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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第四十二話 狙われるアミュレット。~セレスちゃんが危ない! どうしたらいいの?!

前話 

 一行は今度こそ、「里山へ」といそいでいた。遊びすぎたと流石に皆、反省している。シルヴァリアは一心に向かっている。
 ふっと、シルヴァリアがうなった。
「シルヴァリア?」
 セレスが後ろを威嚇した。
「あっちだ。水のアミュレットを取り返せ!!」
 どこか異国風の衣装に身を包んだ輩に襲われようとしていた。マルコとセイランが応戦する。向こうもフェアリードランゴンに乗っている。リアナはフィオナを後ろ手にかばいながら様子を見ていた。するとセレスが、威嚇する声を出すと巨大化した。
「セレス! だめよ! あなたはまだ雛なのよ! 無理しちゃダメ!!」
 リアナが怒鳴るがセレスは聞いていない。セレスは必死で襲ってくる輩に炎の咆吼を浴びせる。
「青い羽根のフェアリードラゴン、か?」
 輩の士気がそがれる。
「今よ。シルヴァリア、一気に降下して! セレス、ママの所に来なさい!」
 リアナの有無を言わせない声にセレスは一瞬、こちらを向く。その折、楔が打ち込まれる。
「セレス!!」
 リアナが元の大きさに戻ったセレスを掌に受ける。楔を抜こうとしてセイランに止められる。
「今、抜くと出血のショックが出る」 
 それはセレスが命を失うことを意味していた。リアナの涙がこぼれる。蒼い、真珠の涙が落ちる。セイランに手を引かれるまま、地上に降りる。
「セレス。折角、命を得たのに……」
 わっと泣き出さないだけでもまだいい。この後に来る悲劇に皆、身構えていた。
 しかし、目の前の茂みから人が出てきた。
「里山?」
 ボロボロ涙を流しながらリアナが言う。
「おお、フェアリードラゴンが怪我しているのか。着いてきなさい。ああ、その前にこの応急処置をしておこう」
 目の前に現れた初老の男性が、見たこともないものを出してきた。それをセレスに当てる。ふっとセレスがぽっと光った。
「命が?」
「そうじゃ。これは真珠の涙を液体にしたもの。私はフェアリードラゴンの里の者だ。と、お前さん蒼い真珠の涙をこぼしておるじゃないか。これは貴重だ。全部持ってくるんだ。普通のモノより効果が高い。これを点滴で流せば命は繋がる」
「ほんと? 蒼いかろうと紅かろうといくらでも泣くわっ」
「ああ。これだけあれば大丈夫だ。お前さんは早く泣き止んでくれんと収集がつかない。この子に早く治療を受けさせないと」
「拾うわよっ。自分で出したんだから」
 どこに隠していたのか箱を出してくるとじゃらじゃら入れ込む。
「それ以上はいらん。あとで取りに来ればよい。さぁ。こちらへ」
「セイラン!」
 黙ったままのセイランを見るとセイランは苦笑いし肩をすくめる。
「強いな。リアナは。俺なんてまだ立ち直れてない」
「何言ってるの。そんなのはセレスちゃんが治ればいくらでもすればいいわ。付き合ってあげるわよ。行くわよ」
 肩にシルヴァリア。両掌にセレスを乗せてリアナは肘でセイランを小突く。
「ああ」
 老人について行くとそこにはフェアリードラゴンが大小様々な色をして闊歩していた。
「真珠の涙の販売所?!」
 マルコが目を白黒させている。
「専門で産むフェアリードラゴンがいるんだ。こっちだ。診療所は」
 白い建物に入っていくが、人はいない。
「医者は……、あなた?」
 リアナが驚きながら聞くと初老の男性は面白そうに頷いた。
「まずはこのおチビさんだな。誰か外科手術の経験のあるヤツはいるか?」
「手術!」
 リアナが真っ青になっている。その肩をマルコが叩いて安心させると一歩前に出る。
「簡単なものなら現場に立った覚えがあります。それで、大丈夫ですね。止血と縫合ですから」
 ほう、と医者の老人はマルコを見る。
「じゃ、白衣を着て準備してくれ。あ、涙の張本人はその蒼い真珠をこれに入れて湯煎してくれ。液体に変わる。それを入れ込めばこのチビは助かる。こんな純度の高い真珠の涙ははじめてだ。頼んだ」
「はい! フィオナ行くわよ。セレスちゃん! 頑張るのよ!」
 チラリとセレスを見て、リアナは自分の生み出した涙の玉を湯煎しに歩き出した。


あとがき
こんなところで脱線が。風響の守護者と見習い賢者の妹も脱線してるし。今日一話書いて途中書いて虎テレ書けたら集中力が途切れました。
野球がもはやバックグラウンドミュージックにならなくなりました。真剣に見てしまう。今日も早く寝るつもりがー。九時半消灯目指しているんで。昨夜は急に亡き父を思い出し、fitbitの瞑想してました。それから寝ればそく寝落ち。あのセルフコンパッションとか良いんでしょうね。今日は漢検、本試験型ができなかった。でもあと二つで終わる。二巡目に入る。ので一日できなくても心配はいらない。他のテキストには手をつけたし。と、朝活の振り返りしないと。朝起きて、一時間ほど余っていると思ったら三十分。とりあえず、朝食前に風響の守護者と見習い賢者の妹が書きかけることができたので助かりました。これも貯めて出します。あと何話あるのかしら。そろそろやばい話数。それでは、ここまで読んで下さってありがとうございました。

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