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11年前に撮った写真は、古いか新しいのか?

2012年8月25日にアイルランド南西部の田舎道。80キロぐらいの猛スピードでこの狭い田舎道を激走する、木材満載のトラック。11年まえとは、僕にとってはちょっと前のこと、若い人にはずいぶん前の話だろう。時間とは相対的なもので、写真は時間を刻むようにの残される。今回の写真展古い写真は1972年の写真だ。写真集には1967年の冬に撮った写真まで入っている。では最新の写真はと言われる2014年ぐらいか。そのあたり写真はまだ完全に作品としてはセレクトしていないので、これからたくさんでてくる。僕は2009年からテレビ朝日、Canon提供の「世界の街道をゆく」のムービーとスチールを2017年まで撮っていた。その後体を壊し、回復、そしてコロナとあまり僕に限らず、積極的に活動することはなかった。それでもその間、六本木にあったBar山崎で2回、赤坂に写ったやはりBar山崎で沢田研二の写真展と開催した。

2012年8月25日 アイルランド


その間考えた、横木安良夫の写真は何かということ。
結局そのこたえのひとつが今回の写真展だ。
それは、時代も場所もミックスすること。スナップもポートレイトも、セットアップした写真も等価にあつかうこと。
それは長い時間かけて写真を撮っている写真家の特権かもしれない。
今後もさまざまなバージョンで発表してゆくつもりだ。

今回のDMの写真、前回も書いた方、時間のモンタージュ写真だ。
約1秒間の出来事を、3点の写真で一つの空間にステッチしている。
トラックも、ジョギングする女性も、撮影する車の助手席の僕もそのどれもが動いている。スピードはクルマ80キロぐらい。前のトラックは荷物満載のまま狂ったように走ってた。
ジョギングする女性は何キロぐらいだろう。時計を見る手は動かず、その間の足の運びと、髪の毛のゆらぎは写っている。
カメラは、キヤノンEOS5DmarkⅡに、200mmf2.8
暴走トラックを撮っていいる最中、そこに路肩の左側にはジョギングする女性。その部分はやや広くなっているが、それまでは生垣に囲まれた狭い道路。そこを彼女は走ってきたのだ。突然現れた女性に素早く反応し、連写。トラックをとっていなければ、絶対に撮れない写真だ。それはあくまで偶然のできごとだ。
僕に計画性はない。スナップする僕のいつもの日常だろう。

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