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完全埋没から少し発信してみようとおもった3つの理由

戸籍訂正済のトランスジェンダー新生光です。詳しいプロフ記事はこちら。

「もし無人島で一人っきりになっても、
男性で生きていきたいと思う?」

性同一性障害のカウンセリングのときに、
担当医師からそう聞かれたことがある。

僕の回答は、

「YES」

だった。

僕の場合は、
誰かに見られていることを意識しているというよりも、
自分の中にある性別自体に違和感があったからだ。

性同一性障害と診断をされても、
その違和感には個人差があるので
みんな同じ感覚は持ち合わせているとは限らない。

しかし、
僕はこの世にたった一人になったとしても、
自分に与えられている肉体への
大きな違和感はぬぐえなかったのだ。

僕は戸籍訂正をしてから12年以上たっている。

自分が望んだ状態になって
心の安定を得て、
完全に埋没生活をしていた。

*埋没生活とは*
自分の性自認を含めたセクシュアリティを周囲には公言せずに生活することを指す言葉だ。セクシュアリティのことだけではなく、持病や婚姻歴などを公言しないことも、これにあたる。

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同性愛者と
トランスジェンダーの暮らし方には少し違いがある。

トランスジェンダーの場合は、
認識している性別(=性自認)と
肉体の性別が違っているために、
手術やホルモン治療をしたり改名などをして、
自認している性へ戻していこう
というプロセスをたどるひともいる。
(ホルモン治療や手術をしないという当事者もいる)


そのため、
外見などに
【変化】が起こるタイミングが発生する。

僕はこれを

移行の過渡期

と呼んでいる。


元々の状態(=ビフォー)、
変化した後の状態(=アフター)の
両方を知られていることも、
心に負担がかかることがある。

僕の場合は、
ビフォーを知られたくなくて、
引っ越しや転職などで
環境を変化させた。

そうすることで、
ビフォーを知っている人がいなくなるからだ。

今まさに、
僕の周囲の人は
誰もビフォーを知らない。

完全埋没生活をして、
違和感もなく過ごしていて、
このまま年をとっていくんだろうと思っていた。


そんな完全埋没をしていた僕が、
少しだけ情報発信しようと思ったのは
なぜなのか。

3つの理由を話していきたい。

【完全埋没から少し発信してみようと思った3つの理由】
 1.子育てを通して生き方を自問自答
 2.自分の棚卸をして軸を知る
 3.父の死で天命を突き付けられる


それぞれ詳しく話していこうと思う。

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1.子育てを通して生き方を自問自答

結婚生活をしていたときに、
子供からふいに

「もし、お父さんと同じ人がいたらどうすればいいの?」

と質問されてハッとした。

僕は今、
心の安定を手に入れてひっそりと暮らしている。
ところが、
自分の子どもの周りには、
僕が変えていた苦しみに、
近いものを抱えているのに、
僕は見て見ぬふりをするのだろうか。

そう自問自答をした。

生き方を問われた気がしたのだ。

親としてそんな選択はダサいって思った。

そのときに、
その子やその子の親や周囲の人に、
少しでも情報があれば救われるかもしれない。

実際に、
性別違和が原因で
不登校になっている児童がいる
ということを聞いたから、
余計にそういう思いが強くなった。


そして、2017年夏に、
新生光のTwitterアカウントを開設した。

子供と一緒にビジネスネームを考えて、
今のアイコンも子供と一緒に作った。

同時にアメブロも書いてみたが、
そのときには自分の歴史とか、
そのときに感じた痛みや
苦しみだけど書きなぐっていたように思う。

今の発信とは少し違っていたかな。

それから2年で、
残念ながら離婚してしまって、
僕は抜け殻のようになってしまった。

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2.自分の棚卸をして軸を知る

離婚のショックから
ノイローゼ気味だった僕も
生きていく必要がある。


その道を模索していたときに、
Twitterの交流会のようなものがあったので、
そこに参加してみることにした。

そのときは、
この新生光のアカウントではなく、
別のアカウントで参加した。


その会の活動の中で、

自分の発信軸を見つけるために、
自分の人生の棚卸をしてみましょう!

というワークがあったので、
実際にやってみた。

そこからキーワードになるものをひろって、
自分の強みが見つかればいいな
という思いだった。

しかし、
そのときのアカウントでは
完全埋没していて、
性のことは隠している。

棚卸をしても、
自分の軸になることを外しているから、
ちょっとちぐはぐになって、
しっくりとはこなかった。


さみしさ」とか
リーダーシップ
チームワーク」とか、
お金を稼ぐ」みたいな
キーワードは出てきたものの、
なんとなくぼんやりとしていた。

そして去年2020年。

Twitterの有料コミュニティに参加して、
自分の強みを見つけるワークをした。

発信するアカウントを新生光の方にするか、
別アカウントにするか相談をするために、
久々に自分のセクシュアリティをカミングアウトした。

話していく中で、
新生光のほうがいいかな
ということにじわじわ気づいていって、
自分の中で外せない軸となるのは、
この性自認のことなんだ
という実感がわいてきた。


インターネットビジネスというか、
インターネットを活用して
収入を得ることにも興味があったので、
情報を集めて動き出そうとしていたことも
後押しをした。

そんな経緯で、
発信軸がはっきりしはじめたにも関わらず、
まだ僕はもじもじして
具体的な動きができずにいた。

そんなタイミングで、
事件が起こった。

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3.父の死で天命を突き付けられる

去年2020年の夏に発信軸が決まったあとの9月末、
父の訃報が入った。

突然の出来事だった。

15年くらい音信不通だった父が、
ひどい亡くなり方をしたことに、
僕はひどく動揺した。


父はトラブルメーカーで、
ふいに現れたかと思えば
厄介な問題を持ち込んできたりしていたので、
正直僕にとっては関わりたくない存在だった。

父は祖母よりも
早く逝ってしまった。

享年66歳。


早すぎる終わりに、
僕は「命のタイムリミット」を
強く感じて心が揺れた。

そこで、

・やり残したことはないか
・自分にしかできないことは何だろうか
・自分の生き様は何か
・使命・天命に生きろ!

こんなメッセージが急に湧いてきたのだ。


今までも病気などを通して
考えるきっかけはあったのに、
まざまざと、
どう生きるか!
ということを突き付けられた。

そこから後悔しないように、
やりたいことを少しづつやり始めた。

完全埋没を少しだけ止めて、
少しだけLGBTQについて発信をしようと決意したは、
父の死が大きく大きく後押しをした。

不思議なものだ。

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■最後に

情報発信するときには、
気をつけることもあるが、
自分の思いを伝えるときには、

自分の目の前に人がいる!

という気持ちでに発信をしている。

これは、
standFMやTwitterでも
同じスタンスだ。

これからは、
自分に与えられた
天命に従って生きる!

そう思って発信をしている。

まずは、
セクシュアルマイノリティ・LGBTQ当事者や、
その周りの人、
それと彼らを理解し味方になっていく
【ALLY】を増やしていくために
できることをしていこうと強く思う。


■このラジオ配信は、こちら


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