記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

HELLO WORLDストリートビュー聖地巡礼その8:雙ヶ岡・上賀茂神社・京都マルイ

Googleストリートビューというアバターを使ってGoogleマップの記録世界を歩き回ってみます。その8はいよいよ最終回、これまで取り上げる機会がなかった地域に注目してみます。

雙ヶ岡

直実が先生と一緒に早朝特訓を行った雙ヶ岡の入り口。実際には雙ヶ岡への登山道は他にもいくつかあるのですが、おそらく南端のここが劇中で映っていた場所です。おや? ストビューでも緑色の自転車が停められていますね……!

実際の特訓場所はあいにくストビューには記録されていないようです。山中の看板などの場所については、実際と劇中で少し変えているという話が以前コメンタリーで出ていました。

上賀茂神社

オーロラの先に飛び込んだ直実がたどりついた、因果律が無視された不思議空間、論理物理緩衝野。そのモデルとなっているのが、この上賀茂神社の「細殿」と「立砂」です。実際には中には入れませんが、コラボ期間中は近くまで立ち入りできる特別参拝のサービスもあったようです。

なお、コラボ特別参拝などは終了してしまいましたが、コラボ絵馬の販売、堀口さんのサイン入り絵馬の展示、劇中でナオミの机の上に置かれていた「八咫烏みくじ」の販売などはいまでも続いているようです!

また、ティザービジュアルの朱塗りの橋は、宇治の喜撰橋とこの上賀茂神社の玉橋をミックスしたものではないかという説があり、自分もきっとそうだろうなと思っています。

京都マルイ

エンドロールと『遙か先』で、かでのんが一行さんの手を引いて向かうのは、四条河原町にある京都マルイ。いや……この現実世界においては「あった」と言った方が正確ですね。京都マルイは、2019年10月31日(『遙か先』の発表日)に翌年5月末の閉店が報じられ、そして2020年5月12日、緊急事態宣言を受けて日程を前倒しする形で閉店となってしまいました。

残念ながらこの宇宙では、世界線は劇中と少し異なる道筋をたどりつつあるようです。けど僕らにも、京都の街を三次元的に、より詳細に、時間的過去まで遡って記録に残すテクノロジーの萌芽がある。完成度はアルタラに遠く及ばないけれど、Googleストリートビューは確実に同じ方向を指向しています。だから、ストビューを開けばいつでも京都マルイの姿を見ることができる。さらにはその前身の河原町阪急だって見ることができる。これこそが、ストビュー聖地巡礼の醍醐味だと思うわけです。

なお、エンドロールに映っている試着室でのショットですが、試着室の背後に「ru」というマルイのオリジナルブランドの特徴的なフォントが見え、3Fの婦人服売り場であるらしいことがわかります。実は驚くべきことに京都マルイの屋内は地下から6階までGoogle公式がちゃんと記録を残していまして(完全にクロニクル京都事業)、「ru」の売り場も隅々まで歩き回ることができたりします。しかしあいにく、肝心の試着室と同じものは見当たらないようです。この記録には2012年10月というタイムスタンプがついていることから、おそらくその後フロアのレイアウトが少し変わったのではないかと思われます。(実は自分が訪れた2019年には、劇中と同じかも?と思われる試着室が現存していました。完全に不審者なので遠方からチラ見しかできませんでしたが……。なお「ru」の売り場自体の位置はストビューの2012年から変わっていませんでした)。

京都マルイが入っていた京都住友ビルは、「京都河原町ガーデン」という大規模商業施設として2021年春に生まれ変わります。Googleも、屋外ならともかく閉店した施設の屋内ストビューをいつまでも残しておかないのではという気もするので、マルイの中を歩き回れなくなる日も来てしまうかもしれません。ショッピングを楽しむかでのんと一行さんのいる光景を想像してみたい方も、ただ京都マルイを懐かしみたい方も、今のうちにご覧になっておいたほうがよいかもです。

* *  *

さて、その8まで続いたストビュー聖地巡礼シリーズも本稿でようやく一区切りとなります。

このシリーズでは主に、映画本編とスピンオフ映像(『ANOTHER WORLD』)のシーンとして明確に登場する地点を扱ってきました。小説版にのみ登場するポイントなど、直接扱わなかった場所については、ロケ地マップのほうをご覧ください。また既存の記事についても、新たに判明した場所などがあれば随時追記していく予定です。

映画が公開された当時、自分はとにかくこの作品世界のことを知りたくて、ひたすらGoogleストリートビューの中を歩き回っていました。その時の気づきや感動から生まれたのがこのストビュー聖地巡礼シリーズです。

しかし、2019年12月、ついに物理的に京都の地に降り立った自分の五感に奔流のように押し寄せた情報量は暴力的とも言えるものでした。ストビューでは得られなかった、音、匂い、手ざわり、風、動き。すべての物理量が連続で、世界の解像度は圧倒的で、自分はこのオープンワールドをどこまでも歩いて行けるし、映画に出てこなかった場所にだって行ける。そんな当たり前の事実に感情がついていけずクラクラしたのを覚えています。

このときの「物理的な聖地巡礼」の顛末については、機会があればいずれ、別の記事に書きたいと思っています。その記事を含め、本シリーズが、映画『HELLO WORLD』の世界を歩いてみたくなった方々にとって多少なりとも何かの参考になれば、望外の喜びです。

(注意)本noteで扱うシーンのうち、公式画像、パンフ、ビジュアルガイド等に載っていないものについては記憶を頼りに記載しているため、間違いがあるかも知れません。見つけた方はご連絡頂ければ幸いです。また、実際に現実世界でロケ地を訪れる場合にはくれぐれも近隣の方のご迷惑にならないようにしてください。本noteでは、個人宅がロケ地となっている場合には極力詳細情報を載せないようにしています。

ストリートビュー聖地巡礼シリーズについてはこちらもどうぞ。

* * *

「スキ」(♡)頂けると励みになります!
(noteのアカウントなくても匿名で押せます)

* * *

壁打ち状態なので、「スキ」(♡ボタン)やコメント頂けるとものすごく喜びます(アカウントがなくてもスキできます)