トレーニングの4ステップーお店で期待を超えるサービスを浸透させる方法
先日訪れたある飲食店でのこと。
うっかり箸を落としてしまったので、呼び鈴を鳴らして店員さんを呼んだ。
すると驚いたことに店員さんが箸を持って現れたのだ。
「え、なんでわかったんですか?」
「お箸を落とす音が聞こえましたので。」
ナイフやフォークをガシャーンと落としたのと違って箸を落とした時は僅かな音しかしなかった。
しかも割と奥まった座席だったので尚更驚いた。
その店員さん個人の力量なのか、そういう教育が店として行われているのかはわからないが、こういうちょっとした気遣いや期待を超えるサービスをいかに全従業員に浸透させるか、というのは飲食店やサービス業の経営者共通の悩みだろう。
ではどうやって教育していけば良いのだろうか?
スターバックスではかつてトレーニングのステップとして、
話す → やって見せる → やってもらう → フィードバックする
というシンプルな4ステップを行っていた。
①話す
そうするとこの意味や目的を話し、理解してもらう。
会社の理念やサービス内容と一貫性があるほど納得感は高まる。
②やって見せる
店長や先輩社員が手本を示す。実際にやって見せる。
最近は動画でベストの内容を全員が見られるようにしているところも多い。
③やってもらう
今度は本人にやってもらう。難しい仕事になるほど、なるべくリスクの少ない場面で。
④フィードバックする
良い行動を褒め、さらにその行動をとることを促す「行動強化のフィードバック」と、誤った行動を指摘し、正しい行動を促す「行動是正のフィードバック」、この2つのフィードバックを行う。また、理念や行動指針、目指すサービスにそった行動をとった社員をお互いに表彰し合う仕組みなどもフィードバックになりうる。
さらには定期的な評価やそれに基づく報酬も広義のフィードバックにはなるだろう。
こうしたステップを通じて各店舗においてスタッフが自発的にお客様の期待を超えるサービスを提供することが浸透していっていた。
この4ステップのうち、①で理念だけを毎日唱和させていたり、説明もフィードバックもなく、ただひたすら③のやらせるだけになっていたりする会社は多い。
トレーニングの4ステップが企業のOSとしてインストールされていることが大事であり、これがないとどんなアプリを載せようにも動かない。
お客様に期待を超えるサービスを提供しようと思ったら、まずは社員に対するトレーニングの型ともいえる4ステップをしっかりと浸透させることが大切だ。
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