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【ALIVEとわたし】 あゆみさん(吉野 愛由美さん)

◇    あなたは本当に答申先のことが好きですか?

「みなさんは本当に答申先のことが好きですか?まるで広告代理店のプレゼンのようだ。」

 2回目のプレゼンでアドバイザーが告げた言葉は、想定していた評価とは180度違いました。何とか形にして臨んだ2回目のプレゼン。内容がてんこ盛りで散漫している点は自覚しつつ、ある程度形にできたことで、低い評価ではないと過信していました。
 
 プレゼンの評価基準は「わくわく」と「実現可能性」。何度も耳にした基準。例え提案が粗削りでも、答申先に寄り添い、考え抜いた提案こそが「わくわく」を生み出すということ。求められているのは綺麗にまとまった内容ではないこと。私たちのチームは、各自のアイデア全部盛りで臨んだことによる実現可能性の低さも重なり、期待した評価は得られませんでした。そして、これまでの内容を全て捨てて、ゼロから考え直すことを決めました
 

◇    衝突を経て生まれた答え

 白紙にしてゼロから再考することは難易でした。何を考えても中間発表で貰った様々な指摘が引っ掛かり、停滞した空気が蔓延しました。その時期の打ち合わせで、チームとして初めて衝突も起きました。同じ考えだったつもりが、深堀すると認識のずれが露呈し、意見はまとまらず、話し合いは4時間を越えました。長時間の話し合いは非生産的にも見えますが、互いに納得できるまで、遠慮せずに思いを吐露したことは、チームにとって転機にもなりました。この時間を経て、互いが理解・納得できるまで話し合い、チームの提案を固めることができました。
 

◇    忘れられない最終プレゼン

 最終プレゼン直前は全員で集まり、対面で資料を仕上げました。年齢もバックボーンも異なるメンバーは、気づけば時間を忘れるほど楽しく話せる関係に変化し、心地よく、そして刺激をくれる特別な存在でした。互いの得意・不得意が見え、それを伝え合える関係になったことで、個々の強みを生かし、弱みを補完しながら、最後まで内容を作り込みできました。全員が自信を持っていました
 
 迎えたプレゼンの結果は非採択で、順位も高くはありませんでした。全員が誠心誠意取り組んできたからこそ、私は終わった後も暫く納得できず、落ち込んでいました。ただ、採択されたチームの理由を知り、答申先やアドバイザーと話す中で、足りなかったものが見えてきました。
 
 答申先への理解を深め、寄り添った提案をしたいと思う一方で、本質的なニーズから遠ざかっていたこと。気づけば「知っている立場」を前提にした表現になっていたこと。伝わったかどうかは相手が判断することだからこそ、何も知らない相手が限られた時間の中でも理解できる伝え方・切り口を、もっと考え抜くべきだったこと。反省と悔しさは未だありますが、提案内容自体は今も誇りに感じており、一人では生み出せない成果でした。
 
 ALIVEではリフレクションの中で成長課題も伝え合いますが、最終日は非常に不安でした。研修を経て徐々に意見を伝えられるようになった一方、自身の発言がチームの進行を遅らせた場面もあったと反省しており、酷評されるのではないかとドギマギしていました。ただ、実際にメンバーからもらったフィードバックは想像と異なり、私が不安視していた点は「成長」「リーダーシップ」と表され、背中を押してくれる前向きな言葉で溢れていました。
 
  真剣に社会課題と向き合い、考え抜いた毎日。納得できるまで向き合ったメンバーとの時間。チームだからこそ生み出せた提案。最初はピンとこなかった “わくわく” が何か、今なら分かります。参加している皆さんが同じ気持ちで最終日を迎えられるよう、心から願っています!
 

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