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素人小説にお金を払って読みに来る人なんていない

素人が書いた小説にお金を払ってまで読みに来る人ってなかなかいないと思う。だって、私がそうだから。面白いという確証を得られないものに、お金と時間を使うってどれだけの聖人君子なんだろうと思ってしまう。

けれど、きっと例外ってあるんだろうね。
例えば、このnoteのようなプラットフォームで小出しに作品を発表してゆく。五分もせずに読めるくらいちょっとずつちょっとずつ。

ビジュアルに訴えるというのもいいかもしれない。挿絵とか写真とかをふんだんに使って。

毎日コンスタントに作品を投稿していけば、きっと自分と感性の似ている読者に見つけてもらえるかもしれない。応援してもらえるかもしれない。

でも、私は分かってる。
これってすごく長い道のり。積み重ねて積み重ねて土台をしっかりと作って、読んでくれたり応援してくれた人の作品にもちゃんとギブして。そういう時間を作ることのほうがむしろ何よりも大事で。

あと、忘れてはいけないのが客観的な視点。独りよがりが一番イタイ。自分の作品に酔って、読者のこともしっかり楽しませることができているという勘違い。

こういうところをちゃんと意識して、しっかりと積み重ねていける人が、きっと自分の道を切り開いていけるんだ。

やっぱり高いハードル

でも、どんなに文章力があって小説のつかみが抜群にうまい作家さんを見つけたとしても、私は高い確率で購入しない自信があるので、それを自分でやろうとは思わない。

フォロワーさんやコメントがたくさん付いていて、みんなが高く評価していても、きっと買わない。でも、その人の無料で読める作品は嬉々として読み漁ると思う。

完全オリジナルの創作物を買ってもらうって、それほどハードルが高いことなんだと思う。

だから、私は自分のKindle書籍を出版したいと思ったとき、まずはどうしたら読んでもらえるかということを死ぬほど考えた。読者がその本を買おうと思う決め手はどこにあるのか。何が購入者の一歩を踏み出すきっかけになるのか。

そうしたら、一つの答えに辿り着いた。

『読んでいてためになったかどうか』


 素人作家がプロと肩を並べて勝てる部分があるとすれば、これ以外にないんじゃないかと思う。


大事なことに気づく

読んでいてためになる本となると、やはり、書き手の経験に基づいたものであることが重要になってくる。その経験をしたことでどんな変化があったか、どうやって乗り越えたか、それは誰にでも応用可能なのか。

それから、リード文もかなり重要。なんせ、素人作品。購入者はこの作品が本当に満足できるのかできないのか、ハラハラしながら読み進めることになる。できることなら、出だしからそういう不安は極力削っておいてあげたい。

そんなことを、睡眠時間を削ってたくさん考えて、私が書いた書籍はこんな体裁になった。

  • 場面緘黙症の後遺症をラクにする方法について詳しく書く

  • 子供でも読めるくらい分かりやすく書く

  • エッセイ形式ではなくお手紙形式で書く



このKindle書籍はインスタグラムのフォロワーさんや、おそらくハッシュタグ検索で来てくれる今現在まさに悩みの渦中にある当事者や家族の方々に手に取ってもらうことができた。

けれど、まだまだ認知度が低い不安障害ということもあって、沢山の人に読んでもらえるという状況にはない。にもかかわらず、出版からもうすぐ一年だけど、毎月読まれている。買われている。このnoteを始めたら、さらに手に取ってもらえる機会が増えた。


さらに大切なことに気づく

上のようなことを意識して出版したKindle書籍だったけれど、私はもっともっと場面緘黙症の啓発を頑張りたいと思っていたし、今辛い思いをしている子供たちに「こんな方法あるけど試してみない?」と言いたくて仕方がなかった。

それと、もう一つ重要なのがこれ。

場面緘黙の後遺症で長いこと悩まされたけど、今はそれなりに楽しいよ。なんか、場面緘黙について書籍書いたら毎月お金も入ってくるようになったしね


劣等感のかたまりで、ずっと厭世観と隣り合わせに生きてきた人間が、ちゃんと自分の力でお金もらえてるよ、ということをどうしても知ってもらいたかった。

だから、もっともっと手に取ってもらうためにはどうしたらいいのか、ということを考え、思い切って初期の表紙をリニューアルした。

ピンタレストで世の中の売れている書籍を検索して、パッと目を引くデザインを研究研究。ああ、カラーも大事だな。フォントも意識しなきゃ。

そんな感じで表紙を変えたら、また手に取ってもらえるようになった。途中、固定レイアウトからリフロー型にしないと、出版取り消すぞ! とAmazonから警告が来て慌てて1から作り直すという作業はあったけれど。

 自作の小説が読まれるためには

場面緘黙症を題材にはしたけれど、私の場合、当時を振り返るとまだモヤモヤするものがある。これは、自分ごとで書いていったら身がもたないぞ! と思ったので、書籍の内容はインスタで投稿していた『話せない! ソラくんの世界』という物語とリンクさせるような構成にした。

『話せない! ソラくんの世界』自体が私の経験を元にしたまったく関係のないオリジナルストーリーだったので、自分のことでありながら自分のことではないような視点で描き進めることができていた。

じゃないと、毎日トラウマに怯えながら創作活動がドキドキと苦しいだけの作業になっていたことだろう。

だから、客観的な視点で書けたということを考えれば、これはオリジナル小説と言ってもいいのかもしれない。

まあ、色々と好き勝手書いてしまったけれど、オリジナル小説を読んでほしいと思ったら、本当に綿密に考えていかないといけないんだな、ということが分かるかと思う。

でも、これはあくまでもKindle出版に関する私の意見。noteで自作小説を有料投稿して多くのファンを獲得している人とかももちろんいるんだろうし、人間の欲求を大いにくすぐる題材なら、やり方次第でいくらでも売れると思う。



ということで、この記事でだいぶハードルを高くしてしまった私のKindle書籍はこちらです。


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