見出し画像

個人ゲーム開発記:「LoveSoTea:紅茶狂詩曲」_1

個人制作しているアドベンチャーノベルゲーム「LoveSoTea 紅茶狂詩曲」開発記録です。

2021年? 前身の「味噌汁狂詩曲」誕生

いつだったかは覚えてないんですけど、確かCoffeeTalkの体験版を遊んで、同じ飲み物系のゲームVA-11 Hall-Aが超売れてたのを思い出しました。

2作品とも西洋発祥のヒット作であることから「なぜ日本からはこのようなゲームが生まれないのか? とか自称識者に言われんだろうがよ」などと、欧米への怨念と嫉妬を拗らせた私は「日本ならではといえば? そう味噌汁!」ってなって「伝説の食材を集めて究極の味噌汁を作るゲーム」を思いつきました。

「味噌汁に執着したクレイジーな人々が繰り広げるドタバタ劇」のイメージだったので、タイトルを「味噌汁狂詩曲」に決めます。

ちょっと何言ってるかわからないですね

しかし、思ったより美味しそうな食べ物のフリー素材を同じトーンで揃えるのが難しい。ほぼネタゲーだしプロのイラストレーターさんに頼むのは気が引ける。

ちょっとこれどうしようかなと色々調べるうち「狂詩曲」……ラティ……「ティー」がある……「私の大好きな紅茶が入ってるぞ! しかもラブ! もうこれこのままタイトルにして紅茶のゲーム作ればよくね? 」と思い立ち、改めてもう一度狂詩曲について調べると「ラディ」だったと分かりました! 欧米への怨念はどうした。

そっかー間違いか、そもそもこれそのままLoveSoTeaってタイトルにして英語圏の人には伝わるか大丈夫か心配だしな〜なんか「英語の発音と全然違うからダメですよw」とかって却下されたら恥ずかしいしな〜

でもまあいいか!!

怒られたら変えたらいいしタイトルくらい自分の好きにつけよう! と開き直りました。

当初思いついたゲームの構想は以下の通りで、今でも変わりはありません。

-前作のメインキャラ2人を利用する(2人しか出てこない)
-不特定多数に向けてではなく一人の好みを追求する紅茶ゲー
-堅苦しくなく、気軽に紅茶を楽しんでもらう
-ゲームを遊んだ人が紅茶派になってしまうのを目指す

前作とは、Steamで販売しているドット絵ノベルADVで、大事なシーンで紅茶が登場するため、その一幕を切り取り1本のゲームにしようと思いついたものです。

2021年8月 企画書ができる

講談社さんのゲームクリエイターズラボに他の企画書と一緒に提出して、2次で落ちたかと思います(4種類くらい出したので記憶があやふやです)。

2021年10月 講談社ゲームクリエイターズラボに提出した企画書の表紙

ぶっちゃけ飲食系ゲームなら、お店経営とか色々なお客さん相手にするコンセプトの方が楽しいと思います。よりによって1人相手にしか振る舞わないとは、あまりに大衆性がないので商品としてはどうなのだと私も思います。

客観的に見て、このゲームを他の開発者が発表したら「なんでそんな大衆向け要素を徹底的に排除したの? 売るつもりないの?」と思わなくもない。でも「うわーやりやがったな」とは思います。

ただこんな、やや極端な方向性に踏み切ったのは、他でもない前作を遊んでくれたプレイヤーから寄せられた反応のおかげです。

以前、私は「どうやったら売れそうなゲームが作れるか」ばかり考えていました。しかし、前作では同僚の勧めもあって「何も考えず、作りたいものを作る」ことにしました。体験版を公開した際にゲーム性などの方向を多少修正したものの、概ね自由に開発しリリースしました。結果、意外にも好評だったので驚き、そして思ってしまったのです。

「あれ? これいけんじゃね?」……と。

2023年初頭 元気がなかったが……

年末まで関わっていたお仕事で多めの未払いがあって、単なる先方の手違いだったとわかるまで、弁護士さんに相談したり落ち込んで泣いたりしていました。

全額振り込まれたのを確認して元気を取り戻しつつあったので、リハビリも兼ねてパーツを作って動作テストをしたり、「一番作りたいがニッチで売れなさそう」なLoveSoTeaより前に、割と暗めで多少は売りやすそうなシミュレーションゲームを作っておこうと開発を始めます。

しかし……LoveSoTeaに比べるとテンションが上がらない。

胃が弱くてコーヒーが飲めなかった私の紅茶歴は数十年、長年の愛着に比べれば「売りやすそう」も霞んでしまう。停滞期に入ります。

2023年2〜3月 ご声援で蘇る私

例年春先はあまり体調がすぐれず、確定申告もあるしぐったりしながら、まあ暖かくなってからぼちぼちやるか〜と思っていたのですが、フォロワーさんが「春なので」と拙作を推してくださるツイートに遭遇してしまいます。

はい元気〜〜〜〜元気なりました! ゲーム作ります!!

年末のお仕事で色々あったのと1月の未払いで意気消沈してたんですが、お世辞じゃなくこのふたつのツイートのおかげで復活しました。

目下の目標をIndie LIVE EXPO(以下ILE)提出として開発を進めます。


2023年3月末 ILE提出で徹夜

ILE参加にあたり用意する必要がある素材は、メタデータ、スクショなどの画像4枚、そして15秒の動画。量は決して多くないものの、調整と実装に時間がかかり結局滑り込みの応募になりました。


2023年5月前半 Steamストア申請

ストア申請というのは、もう何作もやってきたので自分にとってはあんまり特別なことではありません。

しかし私個人のフォロワー数(現在570くらい)にしてはたくさんの「いいね」がつくので、見てもらえてるとわかってやっぱり元気が出ます。

今回はストア用のメタデータ翻訳をDeeplで出力するつもりだったのですが、何と以前拙作の翻訳を長らく担当してくださっていたLeoさんが会社員(?)からフリーランスに復帰されると分かり、早々に英訳をお願いすることができました。タイミングが神。


2023年5月中旬 プレスリリース発送

外部に情報を出すのは緊張しますね……。

没になったキャッチコピー集


2023年5月20日(土) 情報公開

ILE放送当日まではネット上で情報公開しない前提で出展を申し込んでいたのに当日は夜まで仕事があり、ストア・動画公開や広報ツイートをまとめてするのが大変でしたが、いろいろ誤魔化してなんとかしました。

発売はまだ先ですが、ウィッシュリスト登録お願いいたします!

おことわり:本作ではかなり気軽で乱暴なお茶の抽出方法を採用しております。正しい淹れ方やマナー等を重視される上級者向けゲームではありません。あらかじめご了承ください


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?