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11月

11月2日

クラスに青木という馬鹿な男子がいるんだけど彼はよく人を殴ったりして格好つけている。みんなはそれを嫌っているけど彼に立ち向う人はいない。この間は、女の子が彼に蹴られ、顔面を壁にぶつけたのに彼は誰にも何も言われていない。みんなって本当に臆病なんだね。彼が私にちょっかいを出す時は私はいつもやり返すよ。彼はいつかは自分がどんなに馬鹿だかを理解する日がくるのだろうか。心理学は面白いな。人は馬鹿を怖がりながらもある程度尊敬もするみたいだ。

学校でカルメンのオペラを鑑賞しに行った。期待していたけど動きが足りなくてすぐに飽きた。声は綺麗だったけど言葉は全く理解できなく話の内容が分かりずらかった。もう少し感動できると思った。衣装ももう少し豪華にしてほしかった。多くの人が同感であったみたいで大半のクラスメートは寝ていた。ま、オペラとは何かをこれで分かってよかった。

日記は本当に素晴らしいと思う。記憶を閉じ込める役割だけではなく、自分の気持ちを整理し考えを深めるのを助けていると実感している。人は日記をずっとつけていれば悪い方向に走らないと思う。自分の行動とそれに伴う考えを記録するうちに自分の過ちに気づいて改善しようと思わざるを得ないと思う。

11月3日

今日、家族で買い物に出かけた。初めて100円ショップに行った。すごくよかった。そのあと、ずっと前から行きたいと思っていたショッピングセンターに行くことになった。私はCDと日記帳を買いたかった。お母さんは、「必要なものだけを買ってすぐに帰るよ」と言っていたのに、結局永遠と衣料品売り場をさまよい、私にいろいろな物を試着させようとした。とても着れそうにないものを。私が全部承認していたら彼女のコピーになっていただろう。お母さんの趣味は私と全く違っていて、大人っぽいつまらないデザインで渋い色合いのものばかりだ。私が抗議する度にお母さんは怒り、私が小声で話しているのにも関わらず、「なんでそんなに怒鳴るの!もう一回私をそうやって怒鳴りつけたらどうなるか分からないわよ!」と、返した。自分の好きな物を買いたいと最初は思ったけど、無理だと察知し、違う階に速く行きたいことだけを考えながら後ろから足を引きずった。結局、ズボンとセーターを買われた。速く行きたいだけに受け入れたものだった。私が買いたかった日記帳とCDは売っていなかった。

11月8日

学校で職業体験学習があった。私は幼稚園に行くことになった。最初は恥ずかしかったけど、私はやっぱり子供が好きなのですぐに慣れてとても楽しかった。子供はべたべたくっついてきた。幼稚園の先生は難しい仕事だと思っていたけどただ遊んでいるだけでよかった。最後になにか見せ物をしなければならなくて、私はマジックをやって見せた。うまくできたけど拍手が遅れた。戸惑ったけど、みんなはビックリしすぎていたみたい。見渡すと、多くの子が口を開けて固まっていた。

すごく楽しかった。幼稚園の先生に本当になろうかな。でももう少し変わったことがしたい。珍しい感じのこと。それに、大人になれば、遊ぶのがつまらなくなるかもしれないし。

11月11日

一日中親にイライラしてる。朝、お母さんが私が温かいと飲まないと言ったのに関わらず私に牛乳を温めて渡してきた。私が飲まないと言うと、親は私にキレ、お父さんはお仕置きにインターネットを使わせてくれないと言い放った。自分では仕事に行ったのに。おかげで本当に暇!なにもする気にならないし、メールを打てないし、聴きたい音楽がないし。ずっと欲しがってるスピーカーは、親にちゃんと口を聞けるようになるまでは買ってもらえないらしい。私は口が荒く、誰にもいいことを滅多にせず、わがままだけを言っているって。ある程度にはそれはそうかもしれない。でも、私は誰かにやさしくしてもらっているの?食事と洗濯はしてもらっているけどそれ以外は何もないよ。私が一言言う度に怒られるし。何かしらとうるさくせがまれるし。それで私にいい子になることを期待してるの?こんなことなんて言えないけどね。怒られるだけだから。

11月15日

今思いついたことだけどね。何かのために何かをするというのって。。。悪いことでもなんでもなく普通なんじゃない?よく考えるとさ、人間はいつも何かしらの利益を得るために行動するよ。『無償で』と言い張るときでも、『私は今いいことをやっていて偉い』と普通は思っているはずでしょ。

<私、当時、13歳ですよ。自惚れと言われても仕様がないけど私って本当に頭よかったなと大人の目で見て感心してしまう。親にそれを分かってほしかったな。>

11月26日

最近ユキがとてもむかついてる。私をあまり友達として見ていない気がして。多分、彼女だけ大人になっていっているからだと思う。彼女がみんなと同じなのが残念でたまらない。

11月28日

学校で困っていることがあるの。あやかと言う子が私の友達になろうとしてべたべたしてくるの。直接友達になりたいとも言ってきた。いいことと思えるかもしれないけど、私は彼女が好きじゃないのだ。あやかは背が低くてちょっとブスで頭も悪いの。近づいてくるとなんとなく恥ずかしくなる。どうしよう。きっぱり突き放すのも気まずいし。いい子かもしれないけど一緒にいるだけで笑われそう。ユキをと理沙にこのことを学校の帰り道で相談した。ユキは何と言ったと思う?「楽しそうじゃん、友達になれば?友達がいなくて前から欲しがっていたじゃん。」私はそれを何と解釈したかわかる?私は怒ってそのあと口を聞いていない。私の立場を経験していないと分からないかもしれないけど結構当たり前だと思う。彼女の言葉はまるで、「私がそれを見れたら楽しい、二人はお似合いだから」と言っている気がした。

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