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ソフトSMが浸透 映画『ナインハーフ』(1986年)

先日、スポーツ紙の記事の見出しに「同棲女性に手錠や首輪」というのがありました。当該案件の実態がどうであったかは不明ですが、一般論でいえば、同意なき拘束は「逮捕・監禁罪」でしょうし、両者の合意の元であれば、単なる「性的嗜好」ということになろうかと。

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といって、合法的な「性的嗜好」であっても、それに対する社会の許容度は、時代や国によってさまざま。例えば、チャップリンが離婚裁判で、妻から変態行為と非難された「口淫」は、現代日本では一般化していますが、ハードSMとなるとまだまだハードルが高い気がします。

「9割の女性がソフトSMに興味あり」と、日刊ゲンダイの記事(2014年)は書いていますが、その信憑性はともかく、「an・an」などの女性誌等で、これまで何度もソフトSM特集記事が組まれてきたことは確か。そのきっかけになったと思われるのが、映画『ナインハーフ』(1986年)。

ニューヨークで働くエリザベス(キム・ベイシンガー)は、ある日、素性も知らないジョン(ミッキー・ローク)と知り合い逢瀬を重ねてゆく。目隠しや氷を使った愛撫など、ジョンが求める要求は徐々にエスカレートしていき…という異色のラブストーリー。

日本でも一世を風靡し、当時も女性誌でソフトSM特集が組まれていた気がします。映画の出来そのものはともかく、イギリスのエンタメニュースサイトdigital spyによる「映画に出てくる名セックスシーンベスト10」で『ナインハーフ』が2位ということですから、記憶に残る映画には違いなく。

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1980年代を代表する色気ある二人が演じたからこそ、成立したというのもありますし、恋愛抜きに欲望の赴くままに快楽を追求というのも、時代の空気に合っていたのでしょう。当時のカップルも、タオルを使っての目隠しや両手縛り、氷を使った愛撫などを試してみたのかも知れません。

そして現代日本。ソフトSMがどう受け入れられているか、本当のところはわかりませんが、お互い合意の上でなら、お好きにどうぞ、という感じでしょうか。






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