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新ドラマ『プリズム』&『親愛なる僕へ殺意をこめて』

朝ドラや大河ドラマ以外にも、NHKはいくつかのドラマ枠があり、そのいずれもで高品質な作品を生み出しています。その一つが夜10時代の「ドラマ10」。放送曜日は度々変わり、しばらくは金曜日でしたが、今年度から火曜日に戻り、引っ越し第一弾の『正直不動産』も高く評価されました。

ここ5年ほどでいえば、『お母さん、娘をやめていいですか?』『ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語〜』『この声をきみに』『女子的生活』『透明なゆりかご』『昭和元禄落語心中』『トクサツガガガ』『これは経費で落ちません!』『半径5メートル』あたりが名作でした。打率3~4割といったところ。

そんな「ドラマ10」で7月12日からスタートするのが、杉咲花さん主演の『プリズム』。共演は森山未來さんと藤原季節さん。藤原さんのコメントにある「セクシュアリティやジェンダー」という言葉が肝となるのでしょう。脚本は『ラブジェネレーション』や朝ドラ『純情きらり』の浅野妙子さん。

園芸店でバイトする皐月(杉咲さん)が、ガーデンデザイナーの陸(藤原さん)と出会い、庭園のリガーデンプロジェクトを手伝う中で、2人は恋人に。そんな折、ガーデナーの白石悠磨(森山さん)がプロジェクトに加わることになり、陸はひどく動揺し…。

二重(多重)人格が主人公の作品と言えば、『ジキル博士とハイド氏』が有名で、何度も映画化されていますが、実は日本でも1973年に『ジキルとハイド』のタイトルでドラマ化されています。主演は丹波哲郎さんで、演出は『極道の妻たち』などの五社英雄監督。ちょっと興味があります。

他の二重人格が登場する作品と言えば、『噂の刑事トミーとマツ』(1979年)のようなコミカルなものもありましたが、『ヤヌスの鏡』(1985年)や『マークスの山』(2010年)、『愛してたって、秘密はある。』(2017年)など、どうしてもサスペンス物が中心。

そんな二重人格の主人公を、山田涼介さんが演じる『親愛なる僕へ殺意をこめて』が10月から放送されます。井龍一さん&伊藤翔太さんの同名マンガが原作で、脚本は映画『マスカレード・ホテル』シリーズの岡田道尚さん。

連続殺人犯を父に持つ主人公の大学生(山田さん)が、自らが二重人格であることを悟り、“もう1人の自分”が殺人を犯しているかもしれないと不安にかられ、真相を明らかにしようと決意。驚がくの事実が次々と白日の下にさらされる、どんでん返しにストーリー展開していく二重人格サスペンス。

余談:NHK夜ドラ枠ドラマ『カナカナ』が最終回。主演の眞栄田郷敦さんは新境地。『監察医朝顔』で知られる名子役・加藤柚凪さんの魅力も最大限に活かされ、満足の最終回でした。月~木の夜10時45分という時間帯は厳しですが、「NHKプラス」を活用すれば見られる秀作枠です。


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