読書が好きな薬局経営者

徒然なるままに日々の出来事や気づきを投稿していますー。

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最近の記事

新しい発想は多様な制約条件の中で生まれる 〜〇〇さんが急に退職してしまう!?〜

「社員の〇〇さんが急に退職することになったそうです。」 「今の人員でも余裕がないのに、そこにもう一人減るなんて、このままではやっていけません。」 薬局経営していれば、このような不測の事態は起こり得るものです。 また、 「上からの指示で、施設在宅を1件応需することになった。今の人員でもいっぱいいっぱいなのに・・・。」 「同じ店舗で働く〇〇さんが、別店舗に異動になった。うちの店舗だって、人が足りているわけではないのに・・・。」 このように何らかの原因により、現場の負担が増え

    • 意味への意志 〜社員のモチベーションを上げるためには〜

      人間は意味を求める存在であるそうです。 だから、人間にとって一番きついのは、日々の生活に意味が感じられなくなったときだそうです。 そこで社員のモチベーションを上げるためには、日々の仕事をいかに意味づけられるかということが大事になります。 誰でも自分の仕事に、ある程度の意味を感じていますが、一方でそれは、多くの場合に、「いくら儲かるか?」というような金銭報酬による意味づけや、高収入ではないけれど、安定した仕事なので生活の安定が保障されるというような意味づけによって働いています

      • 新人教育では教えすぎてはいけない!?

        とあるアメリカの研究所によると、人の成長を決める要因の70%が直接経験であり、他者を観察したり、アドバイスをもらったりが20%、残りの10%が読書や研修からであるそうです。 直接経験こそが、成長の大きな源泉と言えます。 人は、具体的な経験をし、その内容を振り返って、得られた教訓を得て、それをまた新たな状況に適用するということを繰り返すことで成長するものです。 また、そもそも知識というのは、人から人へ移転されるものではありません。 ノウイングと言って、人は他人の知識や書物の

        • 診療報酬と介護報酬の同時改定について

          一般的に、介護施設に入所すれば、介護費は在宅でのそれを上回ることでしょう。 ただ、医療費はどうでしょうか? 施設介護と在宅介護において、医療費に違いは出るのでしょうか? ここで、施設介護と在宅介護に関わるコストを、医療費まで含めて分析したオランダの2020年の研究をご紹介します。 研究によれば、介護費のみの場合、施設での介護費が在宅でのそれを上回ったが、医療費も含めた総額で見ると、両者はほぼ同じだったとのことです。 在宅介護の利用者の方が入院する割合が高く、医療費の増加が介

        新しい発想は多様な制約条件の中で生まれる 〜〇〇さんが急に退職してしまう!?〜

          組織が成長するということ 〜「仕事終わりの飲み会」が果たしてきた役割について〜

          どんな人であれ、経験や勘に基づく知識で、且つ言語化されていないものを心の中に秘めているものと思います。 それを暗黙知と言います。 組織がボトムアップで学習し、成長していくためには、従業員一人一人が抱えている暗黙知を組織に落とし込んだり、そこから新たな知を創造したりするプロセスが必要です。 そのためには先ず、そういった暗黙知を共有できる場の創造が重要です。 個人の行動様式やそのベースにある知恵、メンタルモデルを、他者と共通の時間を過ごしたり、空間をシェアしたりすることを通して

          組織が成長するということ 〜「仕事終わりの飲み会」が果たしてきた役割について〜

          薬剤師や調剤事務が、自身の給料を増やす方法 〜経営者との健全な闘いを通して〜

          企業に属する薬剤師や調剤事務が、その企業内での給料を増やすためには、どうすれば良いのでしょうか? それを知るためには、先ず経営者が従業員に対して、どのようにして給料の額を決定しているのかを知る必要があります。 多くの経営者は、ある従業員の持つ能力がどれほど代替不可能か、ということに基づいて給料の額を決定します。 多くの社員が1分間で牛丼を5杯作ることができるとき、同じ時間で牛丼10杯を作れるAさんの給料は、他の社員より高くなる傾向があります。 それは、牛丼10杯を作ること

          薬剤師や調剤事務が、自身の給料を増やす方法 〜経営者との健全な闘いを通して〜

          なぜ花粉症の薬は、発症前から服用した方が良いのか?

          花粉症の薬(抗ヒスタミン剤)は、発症してから服用を開始するのではなく、発症前から服用を開始した方が効果的とされています。 その理由について解説します。 一般的に、受容体というものは、アゴニストが結合してはじめて、シグナル伝達が生じ,情報が伝わるものと考えられいます。 しかしながら、ヒスタミン受容体の場合、アゴニストであるヒスタミンが存在しなくても、ヒスタミン受容体が多く発現している状況下では、反応が伝わることが明らかとなっています。 このように、ヒスタミン存在していないにも

          なぜ花粉症の薬は、発症前から服用した方が良いのか?

          重症心不全患者の薬物動態 〜健康成人との違い〜

          重症心不全患者では、薬物動態が健康成人とは異なっています。 重症心不全患者では、心臓のポンプ機能の低下によって、腸管の虚血が生じ、蠕動運動が低下したり、消化管うっ血による腸管浮腫がある場合には、経口薬の吸収率が低下します。 分布容積にしても、各臓器が虚血状態に陥れば、薬物の組織移行性が低下するために減少します。 肝うっ血や肝血流量が低下すれば、アルブミンの合成能が減少するので、蛋白結合率の高い薬剤はフリーで存在する割合が増えます。 代謝にしても、肝血流量が低下するため、

          重症心不全患者の薬物動態 〜健康成人との違い〜

          薬局が在庫を絞らなければならない理由 〜会計学の知識を踏まえて〜

          薬局を経営する上で知っておくべき会計学の知識が3つあります。 ①ある時点(決算など)で会社がどれだけの資産を保有しているのか ②ある一定期間(例えば1年間)の会社の損益 ③キャッシュフロー(現金の動き) このうち②と③について少し解説いたします。 先ず、損益計算の場合、「販売や費用が発生した」、のように実態に基づいた事業活動を表しているので、損益と現金の増減が一致しません。 例えば5月の調剤売上が100万円の場合、損益計算上は5月度の売上高に100万円が計上されますが、診

          薬局が在庫を絞らなければならない理由 〜会計学の知識を踏まえて〜

          認知症患者のアドヒアランスを向上させる「構造化」というアプローチ

          自閉症の子どもに対する支援として、「構造化」というアプローチがあります。 構造化とは、主に「時間の構造化」、「空間の構造化」、「手続きの構造化」の3つに分けられます。 この内の「手続きの構造化」というアプローチが、認知症患者のアドヒアランスを高めるために役立つことがあるのです。 先ず、自閉症の子どもが不安に襲われたり、イライラを感じたりするのには、多くに場合、先の見通しが立たないことに起因します。 「手続きの構造化」とは、例えば「朝起きたら歯を磨く」とか、「寝る前にはトイレ

          認知症患者のアドヒアランスを向上させる「構造化」というアプローチ

          経営者の仕事とは 〜新入社員や中堅社員のそれとの違い〜

          ここに3つの問題があるとします。 ①5+3=x ② x+ y =8 ③ x+ y =z それぞれの問題を仕事に例えるとするならば、①は定型業務になります。 求められる答えはあらかじめ決まっていて、任される者はその作業の処理能力を高めていかなければなりません。 この種の仕事は誰がやっても同じ答えになるので、創造性は必要なく、とにかく正確に、効率よくこなしていけば良いのです。 多くは1,2年目の社員が与えられる仕事です。 次に、②は「8」という与えられた目標に対して、どうす

          経営者の仕事とは 〜新入社員や中堅社員のそれとの違い〜