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署名入り「ドラマ評論家」5人

映画評論家といわれる人はたくさんいて、Wikipediaにも一項目ありますし、情報番組などで顔出し解説する著名人も。それに比べると、ドラマ評論家はマイナーな印象。

基本、個人が自由に鑑賞すればいいドラマではありますが、TwitterのTLなど、他人の意見に耳を傾ければ、新たな視点や見逃していた事実に気づかされることがありますし、プロのドラマ評論家ならば、より深い分析をしていることもあり、作品への理解が深まる場合も。

というわけで、ドラマ評論を署名入りでしている人を5人挙げてみたいと思います。まずは、一番目にするコラムニスト・テレビ解説者の木村隆志さん。雑誌やウェブに、月30本ものコラムを提供しているそうです。

目を惹くようなキャッチーなタイトルと、切り口が持ち味。アイデアはいいけれど、やや強引かなということもありますが、ついつい、読んでしまいます。ジャニーズやテレビ局に対して厳しい意見を書くこともありますが、最近は少し柔らかくなってきたかな?

次は、次世代メディア研究所代表の鈴木祐司さん。NHKでドキュメンタリー制作に携わった現場出身。メディア論全般を語りますが、ドラマにおいては、視聴ログデータなど具体的な数字に基づく分析が、他のテレビ評論家にない持ち味。

出身のNHKに対しても容赦なく、例えば大河ドラマ『青天を衝け』に対しては、「筆者は初回のあと、北小路欣也扮する徳川家康が、日本史を解説するシーンへの疑問を投げかけた。SNS上では、この演出を面白がる声もあった。ところが、視聴者の流出率を直近4作の大河と比べると、その解説コーナーで見るのをやめた人が明らかに多かった。」という具合。

3人目は、リアルサウンドへの執筆が多い久保田和馬さん。ちなみに、エンタメ系のドラマ記事で、最も深掘りしてくるのが同メディア。その中でも、『俺の家の話』『にじいろカルテ』を任されている久保田さんは、一つ抜けている感。ただ、今も肩書が映画評論家なのは、映画自主制作出身の矜持なのかな。

例えば、『俺の家の話』第5話についてはこんな感じ。「それぞれ見事にバラバラの思惑を抱えた家族たちが総出でひとつのバンに乗り込んで旅行に向かうさまは、さながら『リトル・ミス・サンシャイン』のよう。そこに“介護”という重厚なテーマが加わることで、古典的な家族ドラマのスタイルをより現代的にブラッシュアップしているとみえる。」

4人目は、エキレビ!の「朝ドラレビュー」を毎日連載している木俣冬さん。『みんなの朝ドラ』を出版するなど、朝ドラの第一人者。演劇にも造詣が深いようで、そうした視点が目から鱗だったりします。民放ドラマ全般もカバーし、インタビューやドラマノベライズも多く手がけています。

基本悪口は書かない方のようで、タイトルだけでもそれが伺えます。「朝ドラ名物“いじめキャラ、”時代に合わせ“実はいい人”に変化」「朝ドラ史上最低の父・トータス松本“テルヲ”に視線集中!ヒロイン輝かせる“ダメ父”の歴史を振り返る」などなど。

最後は、ライター兼イラストレーターの吉田潮さん。特徴的なイラストなので、一番知られている人かも。木俣さんが多方面に角が立たない文章なのに対し、吉田さんはあえて波風を立てる芸風。自分も大ファンだったナンシー関さんと比較する向きもありますが、ツボにはまれば爽快感があります。

気に入った作品は全力で誉めてますが、そこはスルーして、冬の“がっかりドラマ”についてこう書いています。「厳しいですよね。“また続きはHuluでかよ”っていうね。これがもう最近の日テレのやり口なんですけど、それに“ケッ”と思っている視聴者はけっこう多い。」




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