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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:風響の守護者と見習い賢者の妹 第五話 「輝水の源の国」シャリスタン

前話

 次の日、イーカムに乗ってやって来たレオポルトはリリアーナとカールに引き連れられて式典用の建物の控え室に押し込められた。ユレーネを出せ、と騒ぐが、着付けの真っ最中だ、と言われ、堅苦しい国王の服装をさせられた。頭に乗る予定の王冠は新しく作られた重たーいものだ。仮の即位式でつけたものとはえらい違いらしい。フロリアンが精魂込めて作ったと聞いてやっと頭に乗せる気になったレオポルトである。王の杖もあるらしい。ぽん、と持たされて立ったり座ったりさせられる。
「なんなんだ。さっさと結婚させろー」
 シャリスタンの国王が結婚式のことでやいのやいのと騒いでいると知れば大方の臣下は呆れることだろう。カールとニコだけが知りうるレオポルトの素顔だ。
 
 即位式はなんとかがんばった。重たい王冠を乗せて両国の賢者として務めてきたアイシャードが言う言葉をオウム返しに答えるだけだ。二年前の即位式で勝手がわかっている。ユレーネは練習していたようですらすらと答えていた。何も考えず、ぼーっと過ごしていたのはレオポルトだけだったようだ。
 
 そしてまたお色直しということで今度は婚礼衣装に身を包む。父親代わりのフロリアンと壇上の前で立っていた。音楽が鳴り、ユレーネが父親の氷の国の国王と赤い絨毯の上を歩いてくる。その花嫁衣装が眩しかった。でれ、となりそうだったが、緊張感でとどまっていた。
 呑気な自分に半分呆れていたが、間近で見るユレーネは本当に美しい表情をしていた。 二人で誓いの言葉を言い合う。そしてお互いに指輪をはめ、誓いのキスをする。すると周りが騒がしくなった。
 このロマンティックな場面で何ごとだ、と憤慨して周りを見てレオポルトもユレーネも言葉を失った。周りの景色が変わっていく。
 透明な水晶の川が生まれ、澄んだ泉ができる。地は緑に満ち、水の精霊達が祝福の舞を踊っている。
 結婚式を挙げている建物は大きな泉の上に建つ建物となっていた。脇の窓から水が光を反射している。式典堂も光の光線が交差して煌びやかに光る。周辺の土地に水のエレメントをまとった色とりどりの花が咲き乱れる。
 そして両国があった証にそれぞれの国の花が至る所に咲いていた。
「はい。二つ目の花嫁のブーケ。氷の国の花で作ったの」
 いつの間にかリリアーナが可愛らしいドレスを着て立っていた。手にはいったとおり、ユレーネの故郷の花が鮮やかに咲き誇っていた。
「で、こっちの古い方は私がもらうから」
 そう言ってブーケを交換する。
「リリアーナは嫁にださん!」
 父兼兄のレオポルトが言うが本人はまったく意に介していない。
「いつか運命の人に出会うんだもんねー。さぁ。お姉ちゃん。新しく生まれ変わったシャリスタン国を見に行こう!」
 リリアーナがユレーネを強奪する。
「こら。待て!」
 レオポルトが追いかける。外に出ると祝福に訪れた両国の民やアドルフを討つのに助けを乞うた義勇団の人員もいた。レオポルトは感動で声を詰まらせる。
「これが俺達の国。民、か」
 じっと見つめるレオポルトの手をユレーネが握る。
「王様。これからはちゃんと仕事してね」
「ユレーネ……」
「ほら。約束のキスは?」
 可愛い新妻のおねだりにレオポルトがキスをする。わっと声が上がる。
 水琴窟のような水の音色と水の精の舞が二人をいつまでも祝福している。
 
 「輝水の源の国」シャリスタンは、今、まさにこのときに誕生したのだった。


あとがき

超早起き、朝活の時間です。今日は五時起き。昨夜一時寝。目覚めたものはしょうがない。この時間に二度寝すれば、出勤できない。

こんな即席の結婚式でユレーネはよかったのでしょうか。というかレオと離れているときに練習していた気がする。してなかったのはレオのみと。ひたすら、この第五話はのんびり。まぁ。私の小説に緊迫感がないのはいつもの事ですが。
規則正しい睡眠を取るにはルーティンを取り入れればいいらしく、朝は水を飲めば良いと言われていたので飲んだのですが、三杯目が飲みたい。なぜか水欠乏。夜はストレッチをするといいようです。足が痛い今、ストレッチは恐ろしいですが。

と。また、恐怖の白コリ舞がありました。卵みましたが、今はありません。ほっと一安心。

 と、ここでまたエッセイの勉強しかけた。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

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