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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第三十九話 空に浮かぶ島。~誰かに呼ばれている。ひょっとしてお化け?!

前話

 エルダリアンの聖域を飛び立っても間もない頃、空に見たことのない魚が浮いていた。いや、飛び交っていた。
「ああやって、生まれた故郷へ帰るんだ」
 セイランがぽつり、と言う。リアナはセイランに両親は早くに亡くしたと聞いていた。リアナには厳しくても面白い、家族がいる。きっとセイランの心の奥で思っていることは解らない。下手に声を掛けるのは止めよう、そう思って前を見る。
「ぶ、ぶつかるー!! シルヴァリア!! 止まりなさーい!!」
 リアナの声と同時にシルヴァリアは何かと衝突した。その衝撃で見たこともないような動物たちが飛び出してくる。
「島? 空に浮かぶ?」
 リアナは信じられないといった具合に疑問を抱く。
「古代文明の名残だ。たまに色んな所にこういったものが点在する。アミュレットはこうした古代文明の名残に残っているんだ」
 考古学者らしくセイランが説明する。味も素っ気も無い答えにリアナは少々機嫌をそこねる。
「リアナ?」
「もう。夢のない人ね。フィオナ、マルコ。現実主義は置いて探検に行くわよ」
「リアナ!」
 方位磁石も持たず適当に歩き出すリアナの後ろをフィオナとマルコが着いていき、その後から元の大きさに戻ったシルヴァリアとセレスがリアナの後ろ髪をもてあそびながらパタパタととんで行く。
「くそ。俺のセレスまでたぶらかして……。じゃない、集団で行動しないと危ない!」
 セイランは後を急いで追う。
 あっという間にリアナの隣にセイランは戻れた。本当に放っておく気はなかったようだ。
 
 素直じゃないな。
 
 相変わらずのツンデレに苦笑いだ。
「何か? パパ」
「いや。ここは面白い生態系のようだな。見たこともない動植物にあふれている」
 学者魂が燃えるのかセイランは放っておくとそのままふらふらと道に迷うような素振りを見せていた。
「セイランこそ、危ないじゃないの。そっちじゃなくてこっち!」
 リアナが強く手を引く。
「何を根拠に目指しているんだい?」
 マルコが聞く。
「わからない。だけど、誰かに呼ばれている気がするの」
「ほう」
 言ったきりマルコとフィオナの声が途絶えた。途絶えてからしばらくはまた、いつものイチャイチャでもしているかと思っていた。
 が、振り向くと二人の姿はなかった。
「フィオナ! マルコ!」
 リアナが声を掛けるが答えは戻ってこない。リアナがパニックに陥る。とっさに判断したセイランは目の前の茂みの向こうに微かに見え隠れする遺跡にリアナと共に飛び込んだのであった。
「どうしようー。フィオナとマルコに会えなくなったら-」
 リアナは半泣きだ。それをセイランはなだめる。
「さっき、珍しい動物に気を取られていた。すぐに気づいて追ってくる。ここはなんだか懐かしい。リアナもだろう?」
「ええ。どうしてそれを?」
「さぁ。なんとなくそう思えるんだ。さっきリアナが目指してたのもここだろう?」
「たぶん」
「俺達を招待してくれた方々に会いに行こうか」
「って、お化けじゃないわよね」
「出ないことを祈る」
「ひえー。セイラン置いていかないでー」
「どうしよっかなー」
 二人きりになると今までの強気がまったくなりを潜めるリアナだ。
「こっちの方が可愛いのに」
 セイランはぼそっと言う。
「何? セレスちゃんが可愛いの?」
「行くぞ」
 リアナのとんでも勘違いな言葉にむっとしたセイランはリアナの手を引いてずんずん歩き出す。
 
 ひー。お化けだけやめてー。
 
 魔法使いの家の娘ではあるが人外の者にとこんとんダメなようだ。
 リアナのセイランにだけ聞こえてくる謎の声を聞きながら、セイランは先へ進んだのだった。


あとがき
なんとなくChatGPTさんが出してくるファンタジー風な動物とかハリーさんとかからの流出じゃないよね、とびびる今日この頃。フェアリードラゴンが気になっている言葉。まぁ、あり得そうな名前なので使っておりますが。
あと一話で40話。ココで区切っても良いし、これをあげている間に「風響の守護者と見習い賢者の妹」をしてもいい。と同時にユメを出せば良いかしら。エッセイの習作と共に。一応朝活の事も書きます。手帳で三週間目には入ってるはず。まずは三週間。きらり様の本でもあった言葉。三日坊主の現代で言う違うスパンの間の時間をふと思い出しました。昔、習慣化のメンバーシップに入ってました。そこでそういうことも言われていたと思います。続けられない私としてはなかなか続いています。ゆるゆるでセーフな部分が多いからでしょう。もう、パソコンしまう時間。ブルーライトカットしないと。これも朝活の延長上に決めたこと。九時半でしまう。たまに思い立って広げるけれど。

阪神戦が延長かもー。ひー。ということでこれを予約投稿に回しておきます。

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