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テレビドラマは評論する意味が無い理由~何故、私はYoutubeでのテレビドラマ批評を辞めたのか~ 「ライトニングヴァンパイア」への旅①

 2018年10月4日、『ライトニングヴァンパイア』をKindleストアで販売を開始した。当時は自分の筆力を信じ切っていたが、己の未熟さを痛感し、2020年1月を以って販売を一旦中止した。
 さて、『ライトニングヴァンパイア』の発売から約3年が経過した。
 その間、筆者は何をやっていたのか。
 2018年10月~2019年3月までは、18歳から続けている文学賞への応募や、先述の「エブリスタ」での妄想コンテストなどに取り組んでいた。結果は、散々なモノであり、「エブリスタ」のコンテストにも30回近く応募したが、佳作を1遍だけ取るに終わった。

 2019年4月~2020年3月までYoutubeにて顔出しでテレビドラマ評論を行っていた。コンテンツが全く無いにも関わらず、チャンネル登録者数が300人近く表示されているのは、筆者がYoutuberとして活動していた時期があったからである。
 見出し画像は、テレビ東京で「知らない人んち(仮)」が放送されていた時、noteでの投稿がサッポロビール様に評価されて、プレゼントのビールを獲得、そのことをYoutubeで発表した時のサムネイルである。
 だが、テレビドラマ批評をするためにYoutubeを始めたのではない。
 Youtube自体、元々小説家志望で小説投稿を行っていたが結果が出ず、そのことを愚痴るために始めたに過ぎなかった。
 ある日、テレビドラマについて語った回が思ったより再生数が伸びたため(藤ヶ谷太輔主演『ミラー・ツインズ(WOWOW・東海テレビ)』)、以降テレビドラマの評論を続けるようになった。ジャニーズタレントが主演し、筆者も好きだったテレビドラマの批評は人気が高く、木村拓哉さん(筆者が最も尊敬する俳優である)が主演した『グランメゾン東京(TBSテレビ)』の動画では1万再生を超えた回もあった。

 しかし、現在はもう動画を残していない。

 全ての動画を削除した理由は、Youtubeでの活動を終了した後も動画を残していたのだが、自分が下ネタを言った回だけ再生数が伸びていたのが不快に感じていたからである。同じ頃、ナインティナインの岡村隆史さんがラジオで言った発言が問題視され、相方の矢部浩之さんが公開で説教したことがあった。矢部さんの説教はあくまで岡村さんだけを批判したものだったが、自分にも共通する悪い点が多くあるように思えたので、全ての動画の削除に至った。

 Youtubeをやめた理由は、芸能人のYoutube進出が盛んになって、これ以上の登録者数と再生数の増加が見込めないと判断したからだが、他にも理由がある。

 番組や出演者のファンからの批判や誹謗中傷が重なったからである。

 だが筆者の感性がそれほど他人と異なっているとは思えない。
 キツい言い方になってしまったことはあるが、そもそも何故自分が創ったわけでもないテレビドラマの感想に対して、わざわざケンカ腰で喰って掛かるのか筆者には理解し得なかった。

 しかし、今なら全て説明出来る。
 映画評論家は多いが、テレビドラマ評論家はあまり聞かない。
 どちらも同じ映像創作物なのに、何故だろうか?
 それは、テレビドラマの本質その物に原因があるからだ。

 例えば、金を払って観に行く映画の場合、『実際に観に行ったけどつまらなかった』客も多い。だから、映画評論家の酷評は共感を持たれる場合も多く、物書きの職業として成り立つのである。
 ところが、テレビドラマの場合はそうはいかない。テレビドラマはつまらなければ視聴者は即チャンネルを変えるか、テレビを視ること自体やめる。映画などとは異なり、テレビドラマは本来その番組が好きな視聴者しか視聴しないし、インターネットで番組名を検索して筆者の動画を観に来るのは、当然、その番組が好きな視聴者だけである。
 つまり『この作品はつまらない』と云う、ごくごく当たり前に持って良い意見でも、映画ならば言って良いが、テレビドラマの場合言っちゃいけない事態が発生するのである。
『日本のテレビドラマはつまらない』などと、ネットではよく書かれるが、こういうことを書き込む人の大多数は日本のテレビドラマは見ないだろう。つまらないと思うモノにわざわざ自分の時間は使うまい。
 日本のテレビドラマは視聴率10%を超えれば御の字である。逆に云えば、残りの80~90%超の日本人は日本のテレビドラマなどそっぽを向けている。筆者の酷評は本来ならば番組を視聴しない80~90%超側の感性である。筆者の酷評は大多数の日本人にとって支持や共感を得られるものだと自信を持って主張出来るのだが、テレビドラマの視聴者達からは異端視されてしまう。全体から見れば多数派でも、番組を楽しんでいる視聴者達の中では少数派になってしまうからである。

『つまらないと思うなら、普通はその番組を視聴しない』
『つまりテレビドラマを外部から客観的に評論すること自体に矛盾が在る』

 これが、テレビドラマを評論する意味は無いと筆者が考える理由であり、筆者がYoutubeをやめた最大の理由である。

 やめた理由は他にもある。
 フジテレビで『ドラマ甲子園』と銘打たれた『受験ゾンビ』というテレビドラマが深夜に放送された。女子高校生が脚本や監督を担当したことを知ると、他人の創った作品を評論するより、自分で作品を創ってみたいと興味が移り変わっていった。元々、筆者は小説家志望だから当然である。
 筆者はテレビドラマ批評をやめて、脚本賞の方に興味を持ち、以降は脚本賞の応募に熱中した。

『抹察官』は『テレビ朝日新人シナリオ大賞』で落選の憂き目に遭った作品である。内容には自信があったが、内容以前に応募要項の記述に誤りがあったため(応募した後に読み直して気付いた)一次予選で敗退した。
 しかし『抹察官』は、筆者が10代だった頃から構想していた思い入れの深い企画だったため(何せ『抹察官』の設定自体『ライトニングヴァンパイア』のボツ設定)、4話まで書いた応募原稿を計12話までのテレビドラマ1クール相当分まで加筆して、Kindleストアにて2021年4月販売開始した。
 結果、『抹察官』は『ライトニングヴァンパイア』以上の印税を短期間で獲得するに至った。下手に一次予選や二次予選などに受かった後に落選するより、自分で本として販売して少額ながら金になったのだから良かったかもしれない。

 テレビドラマ評論を辞めて、つまらなくても我慢して視聴していたテレビドラマも見ないで済み、コロナ禍も重なって時間が余った2020年。
 元々筆者は将棋ファンで『NHKテレビ将棋トーナメント』をよく視聴していたのだが、将棋トーナメントが終わった後に放送される、囲碁の情報番組『囲碁フォーカス(NHK Eテレ)』を続けて視聴した際、当時出演していた稲葉かりん初段(関西棋院)のあまりの可愛さに一目惚れする。
 稲葉かりん初段と恋愛的に結ばれたいという手前勝手な妄想から執筆した『囲碁の恋』で、創作テレビドラマ大賞で一次予選通過を果たした。脚本賞への応募は小説より少ないが、10代の頃から行ってきたことである。しかし筆者は一次予選の通過自体、これが初めてだった。
 また、作品のキャラクターのモデルだった三村智保九段に脚本を送って、実際に読んで頂けた、一次予選の通過以上に有り難いことまで起きた。

 どれも微々たるモノに過ぎないが、多少の成果を上げることに繋がった。

『他人の作品を批評するより、自分で作品を創るべきである』

 これが、Youtubeで1年間テレビドラマ批評を行い、そしてやめたことで得ることが出来た心得である。
 正直、一般論の域を出ないことは筆者も分かっているが。

 さて『テレビ朝日新人シナリオ大賞』は前回の12月1日の締め切りから3月末の締め切りに変更された。これは『フジテレビヤングシナリオ大賞』とも同時期である。
 元々、この時期に締め切りだった『テレビ朝日新人シナリオ大賞』に向けて脚本を書こうと考えていた筆者は、時間が余ってしまった格好である。
 そこで筆者は『ライトニングヴァンパイア』の改訂を今年2021年12月31日まで終わらそうと思い、そのプロセスを書きたいと考え、ここに記事を残すに至った。
 もし『ライトニングヴァンパイア』が長編のテレビドラマになれば、その結末の日付は2021年12月31日になるからである。

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