KDP(Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング)登録の罠多すぎ問題
2024年9〜10月にかけて、オンラインイベント出展に間に合わせるべく、ゲーム関連の電子書籍をKDP(Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング)で頒布する計画を立て登録しました。
自分が登録したかったのは画集と漫画ですので、登録書籍の種類は「Kindle Unlimited or 有料」と「インディーズ漫画」両方使ってみることにしました。
まずKindleで本を出版すること自体が大変かどうか? については、私のように初見で合計54ページも取り組むアホっぽいことをすれば当然大変なので、スケジュールや自分の能力を見誤らなければ大変じゃないと思います。
実際の手順がどのようなものか?については、たくさんTIPS記事がありますし、私も序盤の手続きは手順に従って進めば概ねスムーズに行えました。一方で、画集や漫画のTIPS記事はテキストベースのものに比べ少なかったため、備忘も兼ねつまづいた箇所・困ったことを中心に本稿にまとめます。
-主に登録の罠、ある程度登録を進めている方に向けた内容
-編集方法などについては特に触れていません(自分はKindle Comic Creatorにjpgを貼っただけ=文字情報なし)
海外版はこれから対応予定です。
なお「有料 or Kindle Unlimited」と「インディーズ漫画」は、私の雑な認識だと以下のような違いがあります。
・有料 or Kindle Unlimited:Unlimitedをサブスクしてる人なら無料で読める。読まれた場合は1ページにつき0.5円お金が入るみたい。国外の人にも読んでもらえる……が、もちろん翻訳はされてない状態なので、英語なら英語版の本を別物として登録する必要があるっぽい=紐付けなどは多分されないし値段を変えるのも自由? Unlimited登録してない人が読みたい場合は設定された金額を払って購入
・Kindleインディーズ漫画:日本国内だけっぽいサービス。話数ごとに有料登録もできるみたいだけど、基本はサブスクじゃなくて無料で読める。海外の人に読んで欲しい時には有料 or Kindle Unlimitedに改めて登録する必要がある。売り上げはインディーズ漫画にまとめて入る謎の基金から人気に応じて分配される。漫画以外にエッセイなども登録OKみたい。
どっちを登録するかはKDPの本棚から本を登録するときに選びます。
以下、本稿大見出しに「KUL」とあるものは「Kindle Unlimited」、「IND」とあるものは「インディーズ漫画」、無印のものは両方共通事項です。なお全て2024年10月現在の情報ですので、本稿から時間が経ってこの記事に辿り着いた方は最新情報をご確認ください。
PDFでも登録OK! ただし日本語はダメ??
日本語ではPDFを登録することはできません。
なぜ日本語はダメなのかは書かれていないようですが、2024年10月現在とにかく非対応です。じゃあjpgならどうかというとこれは全言語ダメで、ページものになっている必要があります。
なお、他にも「◯◯できますが日本語はダメ」という項目はちょこちょこ見かけました。
JPGでも登録できる??(IND)
unlimitedでは日本語だとPDFすら受け付けてもらえませんが、インディーズ漫画はjpgも受け付けています。
jpgだとページ物にできないですよね。でも、インディーズ漫画は「シリーズ」という大枠を作れば1話ごとに登録したりできるみたいなので、jpgでも発刊可能のようです。
印税は70% or 35%の選択制??(KUL)
値段を決める時に印税70% or 35%どちらか選べます。
本の印税に詳しくないのですが、リアル出版では数%〜10%くらいという認識でいます。それに比べたら35%という数字はまだ良心的なのか? だとしてもたくさんもらいたいですよね!!! 自分は70%にしました。
%の違いの基準は、設定価格が所定の範囲になるかどうか? 配信料の有無などです。安すぎる本・高すぎる本は必然35%しか選べない。
なお、インディーズ漫画にはこの印税選択制度(?)はなく、kindle専売という概念自体もないようです。
容量が増えると¥1/MB配信料が必要(KUL)
unlimitedでは、印税70%を選んだ場合配信料がかかります。
本のデータはamazonのサーバに置いてもらうことになり、当然重ければamazonの負担になるわけです。本の容量が増えると「5MBごとに何円」と、1冊DLされるごとに手数料がかかるっぽいです。
配信料は、表紙と本文をアップロードしたあとで価格の登録時に自動で計算してもらえます。配信量は国によって異なり、35%か70%どちらで配信したらぞれぞれ利益がいくらになるかも比較表示されますので直参考になります。私は画集なので戦々恐々としていたのですが、1ページ大体数百kb〜1MBが30ページくらいで配信量は数円程度でした。圧縮方法がよくわからない人や、数百ページでめちゃくちゃサイズが大きい本などは注意が必要です。
ちなみに、嫌がらせで読みもしない本を何百回もDLされた場合、その回数分配信料を負担する必要があるのか?というと、それはないっぽいです。
Kindle Comic Creatorを使うと最大1280pxまでしか書き出せない??
実際には「そんなことはない」でした。
Kindle Comic CreatorというツールはMacでもインストールできて、私のように画集や漫画を作る場合はこれで十分でした。
が、しかし初期設定でつまづいたのが解像度です。最大幅1280pxまでとなっており、これ以上数字を大きくできない?? なのでいっとき使用を諦めて、pagesとかword使ってみたんですが驚くほどうまくいかない。
それでふと「今時1280px最大だとしたらあちこちからすでにクレームが入ってるのでは?」と気づき、試しに自分で設定した画像 1600px*2000pxを貼り付けてみたところ、かなり綺麗にプレビューが出ました。つまり、1280云々というのはあくまで画面比率? 程度の参考数字のようです。
いったい複数ソフトを2〜3種類も渡り歩いて試行錯誤したのはなんだったのか?? せめて本稿をご覧になった方が迷わずに済めば浮かばれますので、ご参考になれば幸いです。
Kindle Comic Creatorでエクスポートしたデータはアップロードできない??
アップロードすべきは .mobi と名前がついたファイルの方です。
Kindle Comic Creatorでエクスポートするとファイルが2種類生成されます。そのうち、なぜかひとつはアップロードできません。このファイルが何なのかはわかりませんし拡張子もついていませんので、システム的に必要なファイルか何かかと思われます。
予約販売は3日以上前に登録完了しなければならない(KUL)
私がUnlimitedに登録しようと思い立ったのは9月末で、予約販売という手段があると知ったのもその頃で、発売したかったのは10月5日。予約販売するためには、10月1日の日付が変わるまで(JSTじゃなくて海外の時間帯でしたがどこかは忘れました、東の端の日本よりは当然遅い)に、表紙と本文を登録完了する必要がありました。
どうして予約販売したかったかというと、どうもKindleには「登録をしてこの日に出す」という指定が予約販売以外できないと分かったからです。詳しく調べたわけではありませんが、Unlimited書籍もインディーズ漫画も、基本は審査に通れば即日発行となるようです。
なお、インディーズ漫画には予約販売ないしそれに準じる販売方法はないっぽいです。
予約販売開始はその国のおおむね零時??
私が観測した範囲では、多分零時開始じゃない。
この項目を書いている現在は発売日の夜中3:00過ぎなんですけど、まだ「予約販売」になってます。しかし価格のところには予約云々と書かれていませんし「今すぐ読めます」みたいなこと書いている。何もわからん。
自分の一冊だけの予約販売経験で恐縮ですが、もし「この日に確実に販売開始したい」という場合、1日前が無難かもしれません。
なお発売を待てずに寝てしまいまして、翌日朝になったら「新発売」になっていました。
予約販売で表紙だけ先に登録しちゃうのはあり(KUL)
よくkindleで本を出した方が書影出ました! とツイートなどされているのを時々目にします。どういうことかと思っていたら、どうもKindleに予約販売書籍を登録した直後は画像が反映されず、販売ページのurlだけが先に公開されるっぽいです。
もし予約販売を検討される場合は、全部揃ってからじゃなくても先に表紙だけ登録しちゃった方が、ページも早くできるし書影も早く反映されるのでおすすめです。
サンプルページは自動で登録される??
登録後しばらくして自動で序盤10%が公開されるっぽいです。
非表示にしたりはできないみたい? なお、予約販売の場合は発売日までサンプルページは表示されません。
インディーズ漫画は、私は24ページだったので「24ページの10%だったら3ページもないのでは?」と思ったんですけど、そもそも無料漫画のせいか序盤5ページくらいが公開されています。
商用漫画なんかにたまに入ってる「著作権保護コンテンツ」サンプルページとかどうやって入れるのか分からないまま終わってしまいました。また何かわかればここに追記します。
カメラマーク+びっくりマークエラーの正体は「画像名が日本語」??
Kindle Comic Creatorに貼り付けた日本語画像ファイルは、プレビュー時に確定エラーが出ます。
私はjpgでページを構成しました。その際、ファイル名が日本語だとKindle Comic Creatorから書き出しても、プレビュー時にカメラマーク+三角びっくりマークが出ます。そこはいい感じに変換してくれるんじゃないんだ……。
審査は意外に早い
審査は最大72時間かかるよ。と書かれているのですが、私が申請した本は大体1日前後で販売準備完了となっていました。
審査については、どうも人力ではないっぽい? と思いました。というのも数時間で「誤字はありませんでした」等届いたので、当然審査ごとに全部読んでるとはにわかに信じがたいので、おそらく自動でチェックするようなシステムがあるのでは、という印象です。
ちなみに、unlimitedの方は「審査が終わって誤字もなかったよ」みたいな表示が出るんですが、インディーズ漫画の方は私が見た限りそういうのがなくて静か〜に販売開始されていました。
後からシリーズ名やタイトルとか変更できない??
できません。問い合わせたがダメでした。
私が実際に失敗した経験から正確にいうと「シリーズ名は変更できるが、紐付けされていた本はそれに付随しなくなってしまう」です。当初シリーズ名を間違って登録してしまったため更新したので、窓口に方法がないか聞いたのですが、できない言われました。ではどうするかというと、誤ったタイトルの本を出版停止にするしかないようです。
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