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三題噺

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三題噺を綴ってゆきます。不定期で。
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#小説

月徨 −前編–

月徨 −前編–

三日月・戦・ガラス戸

真っ暗な空に月の光に照らされた機体が浮かんでいる。

「フレッド、前回の着陸地点から何時間飛んでる?」

「2日と8時間です。」
フレッドと呼ばれた青年は眠気を悟られないよう気丈に振る舞って答えた。
「ちなみに、作戦開始までは、あと10時間ありますよ。」

私は計器を確認し、安定した飛行を保てるよう自動操縦に切り替えた。今日は三日月だが、ルナパネルは順調に月光を集めてい

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月徨 -後編-

月徨 -後編-

三日月、戦、ガラス戸

ーー14年前、東西戦争が勃発する直前、私は西側の人間だった。軍の訓練兵だった私は、特別任務として東側への諜報活動を命じられた。
 両親が東生まれだった私は適任で、戦争孤児のふりをすれば誰にも疑われることなく潜入することができた。
 東軍の訓練施設を主席で卒業した私は、一級戦闘員となり、祖国へ情報を流し続けたが、戦況は悪化するばかり、次第に向こうからの連絡が途絶えるようにな

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