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ALL REVIEWS友の会 会員が選ぶ「いま、小中学生に推したい本」

みなさん、こんにちは。ALL REVIEWSの由井緑郎でございます。

ご存知の通り、現在、多くの小中学生がいまだかつてないながーい春休みに突入しております。
僕の甥姪はいずれも小学生、中学生なのですが、抜き打ちで教員が家に訪問してくるらしく、外で遊んでると内申点が悪くなる(かも)とかで、すごい勢いで家で本を読んでいるとのこと。

そんななか、ALL REVIEWSでもなにかできないかなーと思っておりまして、遅ればせながらですがALL REVIEWS内に「中学生にオススメしたい本」の特集を組みました。
※小学生にオススメしたい本への書評はALL REVIEWS上にはあまりまだ掲載されておらず割愛。。

ALL REVIEWS 友の会のみなさんに協力を仰ぎオススメを教えてもらったわけですが、
ALL REVIEWSに掲載されている書評の対象になっている書籍以外のオススメのほうが割合的には多いわけでありまして、上記特集に取り上げきれなかった本をこちらの記事「小中学生に推したい本」としてご紹介します。

日本有数の読書好きが集まっているコミュニティのみなさんがオススメする本なので、「これは確かだ…!」と思うわけであります。
※リンク先はALL REVIEWS内の書籍紹介ページで、Amazonはじめ、オンライン書店の購入リンク付きです
※下記、本のカテゴリはAmazonのカテゴリに準拠します

小学生に推したい【文学・評論】

[Fabioの推し]
「家にいて窮屈な時は、冒険ものを!」
ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』(各社)
エクトール・マロ『家なき子』(各社)
江戸川乱歩『少年探偵団』(各社)
[くるくるの推し]
「名文家・森まゆみさんが夢中になった本たち!Part.1」
紹介コラムはこちら
ブルフィンチ 翻訳:野上弥生子『中世騎士物語』岩波書店
ベディエ編 翻訳:佐藤輝夫『トリスタン・イズー物語』岩波書店
シェイクスピア 翻訳:中野好夫『ロミオとジュリエット』新潮社

小学生に推したい【コミック(絵本)】

[神澤 透の推し]
「美しい絵で、驚くべき世界観が広がっています。文章も多く、高学年以上向き。大人が読んでも、新しい発見・知識がそこここに!」
マーク・カーランスキー,翻訳:遠藤育枝『世界を動かした塩の物語』(BL出版)

「柴田元幸さん訳のエドワード・ゴーリーの絵本シリーズも良い。昨年練馬区立美術館で「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展も開かれていました。2017年には、鹿島さんの『19世紀パリ時間旅行ー失われた街を求めてー』展が行われた美術館」
エドワード・ゴーリー,翻訳:柴田元幸『うろんな客』河出書房新社)
[由井の推し
「想像力の礎。義務教育過程に全巻読破を取り入れれば日本の未来は明るい…!」
藤子不二雄『ドラえもん』(小学館)

小学生に推したい【歴史・地理】

[minako.uchinoのオススメ]
『小学館版 学習まんが―少年少女日本の歴史』

休校要請を受けての支援として、2020年4月12日まで、シリーズ全巻無料公開!すごい!
https://kids-km3.shogakukan.co.jp/

番外編:未就学児童に推したい【文学・評論】

[やすだともこの推し
「幼稚園児や、小学校1年生くらいまでなら親の参考になる」
俵万智『かーかん、はあい 子どもと本と私』(朝日新聞出版)

中学生に推したい【文学・評論】

[たけこの推し
「今だから読んで欲しいかなと思います。アニメ化も!」
上橋菜穂子『鹿の王』(KADOKAWA)

「私が中学生の時に読んですごく印象に残っている本です。穏やかなエッセイなのに、切ない気持ちになるエピソードもあります。」
ドーデー,桜田 佐(訳)『風車小屋だより(岩波書店)

「第一次世界大戦の頃のヨーロッパが舞台なのですが、世界観はかなり違っていて、相反する科学が進歩した勢力同士が争っています。とはいえ、少年と少女が主人公の冒険譚で、面白いです」
スコット・ウエスターフェルド, 小林美幸 (翻訳)『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』(早川書房)
スコット・ウエスターフェルド, 小林美幸 (翻訳)『ベヒモス―クラーケンと潜水艦 』(早川書房)
スコット・ウエスターフェルド, 小林美幸 (翻訳)『ゴリアテ ―ロリスと電磁兵器―』(早川書房)
[神澤 透の推し
「大学生でも読みにくいという人が少なくはないですが、逆に中学生位に漱石をいくつか読んでおくと、その後の世界が大きく広がるように思います」
夏目漱石『草枕』(『吾輩は猫である』、『坊ちゃん』、『三四郎』、『それから』、『門』、『彼岸過迄』、『行人』、『こゝろ』、『虞美人草』、『草枕』、『明暗』)(新潮社)
[かごともの推し
「長い長い春休みに映画と小説をあわせてじっくり味わってみる」
鴻巣 友季子『100分de名著 マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』 2019年1月』(NHK出版)

「NHKにて放映中のドラマと併せてこちらも!」
鹿島 茂 『レ・ミゼラブル」百六景』(文藝春秋)

「全年齢向け。アンソロジーなのでどこからでも読めるし、1巻ずつ集めるのも楽しい。なにより西崎さんのセンスに触れていただきたい。最終巻は『ジュヴナイル』特集」
穂村 弘,今村 夏子ほか『文学ムック たべるのがおそい』(書肆侃侃房)
[Fabioの推し
ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』(各社)
メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』(各社)
ウィリアム・シェイクスピア『ベニスの商人』(各社)
[くるくるの推し
「名文家・森まゆみさんが夢中になった本たち!Part.2」
紹介コラムはこちら
チャールズ・ラム,メアリ・ラム『シェイクスピア物語』(岩波書店)
鈴木 三重吉『古事記物語』(原書房)
『古事記』(岩波書店)
『万葉集』(岩波書店)
『伊勢物語』(岩波書店)
『源氏物語紅葉賀―明石』(岩波書店)
翻訳:近藤 みゆき『和泉式部日記』(角川書店)
『和泉式部集』(岩波書店)
[由井の推し
「ALL REVIEWSにも参加いただいている書評家の牧眞司さんの書評集。右も左もわからなかったあの頃に、こんなにも優しく面白く世界文学を教えてくれる人に出会いたかった!」
牧眞司『世界文学ワンダーランド』(本の雑誌社)

中学生に推したい【コミック(絵本)】

[かごともの推し
「祖父母の時代を知る」
長谷川町子『よりぬきサザエさん 1』(朝日新聞出版)

中学生に推したい【歴史・地理】

[やすだともこの推し
「歴史好きな中学生や、高校生には、テレビとあわせてこれもいいかも」
金子 拓『信長家臣明智光秀』(平凡社)

中学生に推したい【人文・思想】

[かごともの推し
「『G・E・B』!中学生の時、チャレンジして挫折し、以来、数学と音楽と哲学が苦手に。『獅子の子落とし』的オススメ」
ダグラス・R. ホフスタッター 翻訳:野崎 昭弘,柳瀬 尚紀,はやし はじめ『ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環』(白揚社)

ブレイディ みかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)

「小説論ではなく、人生における物語との付き合い方」
千野 帽子『人はなぜ物語を求めるのか』(筑摩書房)

中学生に推したい【暮らし・健康・子育て】

[たけこの推し
「料理で世界を知るのも楽しいかと」
沼野 恭子(編)『世界を食べよう! ―東京外国語大学の世界料理―』(東京外国語大学出版会)
[かごともの推し
「ダイエット願望を解きほぐす。思春期の方も、大人も参考になる一冊。」
磯野 真穂『ダイエット幻想』(筑摩書房)


いかがだったでしょうか?

ALL REVIEWS内の書籍リンクには、全国7000以上の図書館/図書室から書籍とその貸し出し状況を簡単に横断検索できる「カーリル」のボタンもつけています。
こっそり借りてきて、本を家に「そっと置いてみる」のもよいかもしれません。もしかしたらお子さんは、手にとって自ら読み始めるかもしれませんから。もし読まなかったら、ご自身で読んでみて、こどもの頃に思いを馳せましょう笑。

こういったときこそ、情況を楽しんでピンチをちゃんとと捉えて前向きにいきたいですね!

本が共にあらんことを!

【この記事を書いた人】由井緑郎

【「ALL REVIEWS 友の会」とは】
書評アーカイブサイトALL REVIEWSのファンクラブ。「進みながら強くなる」を合言葉に、右肩下がりの出版業界を「書評を切り口にしてどう盛り上げていけるか」を考えて行動したり(しなかったり)する、ゆるい集まりです。
入会すると、日本を代表する書評家、鹿島茂さんと豊崎由美さんのお二人がパーソナリティーをつとめる、書評YouTube番組を視聴できます。
友の会会員同士の交流は、FacebookグループやSlackで、また、Twitter/noteで、会員有志が読書好きにうれしい情報を日々発信しています。
友の会会員の立案企画として「書評家と行く書店ツアー」も、フランスのコミック<バンド・デシネ>をテーマとしたレアなトークイベントや、関西エリアでの出張イベント等が、続々と実現しています。リアルでの交流スペースの創出や、出版の構想も。
本が読まれない時代を嘆くだけではダメだと思う方、ぜひご参加ください!


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