とにかく一人の時間が欲しかったシンママが一人時間を満喫してみたら、あんまり楽しくなかった、という話。

20代の頃、私は、自由だった。

一人暮らしをし、
仕事をしながらも、
好きな時に好きな音楽を聴き、
ライブに行き、クラブに行き、
居酒屋に行き、好きなお酒を飲み、
好きな時に好きな友人と街に行き、
たくさん、恋もした。

今思えば、とてもとても、楽しくて、幸せだった。


今はどうか。

ワンルーム。
子どもがずっとそばにいるから一人の時間はない。
テレビも音楽もYoutubeも子どもに決定権があり
ライブにもクラブにも行けず
居酒屋に行くことも、人に会って
外でお酒を飲むこともなくなった。

一人の時間がないこと。
友人と会うことがないこと。

一時期、それがとても嫌で嫌で、
子どもが元夫との面会で家にいないとき、
思い切って
一人でクラブに行ってみた。

あんまり、楽しくなかった。

当時の友人がいるわけでもないクラブは
私の知らない場所になっていた。


学生時代の友人と久しぶりに
街を歩いてみた。

昔ほどの楽しくなかった。

独身の友人とは、
会話の内容もお金の使い方も、まるで違っていた。

(あんなに一人になりたいと思ったのに、)
(あんなに好きだった音楽が聴けたのに、)
(あんなに会いたかった友人なのに、)
(あんなに歩きたかった街なのに、)

あんなに楽しみにしていた一人時間が、
こんなにも楽しくなく、
こんなにもぽっかりと寂しいなんて、
思ってもいなかった。

子どもは居たら居たで、
うるさいし振り回されるし、と
一人になりたかったのに、

一人になったらなったで、
寂しいし、心細いし、
なんかものすごく物足りない気がした。

自分の時間が無くなったからって、
私は、不幸じゃないんだ。

ただ、ないものねだり、なだけだった。

子どもに振り回されるこの日々も
10年後にはきっと、
思い出して涙が出るくらい、
幸せな日々なんだろう。

そう、気づかせてくれた、
一人時間だった。

だったら、この振り回される日々を、
もう少し、味わってみようか。

日々の見過ごしてしまいそうな瞬間瞬間を
大事に、大切に、取りこぼしてしまわぬよう、
心のカメラのシャッターを、押しまくろう。

そう思えたら、不思議と
一人時間が、多くなった(笑)

次の一人は、何をしようかな。

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