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変化とは、自分を”ととのえる”こと

前回の京都引っ越しのポストから半年。noteを書くという行為はすっかり半年ごとの定点観測のようになりました。

なんだか年末感もそんなになくて、気付いたら年が明け、行きつけのシーシャ屋さんで元旦からnoteを書いています。変な心地です。

2023年の振り返り

2022年の年末にしっかり振り返ったおかげで2023年の目標は明確でした。「引」をコンセプトに、足るを知る、日常の当たり前や小さな幸せに気付く、というテーマを掲げた年。そんなことを掲げながら、思えば「新調」が多かった一年でした。


住む場所の新調


一番大きかったのは住む場所の新調。高校まで千葉で過ごし、大学以降は東京で約12年過ごしていましたが、そんな関東を離れ、京都へ移住。

変えることで、面白いように違いに気付き、よかったことも、実はストレスになっていたことにも気付ける素晴らしい機会となりました。

毎日のように誰かに会っていて時間に余裕がなかった日々は、少しストレスになっていたようです。会っているというか、物理的ではなく触れているという感覚。(概念)

単に人付き合いが嫌とかそんなシンプルな話ではなく、満員電車や人混み、どこかにいけば知り合いと出くわす。嫌いとか会うのが嫌とかは全くないけれど、どこか個体になりきれていない、目に映る景色に必ず人がいる、という言語化できない、気付くのが難しいストレスがあったのかもしれないなと。適度な余白が必要だということを再確認しました。

「京都はどう?」

久しぶりに会う人にも、新しく会う人にも、みんなに聞かれるこのセリフ。「最高です」と伝えています。本当に最高だから。

自分の肌には合っているんだなという感覚が今はあります。その時の感情はその時にしかわからないから、100%なんてどんな状況でも言い切れることはないですが、今の自分には確実に必要で大切な場所になりました。

まだまだ知らないことがたくさんあることもワクワクするし、道を歩けば歴史を感じ、少し足を伸ばせば大好きな鴨川や自然がある。かといって不便ではなく、生活水準は変わらない。そんないい塩梅があります。

武器の新調


武器というとなんだか恐ろしいですが、自分にとっての仕事道具は武器そのもの。
これも振り返って気付いたことですが、今年はカメラも、パソコンも、編集ソフトも、全て新調していました。

場所の新調に伴い、何かをリセットしたいような、そんな感覚が自分の中にあったのかもしれません。

今回多用している新調という言葉がやけにしっくりくるので、癖で語源を調べたのですが、「調」という字には「ととのえる」という意味があるそうで。(調整とかも今思えばなるほど確かに)

何かを新しく始めたり、挑戦したりすることって、すごく大きなことで、プレッシャーを感じたり、なかなか勇気がでなかったりするけれど、自分を「ととのえる」ことだと思うと、なんとなくハードルが下がる気がします。

そう考えると、自然と自分をととのえていたんだなと、すごく腑に落ちました。

少し話はそれましたが、新しい武器を手に、今まで挑んでこなかったポートレートの撮影に挑戦したのも2023年でした。

お仕事したことのあるモデルさんを中心に声をかけて、苦手意識のあったポートレートを撮る。やってみて意外にも楽しかったし、自分なりのスタイルや、もっと学ぶべきことも明確になりました。

これも自分をととのえるための、新しい変化だったのでしょう。
(一緒に撮影してくださったみなさま、ありがとうございました。)


新たな挑戦


新調ならぬ、新挑もした一年でもありました。

一つは小嶋商店での挑戦。京都へ移住した一つの目的、意味でもあるこの挑戦もまた、自分にとってたくさんの気付きと機会を与えてくれました。

普段は主にクリエイティブ領域でのつくる行為、それは変数も多く、自分の考え、意図、工夫が試される場でもあります。その一方で、提灯づくりは変数こそ多くないものの、だからこそ一つ一つの工程での、ズレやミスは命取り。

繰り返しの作業が多い分、「次はこうしよう」「もっとこうできる」など感覚的に掴む部分もあり、その感覚の中の論理を見出して、試す、試行錯誤の連続。
普段の仕事とは違う脳を使う新鮮さがあり、自分にとっては瞑想状態に入れるような、心躍る仕事でした。

そんな機会をくれた小嶋商店のみなさんには感謝しかありません。

小嶋商店は、歴史あるモノづくりを徹底しながらも、自分のような人材を受け入れてくれたり、新しい挑戦をし続ける類稀な工房です。自分以外にも、ブランドディレクターの方がいたり、従来の提灯とはまた違った場所に光を灯す試みに挑んだり、とにかく柔軟で、妥協せず、それでいて自然体な、本当にかっこいい人たち。そんな場所に身を置かせてもらっていることが、とっても誇りです。

小嶋商店の更なる発展と、こんな風に文化を紡ぐ方法もあるんだと証明していけるように、今年も尽力していきたいと思います。


そしてもう一つ、自分にとって大きな挑戦になったのは、松葉屋茶寮の立ち上げです。6月で4年間従事したとある仕事に終止符を打ち、これからどうしていこうかと思っているタイミングで、お声がけいただいた仕事。

愛が深く、心のつながりを大切にする社長の芝さんを筆頭に、日本がこれからも素敵な文化を紡いでいくために、はたまた新しい文化を作っていくために邁進する、これまたかっこいい場所です。

「自分のお店だと思ってくれていい」と、クリエイティブを任せてくださった芝さん。嬉しさと同時に、心が引き締まる思いでした。

とにかく自分の感性や考え、想いを乗せながら、どうやって魅力ある場所として、魅力あるモノや人たちを発信していくか、表現していくか、挑みに挑み続けた下半期でした。

松葉屋茶寮はまだ始まったばかり。これから更なる飛躍に向けて、託してくださった信頼に応えるべく、自分の腕も感性も、さらに磨きをかけていく一年にできればと思っています。ご縁に感謝です。


2024年

毎年年始に、家族で書き初めをしていて、その年のテーマを漢字一文字で表しています。去年は「引」、今年は「拡」にしたいと思います。

まずは、関西圏での仕事を拡げる。

せっかく身を置いたからには、こちらでの仕事も増やしていきたいと思っています。その覚悟の一つとして、クルマを買いました。まさか自分がクルマを買う人生になるなんて、思いもしませんでした。

前半に書いたこととやや矛盾しますが、そのためにもたくさんの人に会いたいと思っています。人生にはサイクルがあるんだなと思います。繰り返して、思考錯誤しながら、迷いながら、少しずつ前に進んでいく生き物なんだなと思います。もれなく自分もそんな人間。

特にこれ!という大きな何かを掲げているわけではないのですが、自分は自分らしく、そして周りの人や家族を大切にしながら、歩んでいければと思います。

つくづく人生はご縁だなと思います。少なくとも自分はご縁や繋がりに生かされ、助けられ、ここまで生きていこれています。毎日が楽しく、次の日を迎えるのが苦ではないことは、とっても幸せなことだと思います。

妻、マジ感謝

今年も感謝を忘れず、楽しい毎日を過ごしながら、様々な形で恩返しをしていければと思います。

みなさん、いつもありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

2024年1月1日
河野 涼

ヨウコ大好きありがとう


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