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今が全てじゃないけど、今が全てな時もある


『ある男』という映画を観た。
簡易的に説明すると他界した夫が名前も分からない別人だったという“戸籍交換”が題材された作品である。

ネタバレを回避しながら僕が感じた事を書いていきたいと思う。

それは「人の過去を全部知る必要はない」という事だ。

人間とは強欲な生き物で隠された真実を全て知りたがる習性がある。だからこそミステリーというジャンルは時代を問わず人気を博しているのだろう。
自分だって誰にも話していない事の一つや二つあるだろうに、全てを知りたいと思ってしまう。近しい人の事であれば尚更。

過去の自分と今の自分は地続きに繋がっているが、過去の自分と今を生きる自分以外の全ての人間は繋がっていない。自分以外の全ての人間は今の自分としか繋がれない。今いる人間と繋がれるのは今いる人間だけなのだ。

他人の過去は気になるものだが、今自分があなたと接して感じた事が全てなのだ、と思う。過去のあなたがどう生きてきたかより今のあなたがどう生きているかを注視するべきである。過去は思い出として輝くだけでなく、時として暗闇へ引き摺り込んでしまうものだからそのような暗闇を暴く必要などない。

自分が直接見たわけではない誰かの過去を言葉面だけで知った気になるのはよくない。その時、その誰かがどこで何をして何を感じたのか、それは紛れもなく本人にしか分からない。

分からないのだから分からなくていいのだ。
今あなたと過ごして、感じた事が今のあなたの僕の全てなのだから。

何度も紹介している気がするが嵐の『ナイスな心意気』の好きな歌詞を引用する

今が全てじゃないから
あんまりムキになんなよ

『ナイスな心意気』/嵐

今が全てじゃないけど、
今が全てな時だってある。

これは僕の言葉です。

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