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無医地区でのオンライン診療の一形態〜郵便局を舞台に〜

はじめに
 日本の地方部では、高齢化と人口減少が進む中、医療機関へのアクセスが課題となっています。住民は診療を受けるために長距離を移動しなければならず、特に高齢者にとってはそれが大きな負担となっています。そんな中、DXによる新しい解決策をニュースで見つけたので、今回はこれについて書いていこうと思います。

舞台は郵便局
 私が見たのは、山口県周南市での取り組みです。同市は、無医地区の郵便局に診察室を開設し、オンライン診療を始めるそうです。考えてみれば、郵便局は国内ならどんな田舎にも1つはあるものですから、これは、テクノロジーと既存のインフラを上手く組み合わせた、DXの見本とも言える取り組みだと思います。

 なお、今回の取り組みの背景には、国の規制緩和により郵便局でのオンライン診療が可能になった、というものがありますので、それを念頭に以下をお読みください。

取り組みの詳細
 この形態の最大の特徴は、患者の利便性に焦点を当てている点です。高齢者は特に通信機器の操作に不慣れだったり敬遠する方が多いですが、この取り組みでは、いつもの郵便局でいつもの局員さんのサポートを受けられるため、安心して診療を受けることができます。さらに、診察費や薬代の支払いも窓口で行えるようにすることで、患者さんの手間と気重感を最小限に抑えています。

 田舎の郵便局の局員さんは、周囲の住民と顔馴染みのことが多いですから、オンライン診療というハードルを前にした患者さん(おそらく多くは高齢者)は、より安心感を抱くと思います。

 また、このDX導入、オンライン診療にリアル診療を組み合わせることで、より患者さんが安心できる仕組みを作るようです。月に1回は医師が直接出向いて対面診療してくれるとか。これなら患者さんの安心感は更に高まります。

 注目すべきは、リアル診療をするお医者さんが、かつてこの地域で医院を営んでいた医師のお孫さんであり、地域医療への強い使命感を持って着任しているということ。地域に愛着もあるでしょうし、患者さん達側からみても安心感が増しそうです。

 とまれ、郵便局を使うという着眼点、医療過疎地域における医療サービスモデルとして、全国的に注目されるべきだと思います。

当該取り組みの課題
 しかし、課題もあります。安定したインターネット環境の確保や、オンライン診療に対する患者さんやサポートする局員さんの気後れなどの心理的障壁なども考えられますし、緊急時の対応や、オンラインでは難しい診察をどのように補完していくかも、今後検討が必要でしょう。

 また、今回の地域の担当医師が今後増えるかも大きな課題になると思います。1人の医師の熱意に頼った制度では早晩破綻してしまうでしょう。

 今回のケースをテストケースとして、国や自治体は医療機関も巻き込んで取り組まなければいけないと思います。

まとめ
 それでも、この取り組みが成功すれば、地方の医療問題に一石を投じることになるでしょう。DXの力を借りて、地域の既存資源を最大限に活用し、住民のニーズに寄り添った医療サービスを提供する。エフェクチュエーション的要素もあり、今後の動向を注視したいと思います。

 そして、今後過疎化が進むのは確実ななか、限られた予算の中でどこまで過疎化地域に寄り添えるか、オンライン診療を進めるのが良いのか、遠い医療機関への送迎サポートなど、地域から医療機関を引き上げる方向に進むべきなのか。シビアですが先送りには出来ない問題だと思います。

オマケ
 今回もGPT4oにイラストを頼みましたが、何度書き直してもらっても、ネット検索してもらっても、どーーーしても郵便局マークが出せませんでした。今回使用したイラストの謎マークが、一番郵便局マークに近かった、、謎です、、
 
 毎回、自信満々に「郵便局マーク、今回は正確にイラストに入れました!」と出してくるGPT4o、めげないヤツです 笑

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