認知症患者のアドヒアランスを向上させる「構造化」というアプローチ

自閉症の子どもに対する支援として、「構造化」というアプローチがあります。
構造化とは、主に「時間の構造化」、「空間の構造化」、「手続きの構造化」の3つに分けられます。
この内の「手続きの構造化」というアプローチが、認知症患者のアドヒアランスを高めるために役立つことがあるのです。

先ず、自閉症の子どもが不安に襲われたり、イライラを感じたりするのには、多くに場合、先の見通しが立たないことに起因します。
「手続きの構造化」とは、例えば「朝起きたら歯を磨く」とか、「寝る前にはトイレを済ます」とか、「学校から帰ったら手を洗う」のような、日常生活のルーティンとなっているような、手続きを文字やイラスト、写真などを用いて提示する(つまり構造化する)ことで、親が「毎日同じことを何度も言う」ことを避け、子どもが自分で考えて、気づいて行動することを促すことに繋がります。

自閉症の子どもは、周囲の情報を整理して取り入れることが難しく、不安や混乱に陥りやすいのですが、これは高齢者の認知症にも同様のことが言えます。

したがって、「ご飯を食べたら、薬を飲む」のような手続きの構造化を文字やイラストを交えて提示し、それをいつも食事をとる決まった場所に置くことで、患者が自分で考えて、気づいて行動をすることを促し、結果アドヒアランスが改善されるということがあるのです。

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