俳優ノート『及川光博さん』

気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回は、2021年春ドラマ『ドラゴン桜』に出演する及川光博さん(ミッチー)。

ナルシスティックな王子様キャラのミュージシャンとして、一世を風靡したミッチー。1998年に「王子転職宣言」をして、俳優業へと乗り出します。考えてみれば、現在では普通となった若者のキャラ作り(とそれを介したコミュニケーション)のハシリだったのかも知れません。

そんなミッチーだけに、当初はちょっと変わった人物の役が多かったように思います。『オヤジぃ。』(2000年)『利家とまつ』(2002年)『吾輩は主婦である』(2006年)とか。その系譜で、セルフパロな役を演じた傑作が『マンハッタンラブストーリー』(2003年)。宮藤官九郎さんの作品です。

TV局のそばにある純喫茶「マンハッタン」を舞台に、コーヒーに全てをかける店長(松岡昌宏さん)が、常連客の人々の恋愛模様に巻き込まれていくラブ・コメディ。

代表作『相棒』(2009年-)の神戸尊を演じる頃には、幅広い役を演じるようになっていたミッチー。大ヒット作『半沢直樹』シリーズ(2013年、2020年)でも欠かせない存在に。合わせて「日曜劇場」の常連俳優となり、“2番手の男”として活躍。

時代劇では、大河ドラマを中心に、前田慶次郎・大久保利通・木戸孝允・石田三成を演じたミッチーですが、一番のはまり役といえば、『信長のシェフ』(2013、2014年)の織田信長役でしょう。

フレンチシェフのケン(玉森裕太さん)が目を覚ますと、そこは幾多の大名たちが戦を繰り広げる戦国の世だった。戦国の雄・織田信長(及川さん)に召し抱えられ、料理番となったケン。天下統一に向けて精力的に動いていた信長は、そんなケンに次々と無理難題を突き付けていく!

最後は『半沢直樹』と同じ、池井戸潤さん原作の映画『七つの会議』(2019年)。監督もTBS日曜劇場のエース・福澤克雄さん。及川さんはここでも“2番手の男”として活躍。ヒロイン役の朝倉あきさんがまた最高。先日、テレビ放送もされましたが、傑作でした。

ある日突然、社内で起こった坂戸(片岡愛之助さん)のパワハラ騒動。そして、下された異動処分。訴えた当事者は、“ぐうたら社員"の部下・八角(野村萬斎さん)だった。不可解な裁定に揺れる社員たち。だが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた…。


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