日本の8月
8月と言ったら皆さん何をイメージされますか?
夏休み、お盆、海、花火、セミ、スイカ、甲子園、キャンプ等々、1年12ヶ月あるなかでも様々な印象や思い入れを持ちやすい月という認識の方も多いのではないでしょうか。その中で、改めて僕が口にすることでもないかもしれませんが、僕はやはり日本人として、原爆や戦争と向き合う特別な季節と感じております。
2022年、戦後77年。僕が小学生の頃は戦後60何年という時代で、毎年8月になると「今年で戦後60何年になります」とテレビや新聞で報道されていたのを覚えています。それが気づけば今はもう77年。時間は止まりませんので、あっという間に戦後80年、90年という時代が近づいてくることでしょう。
僕のじいちゃん、ばあちゃん世代は、戦争を記憶に残る年頃に経験しており、実際に当人たちの声を通して、戦争時代の実情を聞くことがありました。大袈裟な話ではなく、あの時ばあちゃんが空襲でアメリカ兵に撃たれていたら、今自分はこの世にいないのかと思うと、もの凄い奇跡を感じることもあります。
当然、年数が経ていけば、その世代の人たちも減っていき、リアルな声を聞くということは出来なくなっていきます。恐らく実際に今の小中学生の子らのじいちゃん、ばあちゃんは戦争を記憶に残る年頃に経験されたという方も少ないのではないでしょうか。そのためぼくら、1980年代〜90年代生まれの人たちは、実際に戦争を経験した人が身近にいた最後の年代なのだろうと思っています。自分が小さいときは、自分のじいちゃんばあちゃんらは戦争を経験しているというのが当たり前に思っていましたが、今の子どもたちはそうではありません。そう思うと僕らは、使命感とまでは言いませんが、戦争を語り継いでいくという意味ですごく大切な世代であると勝手に思っています。なぜならどんな悲惨な出来事も時間が経つと風化してしまう面を持つからです。
自分に出来ることは本当に限られていますが、その中でもまずは、僕自身の中で戦争を風化させないために、時々見たり聞いたりするものがあります。
10年以上前になりますが、芸人松本人志さんがラジオで語っていた音声です。
めちゃめちゃかっこいいです。
アメリカが悪い、日本が悪い、どちらかが一方的に悪かったなどと一言では到底片付けれらません。ただ、どうしても自国の行った残酷な歴史を後世に語り継ぐのは躊躇ってしまう、そんな人間の弱さに真正面から向き合う必要さを感じさせてくれます。
もう一つが、映画「永遠の0」
最初本で読んで、小説としてもの凄い読み応えを感じたのを覚えています。それが映画でやると知って、どんな風に描かれるのだろうと想像つかなかったのですが、実際に映画を観ると、迫力のある、エンターテイメントとして後世に戦争を伝える本当に素晴らしい作品でした。DVDも購入して自宅に置いて、年に1回は観るようにしています。
他にも、知覧の特攻平和会館に行った時の写真や資料、高校の修学旅行で沖縄に行って、現地の人の話を聞いた後に書き留めている作文等、時々見返しては、どれだけの犠牲や願いや感情や無念さや悲惨さのうえに、今の日本や自分があるのかということを思い返し、自分自身の中で風化させないようにと心しています。
楽しいことの多い8月である反面、世界で唯一の被爆国の日本人として、考えさせられることもある、そんな季節と僕は思っています。
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