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月末の棚卸し


在庫管理は奥深い

毎月、月末は棚卸を行い、在庫の確認をしている。
在庫管理はとても奥深い。
より早く、より正確に!
という思いで取り組んでいるものの、なかなか上手くいかないのが実情だ。
当社が取り扱っているのは金属原料のため、重量で管理するしかない。
形が決まっていて、個数でカウントできたらいいのに、と無いものねだりをしてしまう。それはそれで別の苦労があるだろう。

利益の計算は意外と難しい

簿記の知識がある方なら分かってもらえると思うが、利益計算をするには、在庫金額をちゃんとつかんでおく必要がある。
ここで言う利益とは
『売上総利益』いわゆる『粗利』と呼ばれるものだ。
卸売や小売のビジネスモデルは、
モノを仕入れて売る
それだけだ。
売上から仕入を引いたものが利益、と言いたいが、それでは実態を正確に表すことができない。
その日に仕入れて、その日に全て売り切ることができれば売上−仕入を粗利と呼ぶことはできるが、そんなビジネスはほぼない。
売上総利益の計算式は下記の通りで、対象とする期間の初日と末日の棚卸の金額が必要となる。

  • 売上総利益=売上−売上原価

  • 売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

言いたいことは、正確に利益を算出するのは意外と難しいものなのだ。
棚卸の精度が低いと利益の数値の信頼性が低くなる。

経営に大きく影響する

売上総利益から一般管理費を引いたものが営業利益になる。
営業利益から営業外の利益・損失を加減したものが経常利益になる。
最終的には税金の額にも影響が出てくる。
棚卸の精度は会社の経営に大きく影響する。
何年も前に、仕入品がさばけず、在庫が積みあがってしまったことがあった。しかも仕入品を選別して保管しているため、在庫品の数量や単価があやふやな状態になってしまったことがあった。この時は、計算上、利益が出ていても、儲かっている気はしないし、もしかして本当は赤字かもしれないとか不安に感じることが多かった。
ここ数年で在庫品をきちんとカウントできるようになり、利益計算の信頼性も上がってきたと思う。
とはいえ、まだまだ不十分なところも多々ある。
在庫管理は大きな経営課題だ。

意外とみんなやれてない

経営勉強会のメンバーと情報交換することがあるが、意外と皆さん、棚卸がやれていないというのが私の実感だ。
在庫を抱える必要のない士業やIT系はともかく、物販業や製造業において棚卸をやらないとホントに儲かってるかどうかの把握すらできない。経営者本人が現場に入り浸っていると、管理業務がおざなりになりやすいのだろう。
現状把握ができなければ、適切な手を打つことはできない。
税理士は会計の計算はやってくれるが、その元となるデータは自分たちで用意するしかない。税理士は在庫管理のプロではない。計算ができるだけだ。
経営者自身、基本的な会計の知識を理解しておくべきなのは言うまでもない。
私自身は工学系を専攻していたので、会計の知識はもともとなかったが、父の会社に入社するにあたり、まずは簿記を学ぶように言われた。これは非常にありがたかった。とても重要な知識なので、義務教育にいれたほうが良いと思っている。


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