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CREATIVE COLLECTION CReCo! 肌をどうするか!

参考写真

ストロボライティング ポートレイト編をやっていて、レタッチについて考えた。
全く何もしないと、できたばかりのニキビとか、顔中そばかすだらけだとか、
世界を止めてしまう、カメラは肉眼以上に目立たせる。

現実は動いているわけで、どんな肌も生きている。
でも写真は、そんな今日できたニキビや吹き出物をわざわざ写真のテーマにしてくれる。
だから
そういうものは、消す。
なぜならその痕跡は永遠じゃないからだ。
だいたい肉眼では凝視しなければわからない。

今やレタッチャーは、カメラマンよりスターらしい。
その呼び名自体は、はるか太平洋戦後の新聞の世界にすでに生息していた。

1954年の毎日グラフに、レタッチャーの仕事として、
カリスマ10名ぐらいが紹介されていた。皆絵描き出身だ。
新聞の印刷の精度がよくないため、彼らが直した。まあ、絵を描いた。

広告で、カラーポスターがさかんになると、印刷会社の製販者のなかに神業がいた。
そして1980年代ぐらいから、印刷はデジタル化した。
印刷会社のなかに、今に続くまで、肌を整える技術者がいる。
だからカメラマンは安心して美しいポジを制作することに、心血を注いだ。
あとは印刷会社が仕上げてくれた。

写真家がフィニッシュまでかかわれるのは、
モノクロプリントだった。そのうち、ネガカラー、ニューカラーになりカラー写真も、自分でコントロールできるようになった。
見な自己流だったが。

デジタルになり、フォトショップでなんでも思い通りにできるようになった。
すると外野がうるさい。
このニキビを撮れ、肌の荒れを消せ。無知なマネージャー氏がわがタレントを守るため。

マネキン結構。現実の肌の質感なんて、だーれも求めちゃいない。らしい。

だから、あれもつるつる。これもつるつる。
かってに顔をつるつるされて、意識ある外国の女優は怒ったらしい。
ナチュラル信仰。それはそれでもこまったさんだが。

もちろん現実の肌の質感なんてものは絶対ではない。

どんな美しいご婦人も、虫眼鏡でみれば吹きでものも、肌荒れしわもある。
柔らかな光で見れば、肌はおだやか。
がちがちの光だと肌はささくれ、ひびわれた湖沼の芸術。

だから真実の色彩なんて存在しないのと同じで、真実の皮膚感は存在しない。

観察する地点で、
違うからだ。それと愛があるかないか。
美なんて、感情的で、相対的なものだ。

だからなんだっていいのだけれど、現実は違う。

9月20日日曜日 またまた、ストロボポートレイトライティングを開催予定です。
申込サイトができたら、お知らせします。

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