見出し画像

まさか「苦手なこと」が「やりたいこと」になるなんて!〜東京から都農町に飛び込んだインターン生に起きた変化〜

社会課題や教育の問題に興味があって大学で学んでいるけど、実際の現場はどうなっているんだろう?就活が迫ってきているけど、自分のやりたいことが見つからなくて迷走していた。

東京の大学から九州の過疎地に飛び込み、数ヶ月滞在した学生たちは、インターン直前の心境をそう振り返ってくれました。

===

宮崎県中部にある人口1万人の町、都農町(つのちょう)。その都農町で、廃校活用や商店街の再生、キャリア教育などを行なっている株式会社イツノマでは、長期インターンを募集しています。

今年の夏は3名の大学生を受け入れました。長期休暇を利用して1ヶ月滞在した学生から、休学制度を活用して4ヶ月滞在した学生まで。

なぜ彼らは九州の過疎地に飛び込んだのか。どんな業務を体験して、どんな心境の変化があったのか。1人ずつインタビューしてきましたので、ご紹介させていただきます。

教育の現場に飛び込んだことで、視界が開けた!(一橋大学3年、永田公実子さん)

一橋大学社会学部3年、永田公実子さんは7月末から約5週間活動してくれました。

自身が中高6年間をアメリカで過ごしたこともあり、日本の教育システムに強い問題意識があるそうで「座学だけじゃなく、教育現場を自分の目で見てみたい!」と都農町に飛び込んできてくれました。

都農町では「子ども参画まちづくり」と称して、地域の小中学生が主体的にまちに関わっていく活動が増えているんです。

その典型例が、都農町内の中学生で結成された「まちづくり部」。商店街の中にあるイツノマの本社オフィスで、週4回(月火木金)16時から18時まで活動しています。

だから毎日夕方になるとオフィスは大騒ぎ。個性豊かで、元気すぎる中学1年生に囲まれて、永田さんのインターン生活は進んでいきました。

世界地図を片手に、アメリカの学校生活をシェア
都農町の中学生に向かって自己紹介

毎日のように中学生と話す経験から、得られたものは多かったと永田さんは語ります。

「まず最初に感じたのは、地方も都会も同じような悩みに直面するんだなということです。自分の中で地方を特別視しすぎてしまっていたけど、地方だからこその問題ってそんなになくて、都会の子と同じように成績や友達関係で悩んでいるんだなという当たり前のことに気づかされました」と言っていました。

でも同時に「私はどうせ都農中だから、〇〇にはなれない」と夢をあきらめてしまっている子もいて、触れることのできる選択肢の少なさ・世界の狭さを感じることもあったそうです。

目の前にいる「中学1年生の〇〇君」に向き合ったことで、教育への問題意識をより強く、より鮮明に感じるようになった永田さん。9月からはイギリス留学がはじまるため8月末に都農町を離れましたが「絶対1年後にまた来ます!イツノマインターン最高でした!!!(大声)」と語ってくれました。

よそ者がまちづくりに関わってもいいんだ!(大妻女子大学3年、内田唯さん)

大妻女子大学家政学部3年、内田唯さんは永田さんと同じく7月末から活動をはじめ、現在もインターン継続中です。

まちづくりに興味のある内田さんは、以前北海道の離島に2週間くらい飛び込んだそう。でも、そのときの経験が消化不良だったんだとか。だからもう1度、まちづくりを探求してみたい、いろんな業務にトライしてみたいと思って応募してきたくれたんです。

インターン開始直後、転機はいきなり訪れました。

それは8月1日の、夏祭りの夜でした。年に1度の都農神社の夏祭りは、町民の誇りで、みんな夏祭りめがけて帰省するんです。だから夏祭りの夜だけは、人口が1万人から2万人になると言われるほど。

だから、イツノマが運営し、インターン生が寝泊まりしている「まちづくりホステルALA」にも、帰省のため町外から帰ってきた方が宿泊されていたんです。そのお客さんとの会話が、自分にとってのターニングポイントになったと内田さんは語ります。

その夏祭りの夜 @まちづくりホステルALA

北海道での滞在は「よそ者がまちづくりに関わる意味」を考えるきかっけになったそう。意気込んで現地に乗り込んだけど「どうせ長くいないんだから、事を荒立てないでくれ。何もせずに、そっとしておいてくれ」という雰囲気を強く感じたそうなんです。

町内出身者じゃないし、まちづくりのプロでもない、ポッと出の大学生がまちに対して何ができるんだろう、果たして関わってもいいのだろうかと悩み続けていました。

そんなモヤモヤをはじめてぶつけたのが、夏祭りの夜だったんです。中学卒業以来、約40年ぶりに戻ってきたというその男性は、内田さんにこう言ったそうです。

「いやいや、俺はほんとうにうれしいよ。町のためを思ってやってくれてるのが伝わるし、ほんと涙が出てきそうなくらいうれしいんだよ」

この言葉を聞いた瞬間に心がすっと軽くなり、ガッとエンジンが掛かりましたと内田さんはふりかえってくれました。

最後に内田さんにこれからの意気込みを聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

1ヶ月ちょっと都農町で過ごしてみて、もう何屋さんかわかんないくらい色々な業務があるし、想像の何倍もまちづくりって深いんだなとわかってきました。
だけど、食らいついてまちづくりを探求しつづけたいし、町内のいろんな人と話してみたいです。正直、業務内容もあんまりわからず直感だけで飛び込んできたけど、今は「あのときの自分ナイス!」と褒めてあげたいです。引き続きイツノマインターンがんばります!

まさか「苦手なこと」が「やりたいこと」になるなんて!(駒澤大学4年、岡村圭人さん)

駒澤大学法学部4年、岡村圭人さんは進路に悩み春から1年間大学を休学中です。「地方で働きながら、やりたいことを見つけたい」と思って、都農町に飛び込んできてくれました。

5月から8月末までの4ヶ月を都農町で過ごす中で「やりたいこと」は見つかったのでしょうか。

やりたいことを見つけにきた僕にとって、まちづくり会社は最適だったと思いますと岡村さんは話してくれました。

宿の清掃やセッティング、お客さんとのコミュニケーションにはじまり、まちづくり部の中学生と一緒に活動したり、商店街再生のために空き地でイベントをしたり。スタディツアーで30人が訪問したときはファシリテーターとして参加するだけでなく、ロジを組んだり、BBQのために肉を焼きまくったりもしました。

これだけ幅広い業務に触れられたからこそ「やりたいことの種」にたくさん出会えたと話してくれました。

その中で見つけた、今もっともやりたいことは「接客業」だそうです。

だけど、接客やコミュニケーションには苦手意識があったそう。なんなら今でも多少の抵抗はあるそうなんです。それでも接客業が「1番やりたいこと」にまでランクアップしたのは、インターン期間中にお客さんとコミュニケーションをとることにハマってしまったからだと言います。

ALAの接客業務をはじめて1ヶ月が経ったころ、ある1人のお客さんと出会ったといいます。

それまでは「スタッフらしく振る舞わなきゃ」とか「うまく話さなきゃ」とか思っていたけど、そのお客さんには等身大のまま、素直に自分の悩みを伝えてみたそうなんです。

進路に悩み、休学を決断したこと。なかなかやりたいことが見つからず、焦りがあること。自分の考えをまとめるのに時間がかかってしまい、コミュニケーションに苦手意識があること。

そうやって素直に心の内を伝えてみると、お客さんの反応がこれまでとは違ったそうです。信頼関係が生まれ、どんどん会話が弾んでいったといいます。そして帰り際に「ふらっと立ち寄っただけだったけど、君と話せてよかったよ」と言ってもらえた。それがなによりうれしくて「お客さまのために動く仕事がしたい」と思うようになったといいます。

最後に、まだ見ぬ未来のインターン生に向けてメッセージを書いてもらいました。

僕と同じように何かに悩んでいる人は、いったん「苦手」をリセットしてみてほしいです。僕はコミュニケーションが苦手だと思っていたけど、それは勝手に自分が決めつけていたことだった。もっというと「ちょっと苦手だけどめっちゃ好きなこと」って存在するんだと僕自身が体感したんです。だからせっかく都農町まで飛び込んできたのなら、苦手をリセットして何にでも素直にチャレンジしてみてほしいです!応援しています!!!

長期インターン生、いつでも募集しています!

この記事を執筆しているのは、インターン生と別れて4日後です。都農に残った僕は、感傷に浸りつつ、数ヶ月とは思えないほどたくさんの気づきと学びを持って帰ってくれたんだなと改めて感心しています。同時に、ぼくたち社員もインターン生からたくさんのことを学ばせてもらいました。本当にありがとう。いつでも待っているので、また帰ってきてください。

日々リアルな社会課題と格闘し、廃校活用や商店街の再生、中学校でのキャリア教育など、まちづくりの実務を担当しているイツノマだからこそ提供できる価値があると自負しています。

まちづくりに興味がある人、教育に興味がある人、宿泊施設の運営に興味がある人、あるいは幅広く関わりながら自分のやりたいことを見つけたい人。

雄大な自然と、おいしいご飯と、ちょっと濃い大人たちに囲まれて数ヶ月過ごして見ませんか?長期インターン、ご応募お待ちしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?