見出し画像

鬱状態と付き合う方法を探すための日記

 11月3日は文化の日にベルリンから来た友人は帰っていった。朝はのんびり明日のレースの準備をしつつ、今日の祝日をどう過ごすかを考えてまずは大阪の巨大書店に向かった。ひょっとしたらミロンガに行きたくなるかもしれないから念のためダンスシューズも持って。
 本屋ででなんとなく本を眺めていたら、山口路子 「大人の美学 245の視点」という本が目に入った。山口路子。どこかで聞いたことあるお名前。さてどこだろう。
 で、その本を手にとってページを捲ってみるといろんな作家や俳優による美学みたいなことが書いてあったのだけど、その中に、アルゼンチンタンゴについて書いてある部分があった。そしてあとがきには知り合いの名前も。彼女はミロンゲーラ(タンゴを踊る女性)だったのだ。
 ひょっとしたらどちらかのミロンガでご一緒したことがあるのかもしれない。
 こんな本にも出会いはあるんですね。本屋の併設のカフェで半分ぐらい読んだところで、勇気づけられていつも行く天満のミロンガに私は1時間遅れていった。すると多くの仲間たちが楽しそうに踊っていたし、優しいアブラッソもたくさんいただけた。
 ここにも癒しはあった。


所々に黄色


 さて翌日は朝から快晴。気温も20度を超えていて温かい。当日は京都美山に行く予定だったけれど、せっかくだから、車を丹波篠山に走らせた。ここでも紅葉はまだ始まったばかりという感じで銀杏の木の黄色ばかりが目立った。途中丹波のいったことないところの喫茶店で本の続きを読んだりして、優雅な振りをしてみた。 
 レース会場に向かう途中、今まで何度もそばを通りながら一度も行けていなかった日本最古の農家建築である石田家住宅を訪れた。ボランティアの男性が一人でおり、いろいろと説明をしてくださった。ここは17世紀中ごろの建物。展示用に電球がつるしてあったが、当時は電球などあるはずがない。
 暗さの中での生活。陰翳礼讃と言いたいが、ここでは暗闇が生活そのものだった。

石田家住宅


光が入るところだけ


2階部分があったが養蚕に使ったのは明治以降でそれまでは萱置き場だったらしい。

2階部分


 
 レース会場につくと、いつもの仲間たちと挨拶してから試走を始めた。あたたかくて気持ちいい。汗をかくと鬱が飛んでいくようだ。今回は宿にはメカニック島本君をさそってあったので、暗くなる前に移動した。途中ナビ通りにいったら道がなくなってびっくりしたがなんとかたどり着けた。地鶏すき焼きをおいしくいただきました。

 翌朝は霧が深かった。こういう日は暑くなるはずだが早朝はまだ涼しい。長袖のワンピースで出走。朝露で濡れている下りは滑りやすくて怖いぐらい。
 8時40分からいつもの時間割通りにスタート。スタートまもなくの砂利部分ですべって転びほぼ最後尾から再スタート。40分間は下りの箇所を除くと 心拍160ぐらいを維持。もう順位はどうでもいいや。


 このレースをやったことがある人しか伝わらないことかもしれないけど、心拍160つまり私のほぼマックス心拍数を40分間続けるスポーツはというと長距離10キロ走ぐらいだろう。終わった後はいろんなところが筋肉痛にもなる。
 
 レースが終わってさらに気温が上がり、Tシャツ1枚で過ごした。そして、40分の激しい運動のおかげか、あるいは太陽のおかげか、一日中鬱状態を感じなかった。皆のレースが終わって家に直帰。洗濯して読書しても、鬱にならない。すばらしい感じ。

 これが続くかと思えば今朝はまた鬱っぽくスロースタートな私。まあ、一瞬でもすっきりできたのは喜ばしいのだろう。
 
 そういうわけでシクロクロスのレース後は1日すがすがしく過ごせたので治療効果があったとすべきなのだろうね。今日も帰宅後30分ばかりトレーニングして心拍を最大まで上げた。するとそのあとはこんなにすらすら文章が書けるぐらいに気持ちがいい時間ができた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?