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【再掲載小説】ファンタジー恋愛小説:最後の眠り姫(31)

前話

 企みの予定を無事作り上げて、数日後、教皇様のお触れが王族の主たる人物に出された。私はクルトに連れられて王族しか入れない間に行く。行くと何人かのすれ違ったことのある人物が挨拶にやってくる。
「エミーリエ様にはご機嫌麗しく」
「ええ。あなたもお代わり在りませんか?」
「お顔を見られただけで光栄ですわ」
「ありがとうございます」
 丁寧にお辞儀をすると滅相もないと言わんばかりに逆にお辞儀される。そんなに偉い身分じゃないのに。連れられて定位置に並ぶ。どこがだれの定位置かはわからないけれど。
「エミーリエはすごい女性なんだよ。周りからすると」
「クルト。また思考を読んだわね」
「聞こえてくるものはしょうがない」
 しれっと言うのがまた憎らしい。婚約破棄しようかしら。
「エミーリエ~」
「情けない声出さないの」
 二人でひそひそ話しているとヴィルヘルムに二人とも足を踏んづけられる。
「ヴィー!」
「ほら。神託がはじまるよ」
 はっとして教皇様を見る。
「今日、集まって頂いたのは他でもない。カロリーネ様の縁談についてです。先日、ご神託がありました。カロリーネ様の縁談を進めるのは『凶』と。進めることはあいならぬ、と」
「神託など、信じる時代ではありません。今更、何を」
 アウグスタ様が食い下がる。
「失礼ですよ。アウグスタ様。教皇様にたてつくおつもりですか?」
「王妃は黙ってなさい!」
 そこへ、突然、見知らぬ人間が入ってきた。
「ここは王族のみの間。立ち去りなさい!」
 アウグスタ様が怒りをぶつける。だが、その人は信じられないことを、私達にとっては失礼にも待ち受けていた事を告げた。
「アウグスタ様のお父上が崩御なされ、クーデターが起こりました」
 クーデターの言葉に場が乱れる。
「これまでですね。アウグスタ様。お父上の所に戻られると良いですわ」
 お母様が言う。その表情には何も無かった。同情も悲しみもほこり満ちた顔も。ただ、事実を告げるお母様だった。
「アウグスタ……」
 お父様が、国王陛下が名を呼ぶ。アウグスタ様はキッ、と一睨みすると出て行かれた。私はこの緊迫した空気に気が遠のく思いだった。察したお母様が指示する。
「エミーリエ様には一時休憩して頂かねば。クルト、お連れしなさい」
 お母様の声でクルトが私の手を引く。私は隣接した部屋のソファに崩れるように座る。
「なんてタイミングなの……」
「俺も驚いたよ」
 そう言って優しく抱きしめてくれる。
「『ちゅー』は言わないの?」
 気が緩んでつい軽口を叩く。
「してほしい?」
「いたしません」
「だろ?」
 私達はそっと笑い合ったのだった。一件目が片付いた。もう一件がややこしい。どうしようかと考えが走り出したのだった。


あとがき
この二人もいちゃいちゃと……。恋愛ファンタジー小説に変えた方がいいのかしら。まぁ、キラキラお姫様と王子様にとりつかれてますからね。私も。実際が質素だとついつい。かといいながらも豪華なアクアリウム生活を送ってると思う今日この頃。特にテトラの水槽は豪華です。キラキラとちびちゃん達が泳いでいます。これが大きくなるともっとキラキラと。コリちゃんも贅沢に飼ってますしね。ベタはより一層懐いてくれてるし。可愛いったらありゃしない。硝酸塩がテトラさんも水槽からかなり減っていてほんとよかった。あと二日後にまた水替え。その時はもっと減ってると良いなってまたさかな愛を語ってしまった。こればっかり。かといっても今風響どうしようかなーと考えている途中です。一応、神殿に入る前の話があるので、そこをどう書くかのところです。話数はもう50越えました。星彩も。いつまで続く?
イラスト描いてくれる方がいらしたらもっと頑張るのですが。まぁ、毎回同じイラスト載せるよりは題字だけが良いのかもしれませんね。本を作って売るわけではないので。作ってはいますが、売れない。アピールしてないので。もう、作るのは諦めました。でも、作り方は今見て復習中。フォロワーさんが解説なさっているので。参考にしてます。というところでここまで読んで下さってありがとうございました。

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