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akane*の短歌

1.卑怯だね 雨のち晴れと言ったのに 晴れのち雨とは 言わないあなた

akane*


物事の良い面ばかりをとって話す人がいるけれど、人生そんなもんじゃないと私は思います。
でも「あなた」がなんで「雨のち晴れ」だけを「私」に伝えてくれたのかと考えると、この短歌は違った見方ができると思います。


2.髪のように 伸びては切って 入れ替えて 新たな心を 備えていたい

akane*


常に心を換気して生きていきたいという気持ちを短歌にしました。


3.君からの 消えない言葉を携えて 私は毎日 航海に出る

akane*


毎日は旅の連続だと思っています。
そんな時に、君の消えない言葉があれば私は頑張れる。
そんな当たり前の「言葉の力」「人の力」を短歌にしました。


4.自由さに 憧れ続け 流されて 我を失う 浮草のよう

akane*


自由が欲しいと言って、母体を疎かにしたまま流され続けると、気付けば浮き草のようになって、大海原を浮遊し続けることになる…という怖い話です。
何かになるなら、母体がしっかりしていて、自由にたなびく海藻にならなくてはなりません。


5.雑記帳 文字を消しても 脳内の 襞は消えない ならばどうする

akane*


感情を吐き捨てただけの破り捨てたくなる文章も、一度表に出してしまえば脳内の襞には刻み込まれてしまうのだから、気にせず文章にすればいい…
と思うのですが、皆様いかがですか?


6.眠れずに あなたの隣で息をする 寝てもあなたの 夢を見るだけ

akane*


「寝ても覚めてもあなた」という状況です、はい。


7.窓際の 差し込む朝日をあなたにも あげたいけれど 夜に旅立つ

akane*


夜な夜な遊びに行って一緒に朝を迎えられない彼のことを、思い浮かべて読んでみると良いと思います。


8.これしきの ことで嘆くな 今日私 失恋したの 小さなことで

akane*


大それたことで恋人を失うよりも、些細なことの積み重ねで恋人を失う方が辛いだろうな、と思って詠んだ短歌です。


9.ひるやすみ これ見よがしに 歌集見る 嫌われたって うたは友達

akane*


これは実際にやったことはないですが、ひるやすみに1人で歌集を読んでる社員になんて近づきたくありませんよね。
でも好きなことに邁進している姿が素敵だなと思い、歌にしました。


10.だいすきよ 言ったそばから 泣く私 それをかわいく 見守る仔猫

akane*


仔猫はどこまでもかわいく、複雑な胸中で泣く私よりも格段にかわいいのだ、と思った歌です。


11. 荒れている 唇そっと 押しあてて 乾き潤し 生きかえる夜

akane*

荒れた唇を湿らせて心まで潤す様子を歌にしました。


12. ジャガイモに 芽が出て喜べない私 新たな命 芽吹いた朝に

akane*

ジャガイモに芽が出ることは人間にとっては面倒なことですが、ジャガイモにとってはとても喜ばしいことです。そういう忘れがちな喜びと、それを喜べない哀しみを歌にしました。


13. ダージリン この一杯で もう終わり あなたとだって これでさよなら

akane*

恋人との最後のお別れシーン。
この一杯で区切りをつけようとする、主人公の強く切ない気持ちを表現した歌です。


14. 丁寧に 身を崩しても 取れぬ骨 生きた証を よく噛み砕く

akane*

魚を食べる時にしぶとく刺さってくる小骨も、魚が生きた証なのだとして噛み砕こうとする私です。


15. 大嵐 甘えることができるから やまない雨はないと言うなよ

akane*

大嵐の時くらいしか甘えられない女の子の気持ちを、少し投げやりに表現しました。


16. 身をよじり 手を伸ばしても 届かない 痛くも痒くも なさそうな君

akane*

「痒いところに手が届かない」とよく言いますが、そこから着想を得て、手に届くことのない君が「痛くも痒くもない」という現実を描いてみました。もどかしいですね。


17. 間違いを 正してくれる 優しさを 知らないままの 君は幼い

akane*

私は間違いを正してくれる優しさを知った分一つ大人になれるのだ、というお話。


18. 恋人の 後ろに揺れる人の影 どうかこのまま 膨らまないで

akane*

恋人に異性の影が見えて、これ以上その存在が恋人の中で大きくならないように祈る歌です。


19. 六法を 枕に今日も眠ってた 君は私じゃない夢を見る

akane*

勉強に夢中な彼は本を枕の下に敷いたまま眠りに落ちてしまった。
よく「枕の下に好きな人の写真を入れたらその人が夢に出てくる」というけれど、彼の夢には私ではなく本の内容が出てくるだろう、という嘆き。


20. 軽率に 呼んでくれるな 人の名を その声色で 世界が変わる

akane*

「人は愛されて名前を呼ばれた回数だけ幸せになれる」とよく言われます。
だから、適当に、雑に、私の名前を呼ばないで欲しいのです。
その一声で世界が変わるんですから。


いかがだったでしょうか?
短歌初挑戦なので、気に入ったものがあればコメントなどでフィードバックいただけたら嬉しいです。

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