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【再掲載小説】恋愛ファンタジー小説:最後の眠り姫(42)

前話

 私は言う。
「もしかして性格が悪いかもしれなかったのよ? 今も意地悪だけど」
「どんな君でもいいと思っていた。どんな姫君かずっと知りたかった。そして君は聡明で優しく強い姫君だった。大事な者を一生懸命守ろうとする。そんなところにもう一度惚れ直した。さっきのヴィーの時だって強いんだな、って惚れ直したんだよ。俺はあんな駆け引きは出来なかったかもしれない。でも君はフリーデを救った。ヴィルヘルムも。君がすべてを導く姫君。でもホントは俺だけの姫になって欲しいけどね」
 最後は茶目っ気たっぷりに言う。そんなクルトを私もまた好きになっていた。クルトの優しさは時に有利ではないかもしれない。その時は私の強さで守ろう。そう思ってクルトの肩に頭を当てて抱きしめる。クルトが焦る。
「乙女のベッドの前でそんな事しちゃだめだよ」
「もう夫婦だもの」
「もう。意地悪だね。男の理性を試さないでくれ」
 そう言って抱きしめてくれる。そこへフリーデのきつい一声がかかった。
「まだ婚礼前ですよ!」
「フリ~デ~」
 二人して情けない声を出す。
「お年頃なんだよ」
「そうなのよ~」
 フリーデが私達の間に入る。
「十六で母になりたいのですか?」
「もう一つ年を取ってるわ」
「十六も十七も若すぎます!」
 そう言うフリーデの手には私が母を思って泣いたアイスのアールグレイがあった。
「理性を取り戻してください」
「はぁい」
「じゃ、俺、執務に行ってくるー」
 恥ずかしいのか情けないのかわからない、クルトはぴゅーっといなくなった。
「クルトの馬鹿ー」
 一人きりにさせて。これから山程のお説教がやってくるのに。
「今日はお説教はしませんから、節度を守ってください。どうぞ。お気に入りのものですわ」
 そう言ってグラスを渡す。私はそれを懐かしく思いながら飲み始める。飲みながらフリーデの恋話を聞こうとする。
「あなたはヴィーともっと過ごしたくは無いの?」
 フリーデの頬が赤くなる。
「私情と仕事は別です」
 赤い頬を私は突く。
「あー。図星ね。さっきお母様が行くまで何を話していたの?」
「秘密です。個人の領域ですわ」
「それもそうね。上手くやったらいいわ。私とクルトはなんでも、運命の相手だったんですって。二千四百年も離れているのに。おじい様はそれを見越して眠りに就かせたかもしれないのよ。正確にはお母様達だけど、おじい様の指示があったんだわ」
 なるほど、と驚きもせず、フリーデは話を聞いている。
「ヴィーが何か言ったの?」
 いいえ、とフリーデは首を横に振る。
「ただ、重い荷物の持ち主だから二人で支えていきたい、とお仰ってました」
「仰って……じゃなくて言っていた、でしょ」
「また姉妹ごっこですか?」
「ごっこじゃ無くて本当よ。私にはフリーデという素敵なお姉様がいるのよ」
「ちょっと、私は~?」
「カロリーネお姉様!」
「ヴィーの件が解決したんだから今度はこのお見合いの写真の件を解決して頂戴」
 今度はカロリーネお姉様の事件が待ち受けていた。
 疲れている間もないわ。私はそっとため息をついたのだった。


あとがき
血筋保存以外の目的がみつからない。ラストは決まった。だいたい。原始の海の解読もまだ。まぁ、羊水と言ってしまえば簡単だけど。タイムリープか。眠り姫の約束で一度したけれど。この手もあったわね。ちょっとやっと話が広がってきました。婚礼でさっさと終わるかと思ってました。竜のなんとかって薬がアトリエシリーズにあったような……。なにか考えよう。ここのところコリドラスパンダが感染症で。かといって薬はあまり使えない種なんです。なので規定量を入れれば亡くなってしまうという。ひじょーにコリドラスに薬を使うのはばくちもんなんです。なので経験者の意見を聞きながら治してるところです。しかし、元気に泳いでるところを見ると薬の薬効が切れたような…。明るいとだめなので夜投薬して丸一日たってます。加えていいのかどうかもわからず、明日お昼に聞いてきます。まだ治りきらないので。元ちゃん以外は治ってるんですが。明日も水草買って培養しよう。やっと仕事がまともに回り始めています。かなり早い時間に寝て(暗いとすることがない。薬は光に弱いので投薬した水槽にもつけられないし、部屋の電気も消したまま。で、昨日は疲れ切って更新お休みしました。すみません。

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