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「カチューシャの唄」と「朝ドラ」と

3月26日は「カチューシャの唄の日」。1914年のこの日、文学者の島村抱月と女優の松井須磨子が起こした芸術座で、トルストイの『復活』の初演が行われ、劇中歌「カチューシャの唄」が大流行したことに由来します。

松井は島村と不倫の末に自殺を遂げるなど波乱万丈の人生でしたが、女優&女性として先駆的な生き方だったのでしょう。その劇的な生涯は多くの作品に取り上げられていて、大河ドラマ『春の波濤』(1985年)では、名取裕子さんが演じています。柳原白蓮みたいに、朝ドラにも登場しないかな。

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というわけで、今日は3月26日生まれの俳優が出演した、朝ドラを取り上げます。まずは、『時効警察』などで知られる岩松了さんが、放送局の制作部長役を演じた『花子とアン』(2014年)。主人公を苦々しく思っている、嫌味な役を好演していました。

「赤毛のアン」の翻訳者・村岡花子(吉高由里子)の明治・大正・昭和にわたる、波乱万丈の半生記。山梨の貧しい家に生まれ、東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活を経て翻訳家の道へ進んだ花子は、震災や戦争を乗り越え、子供達に夢と希望を送り届けていく。

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次は、柳楽優弥さんが出演した『まれ』(2015年)。『花子とアン』にも出ていた土屋太鳳さんが昇格主演。朝ドラとしては凡作ですが、土屋さんの初キスを奪う柳楽さんが登場する横浜編は面白いです。

共演の若手俳優たちもバラエティー豊か。山﨑賢人・門脇麦・浜辺美波らがブレイクしたほか、 葉山奨之・渡辺大知・飯豊まりえ・中村ゆりからも人気俳優に。清水富美加と高畑裕太が、別の道に進んだことでも記憶に残る作品でした(敬称略)。

「地道にコツコツ」がモットーで夢嫌いのヒロイン・津村希(土屋さん)が、能登&横浜を舞台に、自分の原点だった「ケーキ職人」の夢を取り戻し、世界一のパティシエを目指し成長していく物語。

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最後は、歌手で女優のいしだあゆみさんが出演した『てるてる家族』(2003年)。作家で作詞家のなかにし礼さんが、その妻・石田ゆりさんの一家をモデルにした小説が原作で、いしださんはゆりさんの実の姉。ドラマの中ではSPEEDの上原多香子さんが夏子(いしださんがモデル)を演じました。

いしださん自身は、夏子が地方巡業時出会う、クラブのベテラン歌手役。彼女は自分が果たせなかった夢を託すため、夏子に紅白歌合戦に出場できるような歌手になった時は、自分のイヤリングを身に付けてほしいと依頼。そして、夏子が初出場で歌ったのが「ブルーライト・ヨコハマ」。神回。

昭和20~40年代の大阪を舞台に、製パン店を営む岩田家の夢と希望を描く、底抜けに明るい昭和の家族の物語。美人四姉妹・春子(紺野まひる)、夏子(上原多香子)、秋子(上野樹里)、冬子(石原さとみ)が、それぞれに個性的な才能を開花させてゆく。

他にも、『なつぞら』に出演した渡辺麻友さん(1994年、元AKB48)も、今日が誕生日のようです。お元気でしょうか。



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