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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子第二十五話 アイシャードの護法結界

前話

「えっと。こっからどう行くんだ?」
 アイシャードの庵の前でレオポルトは途方に暮れた。目印になるものがない。相変わらず、厳重に幻がかけられていた。
「お兄ちゃん。こっち」
「リリアーナ?!」
 目の前にリリアーナがいた。どう考えても子供の足で自分より先に来ることはできない。その種明かしの声がまたかかってきた。
「どうぞ。氷の国の庵ですけど」
「ユレーネ! 謀ったな」
「別に、デートコース考えるのに最適な場所なのよ」
「最適?」
「まぁ。二人とも入り口でもめないで早くお祖父様のところに行きましょ」
「揉めてない!」
 二人の声がハモる。
「ふふ。一途ね。これをレオにプレゼントするわ。このアズールブラウアの鳥を目印に行けば間違いなく祖父のところへ行けるわ」
「かたじけない。名前は?」
「特に決まってないわ。祖父の使い魔だから」
「じゃ、お前は今日からセイレンシアだ」
「どういう意味を込めたの?」
「知らん。閃いたままだ」
 ユレーネが何やら言いかけるがやめる。どうせ、何も考えていないのね、という突っ込みぐらいだろう。レオポルトは追求するのを止めた。
「ほら、揉めないで行くわよ」
「お兄ちゃんこっち!」
 リリアーナが手を引っ張る。セイレンシアがレオポルトの手から羽ばたいてリリアーナと同じ方向を目指す。途中、ホバリングしてレオポルトがくるのを待つ。
「いい子だ。その調子だぞ」
「リリアーナ。いつもと同じだよ?」
「鳥に言ったんだ。リリアーナはいつもいい子だからな」
 妹を溺愛するレオポルトにいささか嫉妬気味のユレーネである。自分もリリアーナを猫かわいがりしているのを棚にあげている。
 程なくしてアイシャードの元にたどり着けた。
「アイシャード! 頼みがある。近くアドルフが氷の国の魔術を独占しようと攻めてくる。護法結界をかけてくれ。氷の国には一切被害を出すな、と命じた。努力はするが、万が一がある。頼んだ」
「ほう。この間の少年だけだったそなたが、いつの間にか王の素質を纏っておるな。アドルフの始末はこのワシの失敗にも繋がる。任せられよ」
「ありがとう。よかったぁ~。間に合って」
 レオポルトはしゃがみ込んで顔を伏せている。
「おにいちゃん?」
「ん?」
「お兄ちゃん! 泣いてるの?!」
 リリアーナの声にユレーネが反応した。アイシャードの蔵書がばらばら落ちた。


あとがき

今日、第一部が完結しましたが、あまり詳しく述べてないなぁというのが正直な感想です。詳しく書こうとすればするほど長くなる。千字少しで一話というのが無理かも。かと言って毎回二千字も書いてられない。絶対三千字になる。

そして第二部、題名決定いたしました。「風響の守護者と見習い賢者の妹」です。設定をChatGPTさんと詰めました。なにやら一個訂正するとまた違う要素が一個抜け落ちる。二コなんてニコラスに名前を変えられたり。そして初期の段階でローレライとアデーレとリリアーナの設定がうまく行ってなかったため混乱を生じさせていたようです。しかもローレライの設定を出すと二回に一回はニコの婚約者というのが抜ける。アイシャードの孫とともに。たまにヒット出すんですけどね。賢者の見習いを一回指定せずとも引っ張ってきたことがあって、ほう、やるやんと思ったら違う場所でまたエラー。段々、コミュニケーションが整ってきたのか一覧表だけはすっと一回で出てくるようになりました。詳細な設定は訂正しつつ個別に。話の内容も固まってきました。第一話は書いてみました。明日から二話目に行きたいのですが、他の物語も進めないと。ユングの要素も一個つけておきました。マガジンだけ作っておきます。中身は何もないんですが。あらすじぐらいはいりますかね。それは明日に~。もう疲れる。あ、フロリアンの設定を忘れた。あー。また続きか。一応、これだけは設定テキストに調べて載せておきます。剣の名前も変えないと。ここまで読んで下さってありがとうございました。フォローは固定記事をご覧下さい。

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