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Apsara conference 野村総研(北京)  「アリババクラウドで実現するエンタープライズデータマネジメント」書き起こし

スピーカー

野村総研(北京)系統集成有限公司 基盤ソリューション事業部      高級顧問 森川貴康

講演まとめ

・アリババクラウドを活用したクラウド活用ビジネス
・データマネジメントに関する領域の紹介
・データ活用の推進状況について
・POC実現にあたって重要なこと
・経営マネジメント層からのアプローチ
・テクノロジーからのアプローチ
・Dataworksについて
・データマネジメントを実現するポイント
・最後に

※全編の映像はこちらでご覧いただけます。
※こちらは2020年Apsara Conferenceで行われたプレゼンテーションを
  書き起こしたものです。


アリババクラウドを活用したクラウド活用ビジネス

NRI北京はアリババクラウドを活用した、「クラウド活用ビジネス」というのを推進しており、データマネジメントと言われる領域のサービスに関するお問い合わせを多く受けている2016年から、アリババクラウドを活用したビジネスを推進しているのですが、当時は「アリババクラウドのIaaS領域のサービスを活用して既存システムをどのように対応しているか」、「どのように変えていくか」というようなお問い合わせを多く受けておりました。

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一方で直近では、アリババクラウドに移行が終わったお客様を中心に
アリババクラウドのPaaS領域やSaaS領域、より高度なサービスを活用してビジネスあるいは企業のデジタル化を支援してほしい、という形でお問い合わせを多く受けております。

データマネジメントに関する領域の紹介

デジタル化に関しては多くのビジネスあるいは領域で幅広いテクノロジーを活用していくわけですけれども、本日は特にお問い合わせの多いデータマネジメントに関する領域のご紹介をしたいと思っております。

多くのお客様からこういった問い合わせを受けるひとつの背景としましては、私どもはビッグデータであったり、センターIT技術を活用している巨大プラットフォーマーの存在が大きいのかなという風に考えております。

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こちらに示しているのはアリババグループのエコシステムとなりますが、ご覧の通り様々な業種に様々な事業を展開している、事業が多角化されているような状況が伺えるかと思います。

ここで重要なのはそれらの事業に対して各事業ではデータとセンターIT技術、これはアリババクラウドが提供しているサービスと上手く組み合わせて事業を多角化しているわけですが、この事業で得たデータをアリババクラウドのプラットホームにフィードバックをして他の事業で活用していく、こういった形で事業間のシナジーを生み出している、というようなことが非常に上手い戦略だなという風に私どもはとらえております。

そうした市場の背景を受けて在中国日系企業のビジネスのあり方というのも大きく変化しているかなと考えております。

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例えば在中国日系企業の製造業様、製造業の本質として良いものを作って消費者に届ける、というようなところが非常に重要かなという風に思っております。

あるいは流通・小売業、お客様が必要としている商品をマッチングしていくというところに使命感をもってビジネスを展開されている方がいらっしゃいます。

一方でこれらの業種には多くの課題がありまして、製造業においてはプロダクトを一方向に供給するモデルには長けているけれども最終的な消費者はどのように利用しているのかどういうところで困っているのか消費者のリアルな声が聞こえてこない、消費者が見えてこない、ということが悩みだという風に多くのお客様からお問い合わせを受けております。

またプロダクトを供給していく中のチャネルの一つである流通小売業様においても、お客様が入店してきて購入していくところまでは顔が見えているけれどもその前後の顔が見えてこない、という形でお悩みの声を聞きます。

先ほどのような巨大プラットフォーマーの活動を通じて得た知見を活かして、よりデータを活用して個々人のニーズにより適合するようなものであったりとか、サービスを提供したい、そういった形でお客様により良い体験をしてもらいたいので何とかできないか、というような形でお問い合わせを受けることが多いです。

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製造業様におかれましては、特にアフターサポート領域付加サービスを提供していく中でデータを活用して何かをしたい、あるいは流通小売業様からはデジタルマーケティングと言われる領域のターゲットマーケティング、あるいは会員サービス、ロイヤルティを上げていきたいというところで既存のシステムをデータを活用する形で見直して、より良いサービスを提供していきたい、マーケティングを行いたいというような要望を頂いております。

こうしたビジネスのあり方が変化する中で情報システム部門からデータに関するお問い合わせを頂く機会も増えております。

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従来 情報システム部門がクラウドサービス、アリババクラウドを活用していく目的というのはいわゆるコスト削減だったりインフラ効果を乗り越えるための手段として特にIAAS領域のサービスを全面的に活動していきたいというような問い合わせを受けておりました。

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一方で昨今ではデータを統合していき、さらにひいては、事業の方にデータを活用していくための仕組み、システムを準備していきたいというようなお問い合わせを受けております。

こうした背景には先ほどのビジネスのあり方の変化を受けて各ビジネスあるいは事業部門からデータ分析を行いたいという要望からデータ分析をより高度に行っていくためには、あるいは活用していくためにはもっと多様なデータ、他の部門であったりとかこういったデータが必要だというような悩みが情報部門に寄せられているというようなことが背景としてございます。

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本日はデータアナリティクスという領域ではなく、データ統合ですね、データアナリティクスに関して言えばより業種を絞ったお話が必要になってくるんですけれども、このテーマでは少し幅を広げて、データ統合、アナリティクスのためのデータ統合という領域に絞ってデータマネジメント整備の活動を紹介していきたいという風に考えております。

データマネジメントという領域で活動を進めていくにあたってはどうしても企業にとって課題が挙げられております。

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大きな課題としてはIAAS領域においてアリババクラウドにマイグレーションをしたけれども、どうしてもそこのシステムがまだまだファイル化してしまっている、データが分断されている、というような課題が挙げられます。

企業のビジネスプロセスあるいはバリューチェーンの中で一人のお客様の対応をしていく中で、そうしたデータシステムあるいは情報共有が進まない中で、お客様に対するサービス提供がどうしてもちぐはぐになってしまっているというような状況は多く見受けられるのではないでしょうか。

そうした課題を解決するために一般的に市場で言われているデータハブであるとか、データ統合を実現するソリューションというのが幅広くございますがこうしたものを導入することを検討されているお客様もいます。

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一方でそうしたソリューション製品というのは非常に高価である、あるいは先ほど申し上げたとおりビジネスプロセスが変化していく中でどうしても変化・変更に弱いあるいはシステムに実装した上で、どうしても処理上のボトルネックになってしまう、あるいは信用する可用性であったり、信頼性の観点で実用に耐えないというような形で課題を抱えているお客様も非常に多く見受けられます。

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こうした課題を解決するために私ども、そしてアリババクラウドはデータマネジメントに関連したサービスを豊富に取り揃えているので、これらを活用することを推奨しますよ、という風に申し上げております。

一方でこれは技術的な側面でのお話でしかないという風に私どもは考えておりますが、データマネジメントを実現していく上では、それ以外にも組織的な課題があるということも分かってきております。

データ活用の推進状況について

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こちらはデータ活用の推進状況というものを示したものですが、これは日本国内の話になってしまいますが、全社的にデータを統合してビジネスに活用できている企業というのは全体の中で2割に限定されており、非常に他の企業においては全社的にデータを活用するというような状況にはできていないということが分かっております。

重要なのはその課題なんですけれどもこれらを実現するための課題として下に課題をあげていますが赤枠の部分をご覧ください。

例えばデータ分析活用のための体制、組織の整備であったり、経営層又は事業部門の理解・参画、データマネジメントの体制整備、技術がどうこうというよりも体制組織にも課題があるということが分かっております。

こうした状況を受けてNRI北京はこれまでの活動の経験を踏まえてデータマネジメントを整備していく、実現していくためにはテクノロジーの観点、そして経営マネジメント層からの関与・観点での活動の推進が必要です、というのを提唱しています。

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ここではいくつかの部門がデータを保持していて、それをテクノロジーを駆使してデータマネジメント基盤というところを集約して、そのデータを再び各部門で活用してもらうということを図示しておりますが、これは技術上やろうと思えば簡単にできてしまうことではあると思うんですけれども、一方でそれを活用してもらうための仕組みというのはどうしてもテクノロジー以外にも経営マネジメント層からデータ活用を推進していくこと、あるいはデータを活用、各部門で活用していく中でどうしても不足がある、あるいはもっとデータをこういう形式にしてほしい、こういうものがあればよりビジネスの活動に役立っていく、というものを要望していくということですね、これらを継続していくことでデータマネジメントというものの仕組みを強くして行ったり、そうした基板をより整備していくことが可能になるのですが、これに関しても繰り返しになりますが経営マネジメント層からのアプローチというのも非常に重要になっていくかなと思います。

そして当社ではデータマネジメント整備を行っていきたいと、考え方に賛同いただき実現していきたいというお客様に対してはいきなりプロジェクトをやりましょう、ということではなくてPOCで効果を検証してから徐々に拡大していきましょう、ということを提唱しております。

POC実現にあたって重要なこと

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先ほどのページで申し上げた通り、POCの実現にあたっての経営マネジメント層、テクノロジー、双方からのアプローチでPOCを企画していくことが重要だと考えております。

テクノロジーからのアプローチというところでは特に情報システム部門の方におかれましてはイメージがつきやすいと思いますが、どこにどういうデータベースがあるか、それらを統合していく方式をどうするか、そして集めて行くにはどのような接続方式があるのかというところを設計していくところ、というテクノロジーからのアプローチと全く別のアプローチで、経営マネジメント層からはそもそもデータを活用して今どういう風にビジネスを変革していきたいかというようなビジョンを明確化していくところ、あるいは少しルールを細かく検討していくためにデータ活用シナリオというものを策定していく、あるいはデータ収集、ここのデータ収集というのは、システム的にどこにあるというわけではなくて、このデータは誰がオーナーとしてどこにあるのかというところを整理した上でデータを収集していくこと、これら両方を持ち寄ってデータマネジメント、POCということを実行していき、さらに拡大フェーズでは先ほど申し上げたとおり、そこで収集したデータを拡充していく、そしてよりビジネスに役立つためにデータを整備していく、加工をしたり整備していくフェーズ、そしてビジネスを実行している方々にデータを活用することでよりビジネスを強化しましょう、ということで活用を促進していく。

これはですね、一巡して循環して展開していくことでデータマネジメント整備の拡大をしていきましょうと、こういう形でスモールスタートでデータマネジメントの整備をしていくことで私どもは成功率が上がると、重要だという風に考えております。

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先ほど申し上げた経営マネジメント層からのアプローチとテクノロジーからのアプローチというのをもう少し細かく中身をご説明していきたいという風に思っています。

経営マネジメント層からのアプローチ

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まず経営マネジメントからのアプローチという観点では私どものプロジェクトとして推奨しているのはまずデータ活用のビジョンを明確化しましょうと。

ここでは経営課題だったりビジョンというのを元に方針を策定していき、その方針を実現していくために実行してくための仮説、大まかな仮説であったりとか、その仮説を策定したり検証していくための検討タスクフォースというのを組織的にデザインしていきましょうと。

そして何よりも重要なのが経営層からこういった活動が大事であるという風に検討タスクフォースだったり、周辺部署に周知して行くところが非常に重要だと考えております。

そして次のフェーズではデータ活用でどのように活用していくかということを提示するシナリオを策定していくところにございますが、各事業部門から構成される検討タスクフォースの中で各事業部がとらえている顧客というのはそれぞれ違うものがあるかと思うんですけれども、そういった顧客の体験であるとか体験を変えるための業務にどのような変化を生むかというところで効用を合わせて定義していくというところが重要だという風に思っています。

その中で効用が大きいもの、お客様にとってより良いものというのを実行難易度と合わせて優先順位というのを策定していき、その優先順位が高いシナリオを実行するためにはどういったデータが必要なのかということをある程度明確にしていくことが必要だという風に考えております。

そして次のフェーズでは前フェーズで検討したデータを実際に集めていく、これは非常に難しいところがあるビジネスで必要なデータが他部門にある場合には、そのデータを収集してくるというところで組織の垣根を越えなくてはいけないのですごく大変なことなんですけれども、ここも先ほど申し上げたとおり経営層から活動承認を得ているというところでデータを融通してもらうための社内調整というのが非常にスムーズになっているかなと思っています。

こうしたデータを集めてくるところを通じて仮説と机上で成り立つかどうかを検証していくということが非常に重要かなと考えております。

ここで仮設の机上検証がうまくいき実際にデータを集めることができそうだ、実際にこれはお客様にとって良いことだということがある程度明らかになってきた段階で、POC活動を企画して、例えばアリババクラウドを活用してスモールスタートで立ち上げて行こうということで企画が動くかなという風に考えています。

重要なのは、これらのアクティビティというのはどうしても一つの部門あるいは情報システム部門が主導となってそこだけで立ち上げていくことは非常に難しいので、ここは経営層の理解も得ながら全社横断的な組織を通じて行なっていくというのが非常に良いんじゃないかと考えております。

テクノロジーからのアプローチ

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またテクノロジーからのアプローチなんですけれども、NRIではこうしたデータマネジメントを実現するためのリファレンスアーキテクチャというのを定義しております。

アリババクラウドは非常にデータに関連したサービスの急拡大と言いますか、急整備と言いますか、非常に増えているところからこれを適切に使いこなしていくというのは非常に難しくなってきているという事実がございます。

一方でお客様がデータマネジメントに対する要望、何を実現したいか、というところを噛み砕いて捉えていくと大まかにこのサービスとこのサービスを組み合わせることで実現ができるんだなっていうことも経験から分かってきております。

ここでは私どもはデータマネジメントの実行基盤として必要な機能としてはこの四つの機能、 収集・加工・蓄積・活用だという風に考えておりまして、ここにそれぞれどういうサービスを適用すればいいかというのを定義したものがリファレンス・アーキテクチャになります。

内容としましては企業のデータ資産というのは形式フォーマット種類が異なる、いわゆるバラバラなデータというのが点在している状況から、次に加工というフェーズではデータを集めてきて抽出・整形・集計・結合・統合、様々なことが必要になってくるとして、加工をしてデータが活用できるようにするために蓄積をして、事業部門に活用してもらう分析・可視化、他システム連携というところが大まかな工程だと考えておりまして、特にこの4工程を実現するキーとなるテクノロジーがDataworksだという風に考えておりまして、ここについては詳細を私の方からご説明したいと思っております。

Dataworksについて

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このDataworksなんですけれども先ほどデータ関連サービスがアリババクラウドにたくさんありますと申し上げましたが、これらを繋げるところに非常に強い機能を持っています。アリババクラウドにすでにマイグレーションしたお客様においてはデータを何らかのサービスを活用して各種サービスに格納したりしております。

例えばデータベースシステムあるいはビッグデータサービス、あるいはフラットデータをそのままストレージサービスに格納しています、というようなお客様がいますがDataworksというのは、このアリババクラウド上のデータを複数のサービスと連携しながら、収集あるいは既存のデータセンターに専用線がいきますよというお客様、あるいはインターネット経由、インターネットvpn経由でデータを取ってくる、というところにも非常に優れた機能を持っておりまして、データを収集してくるところ、そして加工というフェーズではアリババクラウドネットワークスにおいてはGUI形式でフローチャートを作成しながら、プログラミングを極小化しながらデータを加工していくような、そういうデザインしていくような仕組みが提供されておりまして、高い生産性でデータの加工というの定義していきます。そして蓄積・公開というフェーズではDataworksから先ほど申し上げたような豊富なデータ関連サービスに繋げていくことができます。

例えばQuick BI、アリババクラウドのBIサービスあるいはデータビジュアライゼーションを実現するData Vというサービス、ビックデータソリューションサービスであるMax computeその他にも私どもも特に強く推奨しているのがAPIとして社内に公開していること、一度収集加工したデータをAPI Gatewayというサービスがございますが、それらのサービスを通じてエリアへと通じて各事業に展開していくというようなことを私どもは推奨しております。

先ほど申し上げたとおり、このような仕組みを実現しようと思うと非常に高価な製品だったり、プロダクトを購入しなければならなかった従来に変わって、アリババクラウドのDataworksあるいはこれらのサービスを組み合わせることで非常に低価格で導入することを実現することができます。

POCであったりスモールスタートというキーワードと非常にマッチするということで私どもはこのアリババクラウドDataWorksおよび周辺サービスキーテクノロジーとして提示して、お客様に強く活用を推奨しております。データマネジメントの実現にあたっては機能面でデータを収集するであったり、加工する、展開してくるということを申し上げましたが、これ以外にもデータマネジメントを実現していくためには多くのディスカッションだったり検討しなくてはいけないポイントがございます。

データマネジメントを実現するポイント

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私どもはデータマネジメントを実現する基盤としては8つの議論のポイント、そしてデータを活用していくことを促進していくためには2つの検討ポイントがあるという風に考えております。

中央にデータマネジメント基盤を示した機能を示したものがあるんですけども、1番から6番までは前のページで示した収集から活用までのところを示しておりますが、これ以外にも誰がどういう風にデータを使っていくかということを提示したデータ権限の管理であったりとか、あるいは事業部門にデータを展開していくときにこれらのデータは特にインターフェース5番6番のところをどのように活用していくかというところを定義し、データカタログの整備・配布というのが必要になってきます。

そして先ほども申し上げましたがデータマネジメントというのはこうした基盤を作ることが重要ではなくて、むしろそれのデータを活用してもらうところ、あるいはそれをデータソースを拡充していくところ、このサイクルで強くデータマネジメントの仕組みを強くしていくことが大事だと申し上げました。

なのでこの7番8番という活動、そして9番10番という活動も非常に重要であることがわかってきております。

またこうしたデータマネジメントを実現していく中でどうしても組織あるいは体制の中でどういった役割分担、責任範囲があるのか、考えられるのかという所で非常にディスカッションが盛んになっております。

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私どものいくつかの案件を通じて得た経験の中ではここで図示しているような役割分担、利害関係、責任範囲のデザインが適切なのではないかなという風に考えております。

データ管理組織というのは先ほど申し上げたような、Dataworksを活用したようなデータマネジメント基盤というのを持ってデータマネジメント整備管理していくというところに責任を持っておりまして、そこで蓄積されたデータをデータ活用組織事業部門に、各種適切なインターフェースを通じて公開していくといったところに責任を持っているとデータ活用組織はそれらのデータを取得してビジネスをより強くしていく、ビジネス活動を推進していく、そしてそこで得たビジネスデータというのをデータマネジメント基盤に還元していく、この辺りがデータ活用組織としての責任であったり役割なのかなという風に考えております。

先ほど申し上げたとおりデータ活用組織がよりデータを活用していくためにはデータ管理組織からデータカタログ、どれにデータを使うのかということを定義して広く公開していくことが非常に大切だと思っています。

またここに課金システムという言葉を少し書かせていただきましたが、データを公開する時にこのデータを使うと1件あたりいくらというようなことを適切に定義してこのデータマネジメント基盤に一つ、収益性という考え方で社内で運営していくことをデータ管理組織に求めていくことが非常に重要だという風に考えております。

これをすると何が起きるかというとデータ活用組織には、当然ビジネスを推進している方は収益・事業収支をすごく意識してる中でデータをいくらで仕入れてビジネス活動を強くして、収益をより強化していくということに意識がありますので、コスト意識が働いていく中でデータ管理組織に対する要望・用件というのも非常に強くなっていきます。

先ほど申し上げた通り、データマネジメントを強くしていくためにはこうした活用者からの要望というのも非常に重要だと考えておりますし、実際にデータ活用に関して課金をするということでデータ管理組織も、データ活用組織の方々にサービスを提供している、という意識が芽生えてデータマネジメントをきちんと整備していく、とこういう意識が生まれてくるかなという風に考えております。

こうした組織のデザインが関わってきますので先ほど申し上げたようなアリババクラウドのこのサービスを使えばデータマネジメントが実現できるというところ以外にも経営マネジメントからの関与だったり、こういった組織の役割分担というのが非常に重要なのかなと思っておりまして、こうしたものが両輪で存在することが非常に重要だと考えております。

最後に

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本日のまとめになりますが、ビジネスモデルプロセスというのはお客様の中で非常に大きく変革してきている時期なのかなという風に考えておりまして、その中でデータ活用それを実現するためのデータマネジメントの必要性が十分に高まってきているという風に考えております。

データマネジメントの実現には今申し上げたように、テクノロジーマネジメント層からのアプローチが必要だと考えております。

アリババクラウドを活用することでデータマネジメントをスモールスタートで実現して強化していくというアプローチが取れるので非常に私どもはこういったサービスの活用というのを推奨しております。

本日のデータマネジメントの整備のアプローチに共感いただけた方におかれましては、私どもにお問い合わせを頂けたらという風に考えています。

データマネジメントに関してはどうしてもお客様のビジネスとすごく密接な領域になってきますので本日詳細をお話しすることはできませんでしたが個別のご相談等頂けましたらより詳細な情報などを提供できたらいいなという風に考えております。

また本日はデータマネジメントの領域について講演をさせていただきましたが、他にもアリババクラウドの多種多様なサービスを活用したデジタル化のテーマにも注力しておりますので、そうしたクラウド活用に関する幅広いお問い合わせはこちらの窓口まで頂けたらと思っております。

本日はご清聴くださりありがとうございました。


※全編の映像はこちらでご覧いただけます。
※こちらは2020年Apsara Conferenceで行われたプレゼンテーションを
  書き起こしたものです。