る途中で日陰になっている水場があり、そこへ案内してくれていた。そして水場に到着すると再び座って、待っている。僕たちが水の中に入りたいことがわかっているかのようだった。

帰りもしっかり案内してくれた

僕たちはしばらくして、水場から上がり、再び着替えて歩き始めると、犬が立ち上がり、再び案内をしてくれて駐車場に到着した。到着すると振り返って僕たちの方を見て「着いたよ」と言っているようだった。
僕たちは信じられないくらい素晴らしいガイドをしてくれた犬に感動して、持っている肉入りのタピオカを全部あげた。もちろん犬は夢中で食べていて僕たちの方を見ていないが、僕たちは犬にお礼を言い、別れを告げた。

この犬のおかげで僕たちはまるで映画の世界のような冒険をした気分だと話し合っていた。この初対面の犬とのストーリーも一生忘れられない暖かい思い出となった。

Rio de Contasの人たち


● 一度出会ったらみんな仲間のリオ・デ・コンタス

なんとも不思議な街で街中にいるとラファエルの知り合いや、知らない人たちと出会い会話が始まり、一緒にお茶したり、家に招かれたり、近所の子供達に好かれたり、同じ犬が毎日会いにきてくれたり、ご縁がずっと続いていく。日本でも気づいていないだけで、身近でこんなことが起きているのかもしれない。

朝食後、街中で遭遇した木のおもちゃ職人のおじさん。家に招いて色々見せてくれた
アイスクリーム屋さんに案内してくれているシュハスコ屋さんで会ったおばちゃん
めちゃくちゃ陽気でビリヤードがうまいドゥドゥ。色々な場所に案内してくれた温かい人

ドゥドゥの彼氏は数年前まで15年ほどサルヴァドールでホームレスの生活をしていて、Rio de Contasで仕事が見つかり、素晴らしい人生を送っている。
かなり大変な人生だったらしいが、辛さを乗り越えた強さを感じるものすごく優しい人。

真ん中がドゥドゥの彼氏
インドでヨガの修行をしていて、近隣の街でヨガを教えているカイオ

今回はここまで。次回はヴァカロ農園でサステイナブルな生活をするコミュニティについて。セルフビルドの家、コーヒー農園、カシャーサ蒸留所などが広がる広大な敷地で暮らす人々から優雅な心を学ぶ。

最後に曲紹介


サンバ、ボサノバからバイレファンク、ジャズ、ロック、ヒップホップなどを跨ぎ、カリオカ(リオデジャネイロ)のサウンドとして発展させていく、リオ デ ジャネイロ出身、マルチインストゥルメンタリスト兼作曲家のAntonio Neves(アントニオ・ネヴェス)による『A pegada agora e essa』、そして『Phew』の2曲。

最近たくさん古いブラジルの音楽を聞いていたためか、新鮮さが欲しかったのでブラジルのJazzベースの音楽に少し触れてみた。
僕は音楽が好きだが、自分で作れないし、あまり知らない。そんな僕でもブラジルの音楽を聴けば聴くほど懐の深さを感じる。




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