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俳優ノート『綾野剛さん』

気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回は、2021年春ドラマ『恋はDeepに』に、石原さとみさんとW主演する綾野剛さん。妻は女優の佐久間由衣さん。

今やトップ俳優の綾野さんですが、意外に下積みは長く。『仮面ライダー555』(2003年)の怪人役でデビューしてから、朝ドラ『カーネーション』(2012年)でブレイクまで約10年、30歳の時でした。

以降も連ドラでは、準主役などの助演が続きますが、そんな中でまず取り上げたいのは、大河ドラマ『八重の桜』(2013年)。幕末ものでは珍しく、佐幕派の視点で描かれた同作で、綾野さんは会津藩主・松平容保役。京都守護職への任命から会津の悲劇まで、まさに憑依したかのような名演でした。

幕末の会津藩、新政府軍の攻撃を一身に受けた鶴ヶ城籠城戦で、鉄砲隊士として奮闘した八重(綾瀬はるかさん)の知られざる波乱万丈の生涯を描く物語。会津藩の砲術師範の家に生まれた八重。“追島狩”見物での会津藩主・松平容保(綾野さん)との出会いが、八重の人生に大きな影響を与える。

同じ年、名作ドラマ『最高の離婚』で、浮気性な大学講師を演じた綾野さんですが、直後のクールで放送された『空飛ぶ広報室』では、情熱を秘めた自衛隊の広報室員役と、“カメレオン俳優”としての評価が高まった時期でした。「2秒ください」のキスシーンでもお馴染みの傑作。

報道記者から外され、自衛隊の取材に回されたリカ(新垣結衣さん)は、そこで戦闘機パイロットの夢を断たれ、同じく人生の壁にぶち当たっていた空井(綾野さん)と出会い…美人ディレクターと航空自衛隊元戦闘機パイロットという異色コンビが、互いに理解を深め合い、成長していく姿を描く。

最後は、現時点での一番のはまり役&当たり役となった『コウノドリ』(2015年、2017年)。綾野さんは、産婦人科医にして謎のジャズピアニスト役で主演。共演には星野源・松岡茉優・吉田羊・坂口健太郎・大森南朋(敬称略)と、全員売れっ子になったので、もう続編は無理かな。傑作。 

冷静な判断力と、患者にあたたかく寄り添う、心優しき産婦人科医にして、情熱的で謎多き天才ピアニスト・鴻鳥サクラ(綾野さん)ら産婦人科チーム。元気に無事に赤ちゃんが生まれてくること自体が奇跡の連続。決して大げさでないリアルな産科医療の現場を描き、“命"の大切さを伝える。


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