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【再掲載小説】ファンタジー恋愛小説:最後の眠り姫(30)

前話

 私達はお母様やお姉様の目をかいくぐって神所に何回か行った。アウグスタ様の件だけでなく、フリーデの事もあって通った。フリーデは古い家系で、もとはこの王族の一筋というのがわかった。教皇様が古文書を見せて読ませてくれた。ヴィルヘルムはともかく、クルトには解読が難しいようだった。私は自分のいた時代より少し古いぐらいの文字ですらすら読めてクルトにイジられたのだった。
「今度、ばばぁなんて言ったら、婚約破棄するからね!」
 何回目かイジられて流石に私もキレた。すぐにクルトは子犬のように尻尾を振った。
「ごめん。ばばぁなんて言ってないけれど、そう聞こえたんだね。エミーリエの怒った顔も可愛くてつい……」
「限度があるわよ」
「だから、ごめん、って」
「若いというのはいいですな。ヴィルヘルム様」
 教皇様がヴィーをジジィ扱いで話す。もう、魔皇帝というのはおわかりなのだろう。
「そこ。ジジィ同士でたくらまないこと! 手伝わないわよ。ヴィー!」
「あねうえ~」
 ヴィルヘルムが情けない声を出す。これがこの子の真の姿なのだ。魔皇帝は記憶に過ぎない。
「フリーデにはカロリーネお姉様から頂いたドレスをいくつか渡すわ。それを着て、お母様達と会ってもらいましょう。ヴィルヘルムもね」
「社交界にデビューか?」
 クルトが聞く。
「いいえ。まだ、ヴィーは幼いわ。ヴィーを連れて社交界にはでれないわよ。お母様達も知ってるだろうけれど、正式に婚約する方がいいわ」
「正式って?」
 ヴィルヘルムが聞く。
「婚約の儀式ってあるんじゃないの? 特に幼礼婚では。そんな事聞いたわ。私はあの開かずのまで婚約すればよかったらしいけれど」
「確かに、ヴィルヘルムの年齢では幼礼婚になるか。昔は女性の婚期が幼くてそういう儀式があったらしいけど……」
 クルトが思案気に言う。
「それならば、私が取り計らいましょう。カロリーネ様の一件が片付けば、そちらの用意をする時間もできますから。フリーデ様にはすでに知っていらっしゃると思いますが、婚礼の学びに通って頂きましょう。これで正式に王族と見なされます」
「だったら、私も通うわ。私も知らない事だらけだもの。フリーデに先生になってもらうわ」
 私が言うと、男三人があ、という顔になる。
「その手があったか。フリーデがここへ通う理由にもなる。身分的にもと王家の人間として通うのも申し分ない。それに加えてエミーリエの教師役を務めるとなると誰も止めないよ」
「泣く子も黙る条件ですな。それでは企みがうまく行くようにまた、お茶でも頂きましょう」
 お茶会好きの教皇様と今日も楽しいお茶会に参加したのだった。
 うまく行くといいけれど……。アウグスタ様さえ、この宮殿からいなくなって頂ければ、と思ったのだった。人を邪魔扱いするのは気分はよくないけれど、あの方だけはここから立ち去って頂くしか思えなかった。


あとがき
そろそろ【再掲載小説】が【連載小説】になる日が近づいてきました。あと二週間しが余裕がない~。そんな日でも二次の続きを書こうとしている私
さっさと風響しろ、と脳内では言ってますが、また難しいトラップのくだり。どうしよーと悩むのでした。これは午後からの仕事になりそうです。手帳アカウントもいじらないと。夢は午後三時頃更新できればします。段々ユングの話が出てきました。でもしばらくいちゃいちゃは続く。こちらは恋愛がメインでもいろいろあるので恋愛ファンタジー小説にはなりません。いつ結婚するんででしょうかね。訳ありの出番が近づいてきてます。一から載せ直そうかしら。今日は寝坊しました。気付いたら八時半。魚のライト点灯に一時起きたものの眠い、と言って寝直してしまいました。そしてベタのあーちゃんたちのライトを入れ損なっていたという。まぁ。あの子らは電気がついたらご飯になってるのでいいんですけど。消化時間がいるだけで。また魚の話だわ。魚飼っている姫を書いてみたい。趣味が合体してしまう。と。ここで切ります。いつまでも書くわけにはいかない。ここまで読んで下さってありがとうございました。

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