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【ALIVEとわたし】ぬたはらさん(奴田原 枝利さん)


「ALIVE」それは地域や社会団体が抱えるリアルな課題に対して、複数の企業からの参加者がチームを組んで挑む3か月。そこにかかわる人は、参加者、答申先、事務局と様々。この「ALIVEとわたし」では、そんなALIVEでのさまざまな物語を紡ぎだします。
今回より「ALIVEとわたし」は、アルムナイ(このALIVEの卒業生)うえぴ と ぬたはら の2名でお送りいたします。
今回と次回はライター2名の自己紹介も兼ねて、お互いのALIVEを振り返る内容です。まずは、ぬたはらさん。半年経った今だからこそ見えてきたALIVEでの経験をご紹介します。

ライターの”ぬたはら”です!

参加したきっかけは上司の一言。「リーダーとして少し心配」

私は今からちょうど半年前の2023年の秋期のALIVEに参加しました。ALIVEというものはリーダーになろうとしている人向けの研修というのは知っていました。
参加したきっかけは、上司からの一言でした。上司と面談のタイミングで、「リーダーをお願いしたいと思ってはいるんだけど、大丈夫かなと少しだけ心配。」と言われました。私は転職して2社目で、実は前職でもリーダーをやる機会があった際に同じようなことを上司から言われた経験があったんです。上司から投げかけられた内容に対しては、私自身も自信を持ってリーダーをやれますとは言い切ることができませんでした。
そんな中で、ALIVEという研修を知り、自分に合ったリーダーシップを見つけたいという思いから自ら手を挙げて参加しました。

鳥取県の無書店地域に本屋を復活させる

私が参加したテーマは、ブックストアソリューションジャパン様 の「まちの本屋」を中心とするコミュニティづくりというテーマでした。近年オンラインストアや電子書籍の普及で数を減らしている本屋さん。その本屋がない無書店地域が日本にはいくつもあり、その地域では日常的に本に触れる機会が少なくなっています。ブックストアソリューションジャパンさんは、もっと身近に本が触れる機会を作るべきと考え活動をされており、今回のテーマはその無書店地域に立ち上げる本屋さんで持続可能なビジネスプランをつくるというものでした。
今回の舞台は鳥取県の江府町。既に町の本屋さんがなくなってからは長い時間が経ち、人々はアマゾンや隣の市まで車を走らせて本を購入しに行くという状態だった。

理想と現実のギャップがある中で、どう事業を提案するべきなのか?を真剣に考えた

私(ぬたはら)をはじめとして、チームは理想と現実のギャップに悩みました。テーマミッションの中には、持続的な経営、つまりは粗利を確保することが挙げられており、ミッションを成し遂げながら利益を出すことはとても難しいと感じていました。粗利を考えると町内完結型では難しいと考え、Session2では、町外からどのようにして人を呼び込むのかを課題解決の方向性として設定しました。具体的には、今までは行く理由が集った場所を行きたくなる場所や行かないといけない場所にするにはどうするか、という内容です。答申先やアドバイザーからの評価も悪くなく、Session3では本屋を復活させることと、新しい付加価値として新たなコミュニティを生み出せるよう、旅行者が集う場所にするという提案で着地しました。理想を詰め込んだ上で、チームとして現実的な落とし所を見つけることができたと感じることができました。

自分達で考えた提案は、答申先に響かなかった。だからこそ本質が見えた

ただ、私たちの提案は、答申先には響かず、Session2よりも評価の悪い雷雨(5点満点中1点)という結果になりました。理由は「それって本屋の私たちがやるべきことなのか?」それだけでした。無書店地域に本屋を復活させることが目的だったのに、いつの間にかユニークなやり方で利益を出すことが優先になっていたかもしれません。私たちは、書店としてあるべき姿を再度議論し、やはり本屋として、本で利益を出すべきだという結論に至りました。その中で、これまでの書店にない付加価値として、本に帯をつけて販売することを提案しました。本ひとつとっても、人によって感じたことは違う。様々な方に帯を書いていただき、本に巻いて販売することで、本の数は少ないけれど、何通りもの読み方が見つかる、そんな本屋さんを作ろうと思いました。もちろん、収支の面ではカフェを併設したりすることで粗利を確保できる可能性が高くなるということで、チーム内でも本屋一本で行くのか、粗利を稼ぎに行くのか、最後まで議論を重ね意見が分かれました。ただ、議論を重ねるごとに、カフェを併設することで自分たちの提案で見せたいところが霞んでしまような気がしました。そして最終的にはカフェ案は入れずに帯をつけた本を販売するという勝負しようと決心しました。

採択はされなかった。でも後悔はなかった

Session4のプレゼンは、結果的には採択を得ることはできませんでした。ただし評価点はテーマ内で一番高く、答申先やアドバイザーからはこの提案に対するアイデンティティを評価していただくことはできました。(点数が高かったが採択されなかった理由として、アイデア部分は良かったものの、実際帯をつけて販売することによる帯の破損リスク等を考慮されて採択されなかったとのこと)私自身としては、チームで最後まで考え抜いたアイデアを評価してもらえたことが嬉しく、採択はされなかったものの、最後までやり切った感覚が芽生えていました。

6ヶ月経って思う、チームとわたし

時間が経ってALIVEを振り返ると、日常では味わえない経験ができたな、と改めて思います。もちろんALIVEという場自体がそう感じさせてくれたというのもあるかと思いますが、チームメンバーの存在が大きかったのではないかと思います。私のチームは参加者の5人全員が違ったリーダー像で全然違ったタイプ、しかも譲れない部分がそれぞれにあり、ALIVEに対する熱量の上がり下がりのタイミングもみんな違った気がします。そのお陰で毎回のディスカッションでの議論が白熱し、自分自身の主張をさらけ出す機会がいやでも増えていきました。その結果、普段の職場では指摘されることがないような私の姿をチームのみんなから教えてもらうこともできました。例えば、自分ではそんなつもりは全くなかったのですが、いつも冷静で少し怖く話しかけづらいタイプと見られていたことがわかりました。普段の仕事でそんなことを言われても、きっと受け流していたかもしれませんが、3ヶ月も一緒にいた仲間からその言葉をかけられた時には、「この人達から言われたなら確かにそうなのかもしれない」と、スッと受け入れることができました。会社でもそんな印象を周りに持たれないように、後輩と話す際には仕事の話だけを端的にするのではなく、うまく雑談なども入れながらコミュニケーションを取るようになりました。

リーダーとは何かがわからなるくらい考えた。そして学んだ

ALIVEは社会課題を解決する案を考えるという氷山でいうと上の部分と、自分のリーダーシップを育むという氷山の下の部分があると思います。最初にもお話した通り、私は自分がリーダーとしてどのような形でその役割を果たしていけるのかがあまりイメージできていない状態でした。なので、この研修を通してチームのメンバーを中心にいろんな人のリーダーシップを発揮する方法や立ち振る舞いを見て、よいものを盗み、自分はどうなのか?と自問自答を繰り返しました。その結果、私の考えるリーダー像みたいなものはこれだ!と言えるものは逆になくなりました。笑 というのも、人のタイプやシーンに応じていろんなリーダー像があることがわかったからです。そして同時に私の得意なリーダー像もわかりました。私自身は周囲をアシストするタイプのリーダーだと思っていたし、憧れてもいました。しかし実はそちらのタイプではなく、ぐいぐい引っ張っていく方が向いていると、これもチームメンバー、サポーターの方に言われてわかりました。このおかげで、現業に戻ってからも積極的に周りを引っ張っていくことに躊躇なく挑戦できていると思います。

周囲から、変わったね、と言われた

ALIVEに参加する前と比較すると、上司から少し変わったね、と言われるようになりました。普段の仕事のシーンにて、周りに積極的に話しかけるようになったり、今言うべきことじゃないかも、と思っていたことも遠慮せずチームのために言うようになったからだと思います。もちろん変わらない部分もあります。例えば真面目で曲がったことが許せないと言うこと、芯は必ず通すと言うこと。譲れない部分は持ちながらも、リーダーとして今自分がどうするべきなのか?と言う部分では柔軟に対応できるようになったと思います。これも私を認めてくれた”仲間”がいたからですね。

今後はライターとして、いろんなALIVEを見たい

今後私は、このALIVEとわたしのライターを通して、ALIVEとまた新しい形で関わっていきます。同じテーマで、同じチームで、同じ体験をしても、感じ方はやはり人それぞれでした。だからこそ、ライターという立場から、いろんなALIVEでの経験を聞いて、また新たな学びを得たいと思います。そしてこの投稿を通して多くの方にALIVEの活動を知っていただきたいと考えています。今後もよろしくお願いします!


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