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VIO脱毛に行ったら、ムダ毛の概念覆された話。

日本の女の一生の半分は毛との戦いといっても過言ではない

日本を代表するコラムニスト、カレー沢薫が著書「猥談ひとり旅」の中で放った言葉である。

本当に、過言ではない。

夏場なんて二日に一回はせっせと処理をしなければ、半袖の隙間から、サンダルの足指から、大きく空いた背中から、もう至る所からコンニチハ状態である。その点冬は本当に楽だ。二日に一回どころか、下手したら一か月以上放置プレーなので、毛も生き生きと伸び放題、夏に抑制されていた分、心なしか前年よりも濃くたくましく伸びるのだ。

そんな現実に相反し、日本の男性諸君は残念ながら女=毛が生えないという誤った神話に洗脳されているため、女にとっては非常に生きにくい社会となっているのが実情である。

そんな世相に勝機を見出したのが、脱毛サロン業界だ。

私は女性専用車両で通勤しているが、社内のほとんどの広告が脱毛サロンのものなのである。

飛び込んでくるのは、

キラめく素肌で、進め女のコ

恋も、遊びも、キレイモ

そのつり革、ノースリーブで掴めますか

などなど、もはや女は肌がきれいじゃないと恋も遊びもできない、ましてやつり革も掴んじゃいけないとでも言っているかのようだ。これはもうファブリーズのCM並みの脅迫、洗脳といっても過言ではない。

最近だと、男性向けの広告すらも多く見かけるようになった。

男の身だしなみはヒゲ脱毛から

男のデザイン脱毛 かっこよく清涼感のある男性へ

脱毛は、スキンケアの一つです

もう、「脱毛」の概念を覆そうと必死の形相である。


こんな広告を、毎日毎日、満員電車に揺られながらぼーっと見ていると、やっぱり洗脳されるものである。


気付いたら、湘南美容外科のベッドの上で股をおっぴろげてVIO脱毛を受けていた。

もう羞恥心なんて関係ない。キレイにならなきゃ、ケツ毛なんて言語道断!その一心で恥を捨てて股を広げる。さぁ!私のVIOを好きにしておくれ!

・・・と、自分に言い聞かせても、やはりあそこの毛をまじまじと見られ、手で弄ばれるのは恥ずかしいものである。剃り残しがあろうものなら「んん~、毛が残ってしまってますけど、どうします?」というこの世で一番恥ずかしいQ&Aが繰り広げられるのである。

特にVIOなんか自己処理の最大の難所で、鏡の前で股広げて剃刀でちまちまやるわけだが、アソコの毛は手ごわく、ちょっと古い剃刀でやろうものなら毛が引っかかるし、体勢もキツイしで、多少の流血と腰痛は覚悟である。

というこで傷だらけのアソコをひっさげた私は、湘南美容外科のベッドの上で今か今かとあの悪魔の質問を待ち構えていたわけだが、看護師さんから出てきたのは、なんとも予想だにしないおしゃれなワードであった。

「Vラインの下のほうはデザインを残されていますが、このままでよろしいですね」

デ、、デザイン、、、?

なんのことを言っているのか一瞬ポカーンとするも、そういえば予約する前Vラインについてググってみたら、四角やオーバル、ハートなんて形も推奨されていた。私はパイパンにする勇気はないので下部を少々残しておいたのだが、確かにVラインの剃り残し=デザインという呼び名もおしゃれでいいのではないか!

看護師さんは、デザイン部分を残し手際よく照射していく。心配していた痛みも全く感じず、続いてIラインへ。

ここでもあの魔法の言葉が!

「Iラインのほうも、キワの当たりがデザイン残っていますね~。Iラインやられる方はほとんど全て処理されますが、デザイン残されますか?」

私「いいえ、デザイン残しません

「かしこまりました。では剃っていきます。剃った後デザイン確認していただきます。」

そう言うと手慣れた手つきで私のアソコを縦横引っ張りキワキワまで剃っていく。

「終わりました、デザインの確認お願いします。」

私はいわれるがまま、アソコをのぞき込む。

・・・デザインも何も、そこにあるのはキレイに伐採されたアソコである。

恥ずかしすぎて確認もそこそこに、私はまた仰向けになった。Iラインの照射も全く痛みを感じなかった。

ラストはOラインである。

うつ伏せになってくれとのことなので、指示に従う。

「では、状態確認しますね~」

看護師は躊躇なく私のお尻の割れ目を左右に引っ張る。

「あ~ちょっとお尻の上部にデザイン残ってますね~、剃っちゃいますね」

そういうと看護師は再び慣れた手つきで私のデザインを華麗に剃り上げた。

Oラインの照射も例によって痛みを全く感じなかったのは、デザインという言葉の神秘性に取りつかれていたからかもしれない。



家に帰ってさっそく「design」をOxfordDictionaryでひいてみると、4番目くらいに”​ an arrangement of lines and shapes as a decoration"と記載があった。

そうか、ムダ毛はムダなんかじゃない、"デコレーション"なのだ。

女だって、男だって、人それぞれ個性的なデコレーションがあっていいんじゃない?


結論

湘南美容外科におけるVIO脱毛は全く痛みを感じないうえ、脱毛における最大の羞恥である"剃り残し"も、"デザイン"という新たな概念としてとらえ、脱毛業界に新たな旋風を巻き起こしつつある。

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