公式HPにも載っていない幻の店に行ったら実家すぎた【コメダ珈琲店】
大学進学や転職などで、さまざまな土地を転々としてきた。今までの引越し回数は計7回。なかでも特に思い出深いのは、1年半の名古屋生活だ。純喫茶好きの私にとって、天国みたいな街だった。と同時に、驚きが多すぎる街でもあった。
来月で名古屋を離れて丸3年になるため、写真を見返しながら、思い出をここに残そうと思う。
実は多くの秘密を隠していたコメダ珈琲店
名古屋への異動が決まり、人生で6回目の引越しをした。大学時代に純喫茶に目覚めて以降は、新天地に降り立った初日に、目星の純喫茶にかけ込むのが引越しのルーティンと化していた。
新居に荷物を運び込み、サカイ引越センターのトラックが見えなくなった瞬間、財布片手に家を飛び出す私。それくらい、本当好きなんです、純喫茶。
しかし、純喫茶純喫茶と言いつつ、実際に私が足を運んだのはコメダ珈琲葵店だった。
カウンターに池?衝撃を受けた葵店
サカイのパンダが見えなくなったのは夕方。残念ながら多くの純喫茶は閉店しており、夜に行けるのは近くのコメダくらいしかなかった。
仕方ないけど、初日はコーヒー飲んでおかないとなぁ。ということで、向かったのがコメダ珈琲葵店。関西にもコメダはあるが、私は2〜3回しか行ったことがなく、普通のチェーン店というイメージしかなかった。それが大きく覆されることになる。
ありえない。店内に池があるのは高級料亭の中庭くらいではなかろうか?広々とした円形のカウンター席に、天井から吊るされた観葉植物。思てたコメダと全然ちゃうやんけ!
しかもこの葵店、朝6:00から23:00までやっている。どれだけホスピタリティの塊なんだ。夜遅くに仕事が終わっても、葵店は受け入れてくれる。「ここは名古屋の実家だ」。これからここを拠点にしよう。
こうしてコメダに心奪われた私は、名古屋にいる間はできる限り多くのコメダに行こうと決意した。新たな実家を探すために……。
いつもとメニューが違う!謎の今池店
葵店を名古屋の実家に認定した後、目に入ったコメダは全部入るぞ!と意気込んでいたものの、私は大きな誤算をしていた。そう、ここはコメダ発祥の地。数が多すぎる。
実際、葵店から1.5km離れた所に錦東櫻店があり、そのまた300m先にテレピア店があった。そのためできるだけ同店舗は避け、コメダ新規開拓をすることにした。そこで出会ったのが今池店である。
外回り中、たまたま見つけたのが今池店。目に入ったら全部入るルールが発動し、ランチをここで過ごすことにした。入ってみると、いつもと違う店内に驚いた。
早速メニューを見てみると、いつもと全然違う。圧倒的に品数が少ないし、値段も安い。(シロノワールはあるがケーキがなく、コーヒーは葵店より当時70円安かった)しかめっ面をしているのが分かったのか、ママが親切に今池店について教えてくれた。
どうやらこの今池店、公式HPに載らない「オールドコメダ」だったのだ。オールドコメダとは、創業店を含むフランチャイズ10号店までの11店舗のことを言うらしい。(諸説あり)現存するのは高岳店、今池店の2店舗。今池店はチェーンを脱会しているため、公式HPには載っていない。
「うちのコーヒーは自家焙煎なのよ。長久手店もあったけど、もうつぶれちゃって。今はうちだけなのよね」コメダはなんて秘密が多い店なんだ。またも心奪われた私は、新規開拓をさらに加速させることになる……。
ついに来た!現存する最古のコメダ高岳店
今池店も実家にした後、東はイオンモール長久手店、西はエスカ店まで巡り歩いた。どこも思い出深いコメダだったが、特に度肝を抜かれたのはやはり高岳店だろう。高岳店なくして、コメダは語れない。
今池店のママから「現存する1番古いコメダは高岳店」という情報を得て、猛ダッシュで駆け込んだ。1972年創業の店はたしかに、何もかもが古い。公式HPによると、喫煙可能なため20歳以下は入店できないのだとか。19歳の私がいたら、入りたすぎて地団駄を踏んでいただろうな…。とにもかくにも入店。
渋い。こちらも今池店同様、他店より安め・少なめの品揃え。お年寄りの憩いの場となっており、まさに“純喫茶“という佇まい。ここまでくると、実家というよりは「おばあちゃん家に来た」感覚の方が強い。実家のみならず、おばあちゃん家までできちゃったか。名古屋ってすごいな。
入店前の緊張感はすぐに消え、ずっとここにいたいと思いながら、コーヒーをちびちびとすするのであった。
「コメダ実家説」の真偽とは
コメダ開拓は驚きの連続だった。しかし訪問を重ねるにつれ、その驚きは安心へと変わっていった。どの店舗に行っても、いつもの豆菓子と美味しいコーヒーをいただける。赤いソファに座り、今日の1日を振り返る。なんて素敵な時間だろう!
この居心地の良さは、コメダが掲げる理念にしっかり基づいていた。公式HPの会社案内から引用する。
「ご自宅のリビング・ルームの延長線上」…。
やっぱりコメダは「実家」やったんや!!!!!
最後の最後にまたしても衝撃を受け、私が唱える「コメダ実家説」はめでたく幕を閉じたのだった。
おわりに
1年半の名古屋生活で訪問したコメダは21店。純喫茶開拓と同時進行だったため、数が少ないのは許してほしい。しかし、それぞれの店舗の良さはしっかり感じてきたつもりだ。
東京に住む今も、細々とだがコメダ開拓は続けている。名古屋ほど多くはないため、見つけただけでレアな気がしてしまうが、決してそんなことはない。コメダは私たちの「実家」なのだから……。
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