純喫茶⑥純喫茶界のレジェンド【珈琲王城】
Googleで「純喫茶 東京」と検索すると、どんなお店が出てくると思いますか?有名なのは荻窪とか吉祥寺かな。神保町も多いと聞くし、銀座に高級喫茶があったような?
全国に数多く残る純喫茶ですが、中でも純喫茶激戦区だと思うのは、喫茶店発祥の地・上野。創業50年以上の老舗も多く、「上野三大純喫茶」というワードがあるほどです。
その「三大純喫茶」の一つ、“レジェンド”と呼ばれるお店が、上野のど真ん中にあるんです。
これぞ純喫茶「珈琲王城」
JR上野駅広小路口から徒歩10分。御徒町方面へ歩くと、レトロな看板が見えてきます。レンガ調の外観からも分かる昭和感。店内はさらにその空気を感じさせてくれます。
王城は超人気店。週末のおやつどきは長蛇の列。灼熱の中、数十分、あるいは1時間以上待つ可能性も。という訳で、今回は平日の開店と同時に乗り込むことにしました。
「いらっしゃいませ!」
8時開店と聞き、7:55頃に到着しましたが、すでに店員さんたちがテキパキと働いていました。王城の魅力の一つ。それはレトロ感満載の内装。
きらびやかな空間で、一気にタイムスリップしたかのような雰囲気に。数々の映画やドラマのロケ地となっており、ファンにとっては聖地的存在となっているそうな。
「何になさいますか」
内装に気を取られて、メニューを決めていなかった。王城のモーニングは3種類。トーストの「厚焼」と「普通焼」、そしてサンドイッチ。どれも気になるものの、意を決して聞いてみました。
「おすすめは…?(超小声)」
せっかくレジェンドに来たのだから、お店のおすすめを食べてみたい!すると「厚焼トーストがおすすめですよ」とのこと。確かに、メニュー表にも「オススメ」の文字が。絶対これがいい!
待つこと約15分。開店同時に入店したものの、意外と待たされます。やはりおすすめだから、他のお客さんも注文しているのだろうか。分厚い分、サイズ小さいんかなー。
しかし、それは大きな誤算だったと知りました。
何枚切り?しょくぱんまんと同じくらいか。本当に誇張ではなく、4~5㎝位ありました。普段は6枚切りのトーストでおなかいっぱいになる私、食べきれるのでしょうか。
このままでは私の戦闘記録になってしまうので、トーストについて説明を。トーストにはしっかりバターが塗られており、想像以上にしっとりもちふわ、超おいしい!
極厚のトーストですが、その半分くらいバターがしみ込んでいるため、口の中がパサパサになりません。相当バターを塗っているに違いない。
順調に食べ進める私。すごくおいしいし、バターの塩味がさらに食欲をそそる。が、それは半分まで食べきった時点で急速にスピードを落としていきました。
多い……………
写真からもお分かりのとおり、多い。
いや、美味しい。でも、多い…。
みんなこれを完食するなんてすごいな。大苦戦しているのは私だけ?8時半の時点で、約8割の席が埋まっていました。周囲をぐるっと見渡したとき、私は愕然としました。
みんな、「普通焼き」食べとる……………
だまされた!
いや、だまされたとか、そういう話ではない。厚焼は美味しい。でも、みんな普通焼きや…!
唇をかみしめつつ、コーヒーでなんとか流し込みます。やっと完食したときには、入店から40分経っていました。ハァ…食べきった…!フードファイターってこんな感じなんかな。
ですが、忘れてはいけません。私にはまだゆで卵が残っています。
数々の純喫茶を巡ってきましたが、ゆで卵がエッグスタンドで出てきたのは初めて。さすがレジェンド、金縁がきらりと光るエッグスタンドで、ゆで卵すらもゴージャスに。
ゆで卵は大好きなので、ペロッと食べ終わり、
ということもなく、グゥ…とどこから出ているのか分からない音を出しながらなんとか完食しました。
レジェンドの魅力は計り知れず
珈琲王城は、創業約50年の老舗純喫茶。最近のレトロブームでさらに人気が加速し、平日・休日ともに満員御礼。
「いつ行っても大行列だから、今度余裕があるときに誰か誘って行ってみようかな♪」
これは言い訳ではありません。皆さまも、もし行かれる際は、覚悟と強靭な胃袋、もしくは誰か別の人間を用意しておくことを強くおすすめします。
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