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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子第十一話 デートのお誘い

前話

「ここか?」
「はい」
 暗闇で何もわからないが、レナにはよくわかる所らしい。手にしている紙をきゅっと握るとドアノックを鳴らした。
「なんでぃ。おお。レナか。姫さまか?」
 大柄なフロリアンがレナを確認して言う。そして隣のカールに視線をやる。
「王子の側近のカールです。王子にお目通り叶いますでしょうか?」
 カールが言うと、背の高いフロリアンの向こうからレオポルトが声をかけてきた。
「国の方はどうなった?」
「玄関で立ち話する話じゃねぇ。こっちに」
 二人を招き入れると二人に椅子を勧める。向かい側にレオポルトが緊張した面持ちで座る。
「このレナという女性が姫からの伝言を賜っているそうです。私の方は、国で職を解かれ、逃げてきました。現状はクーデターが起き、陛下は牢へ。マルタ様とアドルフが実験を掌握しております。氷の国へ戦を仕掛けるのも時間の問題かと。ですが、アドルフに軍事力はありません。求心力はすぐに落ちるでしょう。その前に事を起こそうとしているようです」
「やはり、アドルフか……」
 悔しそうにレオポルトは唇をかみしめる。
「ニコが、この国で地下組織を築いているらしい。そいつらとアドルフとの戦いだな」
 レオポルトが分析しながら言う。
「地下組織は炎の国にもありまますよ。共同で手を組めば大きな力になるでしょう」
「そうか。アデーレを連れ出しておいて良かった」
「ただのプロポーズ突撃だけではなかったのですね。やはり」
「俺に偽りの縁談を持ち込む所でそんなもんだと思っていた。アデーレは今リリアーナと名前を変えている。俺もレオヴァルトだ。大して変わらんがな……」
「いかがいたしましょう。王子の元へ行きたいと言う者は数多いでしょう。国王が牢に入ったとなれば、王子が必然的に継承者となります」
「今、攻め入ってものらりくらりとかわされるだけだ。逆にこの国へ争いを仕掛ける理由を作ってしまう。アドルフの行動次第で変わる。ただ、集められる者は集めておけ。いざと言う時が、来る。必ず。俺は当分、この武器屋の養子だ。アデーレもな。よく来ていたから不審に思われることはないだろう。で、その侍女が持ってきた紙は?」
「姫様からの伝言です。どうぞ」
 レナが手紙を渡す。
『明日、グループデートしましょ』
「って、何、和ボケしとるんだ!」
「王子は当分、武器屋の息子。いいのでは? グループというのはあと何人必要なんですか?」
 カールがのほほんと聞く。先ほどの緊張感を返せ、とレオポルトは言いたい。
「ニコを連れてこいと書いてある。カールは知ってるのか? ニコの居場所を」
「はい」
 あっさり答えられて、知らないのは自分だけだったのか、とレオポルトは落胆する。
「地下組織の大ボスは私ですから」
「カールが、か?!」
 面妖なものを見てしまったとばかりにカールを見つめるレオポルトである。
「全ての複雑なヒモは私が握っております」
 敵にしないでよかった、と思うレオポルトである。
「カールはニコを引っ張ってこい。ユレーネに親友以外の女性を連れてくるように伝言を返す」
「親友以外、ですか……」
 カールが考え込む。
「それはユレーネが考える亊だ。カールの出番じゃない」
 何を考えているんだ、とレオポルトは突っ込む。
「では私とレナで組ませてください。この侍女、レナに一目惚れしました」
「一目惚れー!?」
 フロリアンの家がカールの爆弾発言で揺れたのだった。


あとがき

まったくもって自己実現や成長が見られない本作。ユングと占星術を取り入れて新たな物語のケースを構築するはずが、力量がないがためにいい加減なことになってます。ユレーネの性格はわりと占星術通りに描けてるんですが、レオがまったく。どこが情熱的なんだ? と突っ込んでます。子供だし。大人になれ、と行ってもお年頃。どうなるやら。今日は次話を書き終え、今日、三話目に取りかかろうとして一応、こちらに来ました。
ショートショートも思い付かないし。足の件では新たな状態ですが、(膝が曲げられない)これを書いても病気続きなので。暖めるとマシになりましたが、相変わらず、です。で、三話目をちゃちゃっと書く事にしたので(漢検は明日ラジオ聞きながらします)途中まででも書いておきます。ほんと、ユングがまったくでてこない。自己実現とか成長難しすぎる。無意識とかの方がわかりやすい。降下という現象は書きやすいのですが……。これはそこを求めていないので書けません。がんばります。スキ、フォローありがとうございます。七割から五割の格率でフォロバはいたしたいと思います。

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