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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第四十三話 セレスの命とシルヴァリアの言葉~フェアリードラゴンがしゃべったー!!

前話

「ちょっと、どうして溶けないのよっ」
 リアナはイラだってゆっくり溶かす余裕がない。フィオナが優しく言う。
「リアナ。少し休んで。いくら普通に流れた涙でも命を与えるものを出したのよ。体も頭も疲れているわ。お菓子作りのようにゆっくりしなきゃ。根気よく、ね」
「フィオナ……」
 リアナが泣きじゃくる。もう真珠の涙は出なかった。
「大丈夫。あなたのセレスちゃんでしょ。ここは私に任せて」
「ごめん」
 不意に暗い声でリアナが呟く。また、アルカナ遺跡で罵倒としたことを悔やんでいる。
「もう、過ぎた事でしょ。さぁさぁ。セイランを慰めてあげて。リアナ以上に暗いわよ」
「セイランが?」
「もう。自分の恋人でしょ? ちゃんと見てあげなさいって」
「フィオナが強い……」
「はいはい。驚くのは後で。いってらっしゃ~い」
 明るいフィオナの笑顔に押されて台所のような所から出て行く。セイランが頭を下げて座っていた。
「セイラン!」
 リアナが名を呼ぶ。反射的にセイランが顔を上げる。
「情けないよな。俺はリアナのように真珠の涙も出せないし。何もすることができない」
 できるわよ、と一言リアナは言う。
「セレスはあなたのフェアリードラゴン。絆もあなたの方がずっと太いのよ。主人と僕の関係は誰にも邪魔できない。私でさえも。あなたはセレスのパパで在り、本当のママなの。自信持って」
「リアナ……」
 セイランはリアを抱きしめると肩に頭を乗せる。
「しばらくこうさせてくれ」
「いいわよ。パパ、いえ、セイラン。私達も進まないとね」
「リアナ?」
「あとで教えてあげる。今はセレスの命を信じましょう」
 そう言ってセイランの手を引くと椅子に隣り合わせで座る。シルヴァリアが出てきてリアナの肩に止まる。
「リアナ セレス ダイジョウブ ママノ ナミダ デ ダイジョウブ」
「し、シルヴァルア? 私、今、ヴェルディアンの葉のペンダント握ってないわ」
 どういうこと? とセイランを見るが、セイランにも驚愕の表情が浮かんでいる。
「シルヴァリアが話した!」
 思わず、二人で手を取り合ってシルヴァリアを見る。
「うるさいよ。セレスが起きるよ」
「マルコ! セレスは?!」
「って。いつまで手を握り合ってるの?」
「フィオナ!」
 二人の親はオロオロするばかりだ。フィオナの手には湯煎して液状になった真珠の涙があった。
「湯煎できたのね!」
「お菓子作りを馬鹿にしてるからこうなるのよ。はい。先生。これで良かったですか?」
「おお。綺麗な液状になっている。ここの看護師にならぬか?」
 それを聞いたマルコがフィオナを腕の中に確保する。
「さぁ。目覚めるのは少し後だ。その前にこの注射をしておこう。この子は小さいから点滴の方がいいかもしれないな。マルコ、準備してくれ」
「はい。ほら。セレスだよ。ママ」
 マルコがリアナの掌にセレスを乗せる。一部分、楔があった所に包帯が巻かれている。
「セレスちゃん」
 もう、リアナの目には涙がたまっている。セイランはその純粋さがうらやましく、愛おしい。思わず、リアナの頬にキスをして二人とも固まる。
「い、今、何したの」
「あ。いや、今のは……」
「素直になりなさいよ」
「ほら。点滴するよ。終わるまでに決着つけろ。セイラン」
「マルコー。無理だ。この頭にそんな行動を起こす余裕は無かったはずだ」
「なくても起きるの」
「じゃ、マルコとフィオナは……」
「当たり前よ。ってリアナ、セレスちゃんが落ちる」
「きゃ。大丈夫? セレスちゃん」
「ママ……。パパ……」
「ほら。セレスも二人の事を……って、しゃべったー」
 フィオナが声を上げる。
「静かに! けが人がいるんだ。恋人の戯れは他所でしろ!」
「すみません! マルコ! どこで点滴するの?」
 リアナがテキパキ動く。
「やっぱり、セレスにはママか……」
「パパ アソボ」
 代わりにシルヴァリアが話かける。
「おう。キャッチボールでもしよう。リアナー。あと頼んだー。外でシルヴァリアとキャッチボールしているから!」
 セイランは寂しそうな背中を見せつつもシルヴァリアと何事か話ながら外へ向かう。
「お兄ちゃんはパパが好きなのね。って、フェアリードラゴン男でも女でも無かったっけ?」
 考え込んでいるとマルコがフィオナを呼ぶ。
「はーい」
 未来の王妃様は王様の元へ向かった。


あとがき
久々の星彩でございます。相変わらず、ここで止まってるんですけど。次の場所に行けないー。それにはあの三十八話が重要なのにすっぽかしていたという。マガジンまで遡ってみてください。とんでもないところに出てるのでたどるにはマガジンが一番。
緑、やっと一話終わったら、手帳には風響の二文字が……。まだやってない。頭が切り替わらない。一要素に集中といいたいところですが阪神に気を取られる。よけいね。前の話見てたら何か考え出すから、原稿は広げておこう。おっと、なんでもできる自由時間になったって、就床時間まで一時間しかないー。眠くないんですけど……。あ、クスリがまだだった。飲みに行こう。それから原稿だ。朝はなかなか起きれませんでした。起きた時間七時前。朝活ー。ぶっつぶれてます。あと三十分が……。五時半に目覚ましなって。え? って。であと三十分してたらぐーぐーねてしまい。明日こそ起きるぞー。

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